デビューから2作連続全米No.1ヒットを並べたティファニーの3rdシングル。思ったとおり、やらかしちゃってる。
ザ・ビートルズのデビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』(1963)の一曲目「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」のカヴァー。こんなしょーもないカヴァーが全米7位、全英8位まで上がったなんて、どんな時代だったんだよ80's。
①アイ・ソー・ヒム・スタンディング・ゼア I Saw Him Standing There
(Lennon/McCartney)
工夫のかけらも見当たらないダンス・ビートにアメリカンロックなギター。ティファニーちゃんの「がなり」を強調したあまり美しいとは言えないお声。なのに個性的とも言い難い。個人的にはルックスも好みとは言えないし、何をよりどころにして聴いてよいのか…別に無理して聴かなくていいか。頭と最後にオリジナルにはないつぶやきのようなパートがくっついている。イントロと終盤のミネアポリス風の分厚いシンセがどうにもミスマッチ。ポールはどう思ってたのかな。こんなに何から何までハズしまくった曲で、トップ10を獲ってしまうのだから、当時の勢い恐るべし。いや、ビートルズブランド恐るべし、なのかも。
ところでデビュー曲「I Think We're Alone Now」が「ふたりの世界」、セカンドの 「Could've Been」が「思い出に抱かれて」と日本語タイトルをつけていたのに、3枚目はそのままカタカナなのね。ビートルズの有名曲に今さら新たに邦題をつけるより、カタカナのが分かってもらえると判断したのだろう。それはたぶん正解。でも、つけてみてもいいんじゃない。王様風に「アタシ見ちゃった立ってる彼氏」なんてどう?…ってシモか。
②ときめきハート Can't Stop A Heartbeat
(John Duarte/Mark Paul)
裏ジャケライナーによると、明治製菓「MARBLE」のCFに使われている新曲とのこと。どうやらアルバム未収録のレア・トラックみたい。これが意外と青春疾走ポップスで悪くない。ブライアン・アダムスの「Summer of '69(想い出のサマー)」やボウイの「モダン・ラブ」みたいな。
定価不明、中古で52円。
ジャケは日本オリジナル。ちょっと前に紹介したマルティカの「トイ・ソルジャー」と同じくHideo Oida氏による写真を使用している。
で、またかよと言いながら潮音さんのせいで買ってしまった先月リリースのビートルズカヴァーアルバム『LOVE LOVE LOVE』(2009)。このアルバムの特徴は、純然たる新録音は15曲中5曲しかなくて、過去のビートルズカヴァーアルバム(88年と90年)から3曲も採られていたり、「もう何十周目くらいなんだい?」な感じがありありなところ。布袋寅泰、GLAY、THE ALFEEなんて普段はまず聴かない音源が入っているよ。CDって曲飛ばせるから便利だな。
数少ない新録音のうちの一曲が、湯川潮音+LEO今井+JAMES IHAによる「I'M SO TIRED」。
潮音さんの音源はほぼすべて聴いていると思うが、声の生々しさでは一番かも。プロデュースに加え、エンジニアとしてもクレジットされているジェイムズ・イハのいい仕事ってことかな。Aメロを潮音さんが情感込めて、リズムが強調される「♪You'd say~」の部分をLEO今井が朗々と歌う。こういう曲をテンポを落として歌いこむと、ろくでもないことになりがちだけど、なんとか踏みとどまったか。少なくとも一昨年の「Look At Me」よりダレずに聴けた。
でもちょっと不安なのは潮音さんのニューアルバムがロックバンドのカヴァー集だってこと。それ、ちょっとヤバい雰囲気じゃない?声の美しさだけじゃダメなんだよぉ。ファンとしては辛いが駄作の予感がする…まだ聴いてもいないうちから妄想突っ走りすぎ。しかも悪い方へ。いい意味で裏切ってくれよ、潮音さん。
ほかのトラックも少しだけ触れておく。原田知世はニューアルバムがよかったのでちょっと期待したが、いまひとつ安直な印象。「DON'T LET ME DOWN」忌野清志郎 & 仲井戸麗市は88年のオムニバスからの収録。持ってなかったのでこれは嬉しい。清志郎の英語発音はかなりひどい部類に入ると思うけど、そんなことどうでもよくなる説得力のある声だなあ。フジファブリックの「I Want You」はほぼコピーで、その意気込みやよし。冬美はやっぱり日本語じゃないと魅力が出ないな。結局ベストトラックは椎名林檎「Yer Blues」か。「唄ひ手冥利~其ノ壱~」(2005)に収録されているので目新しくはないが、やっぱり解釈力が抜群。
