こんにちは「中川ひろじ」です。

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20191115 多摩市公契約条例の調査

2019-11-15 22:20:59 | 雇用労働・産業

 

昨日の世田谷区に続いて、多摩市公契約条例について調査。多摩市は人口約15万人で昭和48年から入居が始まった多摩ニュータウンがある。高齢化が一気に進もうとしているなかで健幸まちづくりを進めている。自治基本条例、議会基本条例もすでに制定済み。

多摩市公契約条例制定までの経過

平成22(2010)年に阿部市長(現)が選挙公約として「公契約条例の制定」を掲げ初当選。市発注の工事・委託等に携わる労働者の賃金、労働条件の低下を防止することで、労働者の生活安定、ダンピング防止、良質なサービスの提供を目指した。

庁内では、副市長・関係課長・労働組合など7名で「公契約制度調査検討委員会」を設置し4回検討を重ねる。庁外においては事業者アンケートを実施するとともに「公契約制度に関する審査委員会」を、弁護士・労働側二人・経営者側二人で構成。パブリックコメントを実施後、平成23(2011)年12月21日条例案を可決した。

制定後、「公契約制度に関する審査委員会」は、労務報酬下限額の諮問や公契約条例に係る重要事項を検討する「公契約審議会」に移行。熟練労働者については設計労務単価の90%以上、委託・指定管理・熟練労働者以外の労働者については下限額を903円と定めた。その後、最低賃金が大幅に引き上げられる中で、現在は熟練労働者は設計労務単価の90%ととし、全体の労働者の80%とする、熟練労働者以外は1045円としている。

工事請負契約は予算の半分を目安として5000万円、業務委託契約では1000万円以上、公の施設の指定管理を対象としている。

受注者は労務台帳の整備、立入検査や報告など、関係者への調査に協力することが義務付けられている。条約違反については契約を解除し公表、市は損害賠償または違約金の支払いを命じることができる。

多摩市公契約条例の特徴は、労働者の中には、1人親方も含まれること、60歳以上の労働者は除外、指定管理や委託契約においては労働者の継続雇用について努める、労務台帳に賃金は記載せず設計労務単価の90%以上の支払いをしている旨の記載、公契約条例のほか総合評価落札方式で地元業者に加点をするなどのダンピング防止措置をしている。

これまでの7年間の効果を確認するため事業者にアンケートを取ったところ、「離職率の低下」「ダンピング防止」につながっていると評価されている結果が出ている。

今後の課題として、労務台帳の改善、下限額の業種別設定、適用労働者の年齢、落札率、公契約条例の周知など。

・・・お話を聞いて、公契約条例により「離職率が低下」していることや、「ダンピング防止」につながっていることなどを周知していく必要性や、労務台帳の簡素化により事業者の負担を減らしていくことが大切だと感じた。

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20191114 世田谷区希望丘複合施設を視察

2019-11-15 06:35:04 | 健康福祉
 
 
 
世田谷区希望丘複合施設を視察しました。この施設は、旧希望丘中学の跡地に建てられたもので、青少年交流センター、ホットスクール、拠点型保育園が併設されています。
最初に、青少年交流センターですが、建てるか前から地域の声や若者の意見を反映して、開かれたイメージになっています。最近では塩尻市のエンパークやエンテラスと似た雰囲気です。
運営についても、運営を委託された児童育成協会と地域の皆さんや若者が議論を重ね広報戦略や家具の選択など、愛称の「アップス」の選定などを行ってきました。
利用者は、平均して1日200人。登録制のメンバーシップカードと、ビジターカードがあります。小学生が45%、中学生が30%、高校生が25%くらいだそうです。時間は小学生が18時まで、中学生が20時まで、高校生が22時までとなっています。
基本的にはイベントはあまり行わず、「やりたいことをやる」、余白をつくってあると言っていました。
多目的ホール、カフェ、交流スペース、多目的スペース、調理室、ラウンジ、青少年専用会議室、学習室、音楽スタジオなどのほか、テラスには菜園もありました。
地域の皆さんとの懇談会や若者委員会、3ヶ月に一回の合同委員会などで運営について相談がされています。
複合型施設であるので、異年齢交流はもちろんのこと、近くの特養との交流なども行われています。
児童育成協会への委託料は6700万円で、スタッフが7人、インターンが2人、地域ボランティアが2、3人(登録は20人)で、運営しています。「22時まであるので大変ですが、やりがいがある」とセンター長は話してくれました。
 
 
 

 
 
次に、「ほっとスクール希望丘」を視察しました。「ほっとスクール希望丘」は、世田谷区が不登校の小中学生を支援する区内3ヶ所目の施設です。
ほっとスクールは、「心の居場所」であるとともに、「まなびの場」でもあります。
「ほっとスクール」では、子どもが自分で自分のことを決めることを尊重し、週何日通うのか、いつ来ていつ帰るのか、どのプログラムに参加するかしないか、1日をどう過ごすのかなど、子どもが自分の気持ちをもとに、自分で決めて行動することを大事にしています。
現在、世田谷区内で不登校の子どもは800人くらいで、区が運営する3つのほっとスクールは100人くらいが常時通って来ていて、時々顔を出す子どもたちも含めれば200人くらいいるそうです。
複合施設なので、活動の場が広がり、ほっとスクールのあとアップスに行くと「ただいま」「おかえりなさい」と声をかけあっているそうです。体育館が使えることも利点です。
他の2つは直営ですが、ここ希望丘は、フリースクール東京シューレに委託して運営が行われています。委託にあたってはプロポーザル方式で行われ、ほっとスクールの考え方について、世田谷区と何度も意見交換をしてきたそうです。その中で、学校復帰にこだわらず、社会性を身につけることを重視することが世田谷区と一致して受託したそうです。子どもたちからすれば、選択して学ぶ場として位置づけられていること、無料ということも親に負担をかけてしまうという否定感を減らしてもいるそうです。
委託費は3200万円で、スタッフは、かつて不登校であったり、学校の先生であったり、心理士であったり多様です。
 
 
 

 
 
続いて、拠点型保育園「希望丘保育園」です。世田谷区は人口90万人で、3年間で3%程度増え続けています。公立保育園が48園、私立保育園が158、認定こども園が5、地域型が28、認可外が49、その他22あります。区内は大きく5つの地域に分かれるため、それぞれに拠点型保育園を設置して、地域保育ネット、医療的ケアの必要な子どもの受け入れ、ひろば事業を行なっています。
特に、地域保育ネットは、希望丘が含まれる砧地区内の40の保育施設の責任者や民生児童委員など60人が、世田谷区の方針である「保育の質ガイドライン」に基づいた交流が行われ、民間施設の園長さんや施設長さんからの相談ごとにものっています。そのため、副園長が2人いるなど人的体制も整えられています。ちなみに希望丘保育園の体制は、正規が48人、非正規が30人だそうです。
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