リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

テレマンのアリア

2022年10月01日 12時52分05秒 | 音楽系
テレマンのアリアをギター5重奏のために編曲してみました。原曲はマニフィカートTWV 9:18 第6曲のアリア「主は飢えたる者によきものを与え給う」、歌詞はルカ伝1章53節です。

先日近所のギター愛好家の集まりに呼ばれていったのですが、そこでテレマンのアリアと称する楽譜を見せてもらいました。それがまぁ何といいましょうか、めちゃくちゃな編曲で、それを使って合奏をしたいと仰っていましたので、義憤に駆られてきちんとしたアレンジを作るに至りました。


(最上段がヴァイオリンオブリガート、二段目が歌のパートです。三段目のパートは3rdと4thを一緒に書いています。一番下がバスです)

そのめちゃくちゃな方の編曲はネットに転がっていたもので、編曲者名は忘れましたがその方の編曲は沢山アップされているようです。いつぞやのロバート・ダウランドのVarietie of LUTE-lessonsのナンチャッテ日本語訳(タイトルが「リュートレッスンの諸相」でそもそもここから誤訳でした)もそうでしたが、ネットにはクズみたいなのが沢山ありますのでご注意を。

こちらが音源です。

テレマンのアリア

テレマンのTWV 9:18のオリジナルはネットで探しても見当たらないので、You Tube にアップされているビデオクリップから「耳コピ」をしました。曲自体はとてもシンプルで分かりやすい建て付けです。通奏低音の、鍵盤で言う右手で弾く部分は私がリアライズしました。もともとが多分あまり訓練されていないオケでも弾けるように作ったようなので、アレンジもとてもシンプルで弾きやすいものになりました。メロディがとても印象的、耳に付きますね。このようなシンプルな和音や音の動きだけで魅力的な音楽を作れるのはさすがテレマンです。