名邑十寸雄の手帖 Note of Namura Tokio

詩人・小説家、名邑十寸雄の推理小噺・怪談ジョーク・演繹推理論・映画評・文学論。「抱腹絶倒」と熱狂的な大反響。

☆ 未明の竹藪

2013年03月05日 | 日記

 冬竹や 光も陰もあやもなく 雨のしらべが降りそそぐ

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♪ その嘘ホント 「悪いニュースと良いニュース」

2013年03月05日 | 日記
「悪いニュースと良いニュースがあります」
「何かな」
「奥さんから離婚届けが送られて来ました」
「それで、悪いニュースって何だい」

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♪ その嘘ホント 「悲しいニュースと嬉しいニュース」

2013年03月05日 | 日記
「悲しいニュースと嬉しいニュースがあります」
「何でございますの」
「御主人のお母様が亡くなられました。お悔やみ申し上げます」
「それで、悲しいニュースって何かしら」

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♪ その嘘ホント 「怒るべきニュースと喜ぶべきニュース」

2013年03月05日 | 日記
「怒るべきニュースと喜ぶべきニュースがあります」
「何かな」
「わが国と友好関係にある大統領が、何者かに暗殺されました」
「それで、怒るべきニュースって何だい」
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♪ その嘘ホント 「泣けるニュースと笑えるニュース」

2013年03月05日 | 日記
「泣けるニュースと笑えるニュースがあります」
「何かな」
「先ほど狂人と化した某国将軍の命により、主要都市に向けてミサイルが飛び出しました」
「それで、泣けるニュースって何だい」
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♪ その嘘ホント 「絶望的ニュースと希望のあるニュース」

2013年03月05日 | 日記
「国王陛下。絶望的なお知らせと、希望に満ちた御報告がございます」
「何じゃろか。短めに頼む」
「三日以内に、地球よりも大きな隕石が太平洋に衝突します」
「それで、絶望的な知らせって何なのさ」
「隕石の衝突が、絶望的なお知らせなのです」
「げろげろ。希望のあるニュースって何だい」
「某国から、月ロケットを盗み出しました。三名乗り込めます」
「わしと、后と王子で手一杯じゃな」
「無理をすれば、わたくしの家族も乗り込めます」
「衛兵。大臣一家の首を刎ねよ」

「ふん。愚かな王め。酸素ボンベの栓を抜いておいた」と云いながら、死霊が希望を持って天上人となると、横から国王の浮遊霊が追いついた。

「暗殺された」
「誰にですか」
「后と王子、それに后の愛人じゃ。わしが捨てた愛人まで共謀しおった」
「自業自得ですな」
「ロケットは飛べない」

 王は、ロケット・エンジンのネジを取り出すとにんまりと微笑んだ。

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☆ 「手限人とは何ぞや」 一

2013年03月05日 | 日記
 時代劇脚本「幕末群鷹伝 手限人(てぎりにん)」に関して一言。

 手限(てぎり)とは「法の裏面に存在した御法度の特例」ですが、それを悪用する元老中や奉行を懲らしめるのが逆手の手限を使う「手限人」です。幕末は国内紛争と海外からの脅威に晒された時代ですが、欧米やアジア諸国では何千年も続いた因果的な状況です。利権争いとなった現代の先進国でも、その基本構造は変わっていない。将来を見据えて、人類は一体どの道を選べば良いのか。その選択枝は「正しい見地」に掛かっています。

 徳川家の姫・お鷹様、千葉周作の妹・茜、幕府元隠密・間宮林蔵、プロイセンの間諜・シーボルトを中心とした物語に、手限人元締めとしてお富の方様が登場します。この老婆は将軍徳川家斉の実母ですが、死を装って暗躍します。剣豪・千葉周作、怪僧・武田物外(げんこつ和尚)、天才画家・東洲斎写楽などが脇を固め、闇の老中・陣屋宗兵衛、長崎奉行・中岡仁左衛門と対決します。そこに大政治家・老中松平定信、老絵師・葛飾北斎が陰の立役者として登場しますが、異彩を放つのは正しい見地を導く良寛大愚禅師です。激動の時代に、悩みながらも人生を切り開く主人公達に選ぶべき道を示します。主題は、あらゆる道の尽きた処に現われる覚醒と云えるかも知れません。

 日本史上最大の台風と云われる「子年(文政)の大風(後の俗称『シーボルト台風』)」が絡みます。この天災は死者二万人を出しました。江戸時代の事ですので人工比率で過去に類の無い大災害と云えます。

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☆ 「手限人とは何ぞや」 二

2013年03月05日 | 日記
 
 第一部は、長崎から江戸へ船出するまで。長崎奉行所の将軍家姫君暗殺の陰謀。姫の逃走から間宮林蔵との出逢い。長崎の女郎屋に売られる転換部。そこで、貧しい娘を救うエピソード。東洲斎写楽を連れ立った逃避行。密輸船で脱出。処が大風に遮られ佐賀藩に入る。殺し屋との対決。良寛の登場から絵画の悟りを得る写楽。そして、前代未聞の暴風雨との遭遇。