ザ・ビートルズのデビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』(1963)の一曲目「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」のカヴァー。こんなしょーもないカヴァーが全米7位、全英8位まで上がったなんて、どんな時代だったんだよ80's。
①アイ・ソー・ヒム・スタンディング・ゼア I Saw Him Standing There
(Lennon/McCartney)
工夫のかけらも見当たらないダンス・ビートにアメリカンロックなギター。ティファニーちゃんの「がなり」を強調したあまり美しいとは言えないお声。なのに個性的とも言い難い。個人的にはルックスも好みとは言えないし、何をよりどころにして聴いてよいのか…別に無理して聴かなくていいか。頭と最後にオリジナルにはないつぶやきのようなパートがくっついている。イントロと終盤のミネアポリス風の分厚いシンセがどうにもミスマッチ。ポールはどう思ってたのかな。こんなに何から何までハズしまくった曲で、トップ10を獲ってしまうのだから、当時の勢い恐るべし。いや、ビートルズブランド恐るべし、なのかも。
ところでデビュー曲「I Think We're Alone Now」が「ふたりの世界」、セカンドの 「Could've Been」が「思い出に抱かれて」と日本語タイトルをつけていたのに、3枚目はそのままカタカナなのね。ビートルズの有名曲に今さら新たに邦題をつけるより、カタカナのが分かってもらえると判断したのだろう。それはたぶん正解。でも、つけてみてもいいんじゃない。王様風に「アタシ見ちゃった立ってる彼氏」なんてどう?…ってシモか。
②ときめきハート Can't Stop A Heartbeat
(John Duarte/Mark Paul)
裏ジャケライナーによると、明治製菓「MARBLE」のCFに使われている新曲とのこと。どうやらアルバム未収録のレア・トラックみたい。これが意外と青春疾走ポップスで悪くない。ブライアン・アダムスの「Summer of '69(想い出のサマー)」やボウイの「モダン・ラブ」みたいな。
定価不明、中古で52円。
ジャケは日本オリジナル。ちょっと前に紹介したマルティカの「トイ・ソルジャー」と同じくHideo Oida氏による写真を使用している。
で、またかよと言いながら潮音さんのせいで買ってしまった先月リリースのビートルズカヴァーアルバム『LOVE LOVE LOVE』(2009)。このアルバムの特徴は、純然たる新録音は15曲中5曲しかなくて、過去のビートルズカヴァーアルバム(88年と90年)から3曲も採られていたり、「もう何十周目くらいなんだい?」な感じがありありなところ。布袋寅泰、GLAY、THE ALFEEなんて普段はまず聴かない音源が入っているよ。CDって曲飛ばせるから便利だな。
数少ない新録音のうちの一曲が、湯川潮音+LEO今井+JAMES IHAによる「I'M SO TIRED」。
潮音さんの音源はほぼすべて聴いていると思うが、声の生々しさでは一番かも。プロデュースに加え、エンジニアとしてもクレジットされているジェイムズ・イハのいい仕事ってことかな。Aメロを潮音さんが情感込めて、リズムが強調される「♪You'd say~」の部分をLEO今井が朗々と歌う。こういう曲をテンポを落として歌いこむと、ろくでもないことになりがちだけど、なんとか踏みとどまったか。少なくとも一昨年の「Look At Me」よりダレずに聴けた。
でもちょっと不安なのは潮音さんのニューアルバムがロックバンドのカヴァー集だってこと。それ、ちょっとヤバい雰囲気じゃない?声の美しさだけじゃダメなんだよぉ。ファンとしては辛いが駄作の予感がする…まだ聴いてもいないうちから妄想突っ走りすぎ。しかも悪い方へ。いい意味で裏切ってくれよ、潮音さん。
ほかのトラックも少しだけ触れておく。原田知世はニューアルバムがよかったのでちょっと期待したが、いまひとつ安直な印象。「DON'T LET ME DOWN」忌野清志郎 & 仲井戸麗市は88年のオムニバスからの収録。持ってなかったのでこれは嬉しい。清志郎の英語発音はかなりひどい部類に入ると思うけど、そんなことどうでもよくなる説得力のある声だなあ。フジファブリックの「I Want You」はほぼコピーで、その意気込みやよし。冬美はやっぱり日本語じゃないと魅力が出ないな。結局ベストトラックは椎名林檎「Yer Blues」か。「唄ひ手冥利~其ノ壱~」(2005)に収録されているので目新しくはないが、やっぱり解釈力が抜群。
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