私の近所に、町内会長でもあった 鋸鍛冶屋さんがいらっしゃった。
苗字を 太田さん。
懐かしい顔が思い出される。 半世紀以上も経ったのに!
この中に見つけた「中屋捷吉作」
刃渡り 1尺8寸の横挽き鋸。
一般に手に入りにくいのは縦挽きだろうから、意のまま「縦挽き」へと進めた。
写真下)目の断面が台形になっているのは、鑢を斜めに当てているからなので、
その箇所を完全に失くさねばなりませんので、当然!刃先は減らす事になります。
下刃の角度を見てください。 このままだと ” 反った目 ”になり、挽いた時に引っ掛かりが
弱いので木材に喰い込みません。
従って、この写真で言うと「根元は左方向に強く擦りこむ」必要があります。
右側に傾かせます。
下刃の角度が異なっているのが、分かります。
様子を見ながら、何度も ヒッコキをやります。
頭部になる程、「掛かり目」になります。
挽いた時に、浮き上がっては何にも成りませんものね。
こうして完了させた、先人「中屋捷吉」作の横挽き鋸が、縦挽き鋸に生まれ変わりました。
あとは、、、、
過日、オークション出品し、落札された再生品と同様に
鋸の価値がわかる方の目に留まる事を祈りましょう、太田さん!