失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「よろしく哀愁」 郷ひろみ 1974年・1991年、シンシア 1994年

2016-01-10 | 
郷ひろみ唯一のオリコン1位作品。オリジナルとリメイク、そしてカヴァー。


まずはオリジナル。前回紹介した5曲入りベストの1曲目。

①よろしく哀愁 
作詞:安井かずみ、作曲:筒美京平、編曲:森岡賢一郎
1974年リリースされた10thシングル。キャッチーすぎる京平メロディを追いかける、ひろみのまだちょっと硬いヴォーカルが初々しい。ストリングスとホーンが絡む昭和歌謡王道アレンジ。構成としてはA-A-サビ-Aでワンコーラス。この流れるようなAメロが頭を駆け巡る!「友だちと恋人の境を決めた以上 もう泣くのも平気 よろしく哀愁」安井かずみも冴えまくってるな。なんだかよく分からないけど「♪よろしく哀愁~」とバシッと決められると妙な説得力あり。2分56秒。


中央のリメイク。

1991年の62ndシングル「裸のビーナス~NAKED VENUS HOUSE VERSION~」のカップリングが「よろしく哀愁~HELLO SADNESS BOSSA VERSION~」。編曲は難波正司、4分23秒。


右、シンシア(南沙織)によるカヴァー。

①よろしく哀愁
編曲:服部隆之
ジャケットには「よろしく哀愁〈シンシア・ヴァージョン〉」と記載あり。服部隆之の名前で想像つくとおり、華麗なストリングスを中心にしたアレンジ。ストリングスのみをバックにゆったりワンコーラスを歌いきり、最後の「♪よろしく哀愁~」とともに泣きのギターとリズムが入ってくる。2番は過剰なくらい盛り上げる、4分59秒。

②Art of Loving
作詞:売野雅勇、作曲:山崎ハコ、編曲:大谷幸
今のところ最後のアルバム『Art of Loving』(1993)タイトル曲。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
南沙織、39歳。このシングルには、どこにも南沙織の名前がない。完全にアーティスト名「シンシア」として活動していたようだ。


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2 コメント

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Unknown (nakamura8cm)
2016-01-16 00:18:25
そう、タイトルのインパクトも素晴らしいですね~

この頃のひろみって完全に「ヘン声」ですね。
絶対リードヴォーカル以外できないタイプ。
当時は普通に受け入れていましたが、今聴くとあまりに個性的な歌声にビビります。
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Unknown ()
2016-01-15 01:26:30
「よろしく哀愁」というタイトルを目にしただけで、あの筒美センセイのイントロが自然に流れてくるほどワテクシ大好きな曲でして。師匠の記事を読みながら脳内再生してしまいました。最近の郷さんの歌声より、近田センセイに言わせると、プラスティックヴォイスな郷さんの神経に触るような歌声が初々しくもあり、好きなんだなあと思います。歌詞もいいスよね。シンシアが歌っていたのは知りませんでした。
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