■長野県内不登校児童生徒7,060人
信州社民ネットは、11月16日小諸市において公開講座「“不登校”を考える」~多様な学びを求めて~を開催しました。最初に馬場武親長野県次世代サポート課長から不登校の現状や「信州型フリースクール認証制度」について報告を受けた。
先頃、発表された1000人あたりの不登校児童生徒数は全国で3番目に多く7060人である。これは5年前の平成30年と比較すると2.2倍になる。市町村教育支援センターの利用者数は1147人(同2.5倍)、フリースクール等民間施設の利用者数は477人(同3.5倍)、施設数も96(同2.1倍)に増えている。
長野県は、教育機会確保法の趣旨を踏まえ、不登校児童生徒の学校以外の学びの場を確保し、将来の社会的自立に結びつけるため、フリースクール等民間施設を利用する児童生徒が増加する中、提供される学びの多様性を尊重しつつ、学びの選択肢の一つとして。市町村教育委員会・在籍校とんお連携・協力の促進等により、安心して利用できる仕組みとして、信州型フリースクール認定制度を創設し、今年度から運用を始めている。
今年始まったばかりの制度だが、課題も見えてきている。一つには、県はフリースクールを支援するが、それだけでは不十分で市町村のフリースクール利用者への支援が必要だが、取り組みがされているところと、されていないところがある。二つには、制度そのものの課題で、①認証制度が煩雑、②認証の条件スタッフに一人以上教員資格取得者が必要であること、③補助上限が低い、④補助率が低いなどがあげられている。現在、平均的な補助額が60万円、上限額の60%の補助となっている。
■“つながり”をどうつくるのか
続いて、佐久市や小諸市、御代田町などで不登校問題に取り組む「親の会」やフリースクール運営に携わる皆さんから報告がされた。
小諸市の「親の会」からは、「学校の中でチームとしての相談体制必要。相談したくてもSSWやSCにつながれない」、信州フリースクール居場所等運営者連絡協議会代表村上陽一さんからは「どこも運営費足りない。補助率が60%行かない人はに申請していない。人件費の補助は、そもそもボランティアでやっているので該当しない」など認証制度についての課題が提起された。また、佐久市内で29年間フリースクールをしている方からは「光熱費や賃料が補助の対象になっていない」と指摘、このほか「低学年の学級崩壊、いじめ、暴力が多い」「“〇〇さんだけズルイ”という表現でいじめられる。クラスの中で話し合う場所必要」「フリースクールに納得している人9割以上、不登校の原因が教職員の問題と考えている子どもは42.5%、いじめが原因10%以上、学校の決まりが問題と考えている子ども30%以上で、いずれも先生たちが考えていることと大きなギャップがある」「心理士から担任に子どもの気持ちを伝えてもらって対応が変わった。つなげてもらう人が必要」「学校・フリースクール・塾の連携必要」などの意見が出されました。
■実態調査をさらに行うこと必要
主催した信州社民ネット自治体議員団会議は、今後不登校についてSSWやSC、不登校支援員の実態について、それぞれの自治体における実態調査を行うこと、フリースクール認証制度の課題について整理すること、市町村の不登校家庭への支援を強化することなどに取り組むことを確認しました。
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