ミステリック•ファンタジー

ミステリック•ファンタジー

私は
彼女のカウンセリングを担当している
臨床心理士です
彼女はとてもよく話してくれる

彼女はいつも身近な日常茶飯事な出来事から語り始める
それはまるで作り話のようなメタファーに包まれ
自分の不安を煽り立てて訴えてはいるが、
全てはミステリックなファンタジーになって
なかなか確信に至らない

まるで取り止めのない油絵のような色彩の色の一つ一つを
を表現するように彼女の話は続くため
彼女の話には何一つ論理的な意味を見出せない

ただどんなストーリーにも結末はある
それは良からぬことが起こると言う暗示だ

結局、私は彼女の妄想が作り出した迷路の中で
迷っているに過ぎない

喜怒哀楽

喜怒哀楽

喜怒哀楽は
人間に平等に
与えられるべきである

笑ったり怒ったり
悲しみ、時として息をついたりと
それぞれがあって
人間の生活と言える

私はもっと人間らしく
生きていきたい

そのためにも私は歩いてゆく

束の間

束の間

女と
そう言う関係になってから
久しかった

普通に寝起きするようになって
女はボサボサな髪を掻きながら
寝起きの煙草を吸っていた

僕は女のブラをズラしながら
乳房を弄び股間に手を入れて
濡れてるねと言った

女は煙草の火を消しながら
私と心中する気あるの
と僕に聞いてきた

戸惑っている僕に
女は接吻をして僕の股間に触れた
あたしたちどうしようもないわね
と言って起き上がって
ご飯の支度し始めた

ゆっくり生活しよう

ゆっくり生活しよう

僕には身を横たえて
土に埋まった養分を
吸収する時間が必要なんだ

長い長い間
走ってきたんだもの

人間走り続けて
最後に慰労されても
時遅しなんだ

もっとゆっくり生活する
これが今の僕に必要なこと

自由って

自由って

人は自由を与えられている
でも自由でいることは
時に不安に駆られる
それって
本当は自由じゃないよね
自由でいるためには
勇気がいるんだ
今の僕には勇気が必要なんだ

時の流れ

時の流れ

もっとゆっくりと時間を過ごしたい

そう思いながら時間は待ってくれない

いつの間にか僕は時間に追い立てられている

いっそのこと光速の勢いで10年ほど

一気に過ぎ去って欲しいと思う

なかなか思う通りに時間は進まない

時間はしぶといなと思う