失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「スターティング・オーヴァー」 ジョン・レノン 1980年

2010-12-08 | レノンかマッカートニー
ジョン・レノン没後30年。

この8㎝は1997年5月8日リリース。ドラマタイアップでシングル化された。

①スターティング・オーヴァー (Just Like) Starting Over TBS系ドラマ「いちばん大切なひと」主題歌
(John Lennon)
イントロの「チ~ン」3回は「鐘の音」と表現されていることが多いが、私には仏具の「鈴(リン)」のように聴こえる。仏壇に置いてある、棒で叩いて鳴らすやつね。ジョン本人は幸せサウンドとして入れたっぽいが、悲しいことに「鎮魂」をイメージさせるイントロになってしまった。オリジナルシングルはアルバム『ダブル・ファンタジー』の先行シングルとして1980年10月にリリースされ、12月ジョンが亡くなったあとに英米チャート1位を記録した。ギターのみをバックに、ゆったり歌われるサビで始まり、リズムセクションが入ってくるAメロは、低音を響かせるエルヴィス唱法。その後の展開にも5年前の前作『ロックンロール』でふり返ったオールディーズの影響が感じられる。ハウスハズバンド生活5年を経て、新たな未来へと向かう期待と不安。新人じゃないし、新婚でもないけど、新鮮な気持ち。ジョンのソロ作品の多くがそうであるように、個人的な言葉が普遍へとつながっていく。ちなみにこの8㎝についている山本安見の訳詞は、Weが主語の「alone」を「一人きりで」としていて、やっぱり誤訳だろうね。

②ビューティフル・ボーイ Beautiful Boy (Darling Boy)
(John Lennon)
アルバム『ダブル・ファンタジー』では①がA面1曲目で、こちらはA面ラストだった。波の音に、①と同じ「チ~ン」3回。楽園的なスティールパンの音が印象的。メロディは、どことなくオリエンタルなムードが漂う。息子に対する愛情を臆面もなく歌うジョン。最後には「ショーン」て名指ししちゃうし…内容的には大泉逸郎の「孫」とたいして変わらん。それでも大丈夫なロックンローラーって、やっぱりレノンさん、すごいわ。

定価948円、中古で200円。
ジャケットは死後に発表されたベスト盤『The John Lennon Collection』(1982)と同じ写真。1980年12月8日の朝に撮影されたらしい。

30年前の今日、テレビのニュースでジョンの死が報道されたのは覚えてる。その頃はまだジョンとポールの区別もついてなかった。YMOの「デイ・トリッパー」がビートルズのカヴァーだったことに気づくのも、もう少しあとの話。


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2 コメント

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Unknown (k-hiko)
2010-12-09 10:18:55
この写真、当日の朝だったのですね。
初めて知りました。

当時の記憶は一切ないのです(7歳になったばかり)が、中学校の文集に夢をジョンレノンの墓参りをすることと書いた、変な人です(爆)

ジョンレノンコレクションは友人の彼女にせがまれて、"あげた"最初のCDでした(笑)
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Unknown (nakamura8cm)
2010-12-09 23:29:44
お、k-hikoさん
そうなんですよ。私も今回Wikipediaで見て知ったのですが。
そう思うと重い写真ですよね…
墓参りの夢は叶いましたか?

『コレクション』は私は高校時代にLPレコードで買いました。
今は持ってないのはどうしてなんだろう?

>友人の彼女にせがまれて、"あげた"
またまた謎の男女関係の構図がそそりますねえ(笑)
私はせがまれたりする隙を見せないようにしようっと。
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