 失脚後陰で暗躍した元老中・田沼意次と、手限人集団の総決戦へと向います。その流れに絡むのがシーボルト。間宮林蔵の密告で捕らわれたという誤解が消え、二人は和解します。げんこつ和尚こと武田物外、写楽に教えを授ける葛飾北斎、貧しい娘の爺やとして喜多川歌麿が登場します。実在の魅力溢れる人物が続々と登場します。将軍家姫君・お鷹様の正体が全編に流れる複層のミステリー仕立てとなっています。

 第二部は鎖国令を破り日本を脱出後、蝦夷、樺太、清国、インドネシアを経てマレーシアの古代都市マラッカへ。この部分は静謐を描くアダージェットですが、自然の脅威を描きます。

 第三部完結編はインド、喜望峰(アフリカ)経由で、欧州諸国に辿り付きます。マルコポーロやコロンブス以上の海難冒険譚から欧州戦争の渦中へ突入し、国際的な「歴史推理サスペンス」となります。

 「幕末の危機を国外から救う群雄伝」ですが、黒船のペルー提督に対して「日本を攻撃するな」と具申したシーボルトの実話が絡んでいます。そこに、浮世絵などの日本文化が欧州に伝わる幕間狂言が入る訳です。小難しい話ではありません。大衆娯楽というジャンル別けは的外れですが、文学は先ず面白くあるべきです。どこが面白いか。それは、読み手により異なるかも知れません。

 脚本は、読者の想像力で膨らみます。絵画のデッサンに似ています。少年少女の読者には、想像が膨らむ脚本の方が面白い事もあります。音楽で云うと、協奏曲か或いはジャズの様な作風でしょうか。「アランフェス協奏曲」とギターの名曲「アルハンブラの思い出」を聴きながら、三日で仕上げました。霊感が生じれば、小説化する日が来るかも知れません。

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☆ 「幕末群鷹伝 手限人」 (予告編)

2013年03月05日 | 日記
「名邑さん。『しゅげんじん』とは、洒落た題名ですね」
「てぎりにん」
「聞いた事のない単語です」
「江戸の死語辞典に載(の)っています」
「死語の辞書などある訳ないでしょう」
「亡霊の世界で流行(はや)っているそうです」

「芝居の台本ですね」
「脚本は、エピソード、主題、思想が整った状態です。その後、小説、舞台劇、ドラマ映像、劇画などに分かれる。ソフォクレスもシェークスピアも戯曲ですから、文学の基本形と云えます」
「他にも何か、台本がありますか」
「舞台上で現実の殺人が起こる『死の舞台』。最後のシーンだから問題ないと何度も説得したのですが、役者に断わられました」
「誰が死ぬのでしょうか」
「真犯人と探偵が、実弾で相撃ちとなる幕切れです。客席に居るプロデューサーも、流れ弾で死ぬ。大入り間違いなしの台本ですが、毎晩別なキャストを準備せねばならず、葬式費用がかさむので流れました」
「もう一寸、まともな脚本はありませんか」
「客席に大雨を降らせる台本は、損害賠償を恐れた腰抜け演出家が家財道具をまとめて夜逃げしてしまいました。雨の代わりに札束を降らせたら、大入り満員となるでしょう。こういうのを智慧と云います」
「『手限人』の予告編に戻りましょう。一番面白いのはどこですか」
「最後の一節。但し、通して読まないと非論理の面白さが分かりません」
「時代劇という事は、実話でしょうか」
「【〔創作+フィクション〕÷〔嘘-でっち上げ〕xでまかせ】の二乗を、微分してミキサーに掛けた感じかな。実話と云い切れる文学は、この世に存在しません」
「事実の方が面白いのでは」
「そういう方は、新聞の死亡欄をどうぞ」

「事実を書くのが、作家の責任とは思いませんか」
「『これは嘘です』という前提で読むのが、文学の醍醐味です。そう構えていても、いつの間にか物語に引き込まれる。仮想の事実やまやかしの真実を追うのではなく、物語全体に流れる真理を発見する行為です。ブレヒトが異化効果理論を唱える何千年も前から、文学にはそういう構造があります。題材を超えた主題に触れた読者は、存在の根本概念に至ります。悟りなども、その一部と云えるかも知れません」
「悟りとは、一体何でしょうか」
「それは、悟った方にしか分かりません」
「チンプンカンプンの予告編を、どうも有難うございました」
「好い加減な予告だと、詰まらない本編も多少面白く感じる非論理的おちょくり風比較論。『蛙の本編よりも、おたまじゃくしの予告編の方が面白かった』と云われたくない。納得しましたか、蝦蟇がえるさん」
「げろげろ」

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