社民党脱原発・脱プルトニウム全国連絡会議が主催し学習会と省庁交渉が、12月19日東京参議院会館で開催されました。冒頭、連絡会議の高橋真一会長から「柏崎には地域の会があり、15人の委員がいる。エネ庁や規制庁、県・市町村など50人が参加しているが反対派は4人だけ。安倍ほどひどい総理はいないと思っていたが、岸田はもっとひどい。原発を60年、70年稼働させると言っている。しかし部品は中性子によってヒビが入っている。延長は許されない。これまで事故の隠ぺいが続いてきた柏崎刈羽原発は核物質移動禁止命令が出ている。地域の会で、避難計画をどうするのか主張している。昨日、雪で3時間かかって長岡に出た。こんな状況で避難などできない。非難もできない中で再稼働は許せない。そのことに国も東京電力も全く答えられない」と挨拶がありました。
福島みずほ党首から「3.11原発事故以降、8件の裁判で勝利している。脱原発運動を社民党が担ってきた。青森市議選で脱原発をはっきりいう議員が誕生した。自民党の原発推進を止めなければならない。安保三文書にも原発が入っている。2002年美浜3号機は原発事故があったが、40年を超えている。柏崎刈羽原発は、中越沖地震から動かしていない。汚染土・汚染水を全国に移動させるという。脱原発の運動を強化していきたい」と挨拶がありました。
学習会は、原子力資料情報室の松久保肇氏から「岸田政権による原発再稼働・40年ルール撤廃・原発新増設の概要及び、その狙いと背景」について講演を受けました。
原子力小委員会は21人いて、脱原発で発言するのは松久保氏と村上千里氏の二入だけ。革新炉ワーキンググループ13人は、原子力村の会議で、反対派は松久保氏一人。8月24日岸田政権が新増設再稼働の方針を示し、原子力小委員会で5回議論を行ってきた。革新炉WGは6回行い、7月原発新設スケジュールを提示した。9月22日検討を開始し、ひと月後に対応案が出てくるなどあまりにも拙速な議論が進められ、12月8日報告案がまとめられた。
反対派の意見は聞かないので、危惧する。8月24日のGX実行会議で再稼働9基が支持されたが、電力会社はもともと9基の再稼働を決めていた。動かすことをアピールするためのものだ。原発エネルギーは2021年7.8%シェア、2022年5.7%、実は減っていて火力発電が増えている。
使用済核燃料の貯蔵能力が、2027年前後に川内、高浜、大飯はいっぱいになる。再稼働しても数年で停止になる。
運転期間延長は20年+αとし、αは停止期間。無期限延長案を委員は支持だが、経産省は限定延長案を出してきた10年ごとに検査をして延長していく。問題になるのは早くても数年先で多くの場合10年以上先になる。柏崎刈羽原発で2025年、なぜ今議論をするのか。
昭和45年当時、建設会社は耐用年数を30年といい、アメリカが40年というと40年と言い換えてきた。
原発は事故が許されるものなのか。事故が起きれば30万人が避難をしなければならない。安全管理は原子力規制庁が議論しないという。根本的に間違っている。
2022年11月28日革新炉WGで提出してきた資料では、現状維持が最適であるにもかかわらず延長を可能としている。
フランスの原発は老朽化が進み、電力量が低下して、電力危機に拍車をかけている。日本の原発も多くが老朽化し、むしろ電力供給のリスクとなっている。フランスで配管の劣化で12機止まっている。
原発新設が具体化するのは10年程度先、新設原発が廃止になるのは2200年頃、サプライチェーンを維持するためには、10年で2基から3基建設を続けなければならない。1基2兆円かかる。
他に投資が回らない状況が出てくる。一方で原子力のコストは上がり続ける予想が出されている。洋上発電は12円から16円。原子力は自前でお金が出せないので、国に要求してくる。
国民は、10年間で17兆円払ってきた。内、原発で1kwhも発電しなかった原子力事業者分が11.65兆円。FIT賦課金と買取電力13.56兆円、撤退できない。
動かない原発に投資して、他のエネルギー源への投資が行われてこなかった。原子力産業界のニーズで建設業のシェアが拡大し、メーカーのシェアが低下しているので、三菱重工は減っているので、新型開発をアピールしている。黒幕は三菱重工。 原子力開発費2000億円を超えていたが2011年以降1000億円に減ってきている。その復活を目指している。
質疑
福井・山崎「使用済み核燃料、美浜3号機、柏崎刈羽原発は2031年にいっぱいになると言っているが、2027年にいっぱいになる。美浜の1.2号機のプールを使う計算だ。県は関電に聞いてくれの1点張り。関電は何も答えない。2年前に関電は使用済み核燃料の行き先が決まらなければ、美浜は2023年には止めると約束している。」
松久保「この数字は電力会社の数字。問題は、使用済み燃料の行き先。6つの中間貯蔵施設にもって行きたいと言っている。6つの貯蔵施設は東電がつくったもので、他の電力会社は使えない。沸騰型の燃料しか入れらないことになっている。」
福井・山崎「新増設には力が入っていないのでは」
松久保「既設原発の建替えを進めると言っているが、そこまで積極的かといううと電力会社は余裕がない。革新炉は司令塔が必要だと電力会社が言っている。濃淡がある。新設には金がかかる」
午後、全国連絡協議会から、政府に対して以下の要請書を提出しました。要望は以下の4点と福島原発事故に関わるもの。
