国鉄中央東線に特急「あずさ」が登場したのが1966(昭和41)年の12月12日。今日でちょうど50年になる。1977年3月25日に発表された狩人の「あずさ2号」が一世を風靡した。1978(昭和53)年10月2日のダイヤ改正により「下りは奇数・上りは偶数」に統一されたため新宿発「8時ちょうどのあずさ2号」はなくなった。
私が進学のために上京したのは1977(昭和52年)であったので、「あずさ」とのつきあいはその頃からである。お金がなくて夜行列車であった「急行アルプス」も結構使った方である。夏山やスキー客でいっぱいで、よく通路で新聞紙を敷いて寝てきたことも懐かしい。「アルプス」は2002(平成14)年12月1日のダイヤ改正で廃止となった。2007(平成19)年から列車内は全て禁煙となったが、当時喫煙していたものにとってもタバコの臭いは相当気になった。
切符はお得な「あずさ回数券」を使う。6枚つづりで27,780円。一枚当たり4,630円で指定席が取れる。回数券を使わなければ6,900円だから使わない手はない。
長野新幹線が開通した後も、上京する際は「あずさ」を使う。現在、1994年に導入された振り子電車「スーパーあずさ」とともに、一日18往復が運行されている。一部列車が東京、千葉、南小谷まで運行しているが基本的には松本新宿間である。ちなみに同じ中央東線の特急には甲府新宿間を運行する「かいじ」があり、新宿駅中央線特急専用である9番、10番線のホームを「あずさ」と一緒に使っている。
このうち上りは松本発11時8分の「スーパーあずさ14号」が最速で2時間25分で新宿に到着する。下りは新宿発14時の「スーパーあずさ19号」で2時間26分かかる。中央本線の高尾塩尻間は運行本数が少なくても大部分が山間部を縫って走る路線のためにカーブや勾配が多く、また高尾新宿間は、線形は比較的良いが、通勤路線で本数が非常に多い快速列車と同じ線路を走行するため、それらの列車の間を縫って走行しなければならず、速度向上がままならないのが現状である。
都内の事故で時々、かなりの遅れが出ることにも閉口する。また山岳地域を走るので雪の影響も大きい。現在、速度を上げることは難しいので、快適性を上げることを求めている。リゾート列車的な要素をもう少し加味し、長く乗っていても腰が痛くならない座席に改良してほしい。
それでも松本人にとっては「あずさ」は東京への玄関口なのである。そして「あずさ」が東京人にとって上高地・北アルプス・松本への玄関口であってほしいと願う。