①40年ルールを基本とする「原発依存度の低減」を引き続き踏襲すること。
②40年ルールの変更は経産省マターではなく国会マターであることを表明すること。加えて規制範囲を「放射能災害の影響緩和」へ拡大、拡充し、避難計画とその実効性を規制項目に加えること。
③岸田総理大臣の9基の原発稼働指示を即刻撤回すること。加圧水型原発2基と沸騰水型原発5基の計7基の再稼働を撤回すること。
④プルトニウム利用政策を抜本的に転換し、六ヶ所再処理工場を閉鎖し、MOX燃料加工工場の建設を中止し、プルサーマル計画を中止すること。
福島原発事故については、①原子力を推進し、重大原発事故を起こした国の責任を明らかにすること。②被災者は国策による被害者、最後の最後まで国が前面に立ち責任を持って対応(原子力災害対策本部)すること。③福島事故を繰り返さない観点から、事故原因、とりわけ、安全神話の虜・技術、構造的原因を究明すること。復興と廃炉の両立は欺瞞であり、これらの現状と課題および①②との関係について評価を示すこと。⑤廃炉・健康・生活再建課題の現状と課題および①②④との関係について評価を示すこと
また、次世代型原発の開発・建設については、「今後の原発建設は高くつき、次世代原発の安全性は未だ実証されていない」ことを国民に率直に認めることを要望した。
これに対して、経産省、原子力規制庁からは9人が出席した。
資源エネルギー庁江川
原子力政策室佐藤「柏崎刈羽原発の再稼働の時期、予断をもって言えない。地元の合意を得て再稼働をすすめる」
原子力規制庁「我々として判断できない。検査を強めている。命令の解除は、追加検査終了後。いつ終わるかは、東京電力次第です。」
放射線廃棄物対策課西尾「日本電源、搬出する期限を遵守して。処理については、廃棄方法については最終処分場を北海道で2カ所で説明をしている」
原子量政策課佐藤「既設炉と比較して、新たな規制に適合したもの」
福井・山崎「関西電力が使用済核燃料の移動ができなければ止めると言っている。監督官庁として指導すべきではないか」、核燃料サイクル化村橋「関西電力は不退転の覚悟で表明している。仮定の話には答えられない」
鹿児島・山崎「川内原発20年延長を申請している。知事は県民投票もひとつの選択肢と言っている。運転期間の延長について具体的に固まっていくのか。規制委員会が結論を出す前に県として方向性を出すため議論をしている」
江川「GX実行委員会は、年内に取りまとめるよう指示が出されている。法制化についても、その後の課題となる。」
島根・芦原「高レベル廃棄物の処理について、全国の中で興味をもっている自治体があるのか。」
西尾「あるといえば、文献調査に協力をしていただけなくなる可能性があるので答えられない。数は答えられない。最終処分をしなければならないと考えている自治体はある。」
茨城・相良「再稼働についての現状」
江川「電力需給、この冬の再稼働、夏以降への対応として7基」
相良「東海第2、再延期されて9月以降となっている。それ以前に動かせというお話がある。」
「東海第2、内閣府が担当だが、原子力防災協議会の中で避難について具体化についての協議をおこなっている。」
「7基は、ゆるぐことはない。地元の理解を得て再稼働していく。夏以降動かす。決定的にいつということは言えない」
相良「地元の合意は」
「避難計画について、国から支援をしてほしいと言われている。」
相良「避難計画まだ、多くはできていない。国は介入するのか」
「自治体の作成義務があるが、解決しにくい課題について、支援要請があれば対応する」
相良「国が前面にたって対応する、ことの意味は」
「自治体の求めに応じて
相良「従来方針でいいのか」
「いい」
青森「①世界の再処理の状況は。②日本原燃29回目の延長を表明した。目途をどう考えているか。③MOX燃料の大間原発が建設中だが、原子力規制員会の審査状況は」
村松「フランスにおいては、つぶさに把握しているわけではない」
原子力規制庁川畑「再処理工場、設置審査は終了しているが、工事の段階で審査をしている。目途は立っていない。大間原発、設置変更許可の審査をしている。シームという地盤の審査をしている」
福島・佐藤「福島についての認識をお聞かせいただきたい。」
江川「資源エネルギー庁は、福島が原点。私は3.11の時、」原子力政策に関わっていて、福島へ行った。避難者とも話した。若手とか知らない人も増えているが、伝えていきたい。原点を忘れてをならない。そのうえで転換するのか。エネルギー政策として供給していかなければならない、GX,環境問題に対して、第6次エネルギー基本計画にそって進めている」
鹿児島・山崎「福島原発の事故を受けて、民主党も自民党も原子力の依存度を限りなく低減すると言ってきた。岸田政権は、それに逆行するのではないか。福島の経験にたっていないのではないか。国民世論の丁寧な集約が必要ではないか」
江川「今回の議論の経過は、オープンでやってきた。パブコメやる。」
山崎「民意は関係ないのか」
江川「国民の理解を得ることは常に考えている。」
山崎「転換する以上、丁寧な対応が必要」
高橋「再稼働と非難計画について。非難計画できたという回答はないのに、再稼働させるのか」
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