「俺達、がま蛙だよね」
「そうよ、あなた」
「じゃあ、何故ヒキガエルの子が生まれたんだ。劣勢遺伝かな」
「なんであたしが、ヒキガエルと浮気しなきゃいけないの。気持ち悪い」
「それもそうだな」
「病院で間違えたとしか考え様がないわね」
傍(かたわ)らで聞いていた坊やが、口を挟んだ。
「違うよ。パパとママは、勘違いしているんだ」
「そう云われてみれば。あたし達、がま蛙じゃないかも知れない」
「宇宙船の出発以来、夢の中をさ迷いながら、意識下で交信していたんだ。あれから、もう3千億年カプセルで眠ったままだもの」
「夢でもいいけど、あたし達の種族の名は何ていうのかしら」
「浮世の名称など、どうでもいいじゃないか。ほら、真っ暗な到達点が見えて来た。やっと目的地に達するんだ」
「目的地って、まさか」
「ブラック・ホールの調査。本当に神様がいるのかしら」
「ママ。僕達が何者かも識らずに、幾ら考えても無駄だよ」
「坊や。あなた、一体誰なの」
「僕にも、良く分からない」と振り向く子には、目も鼻も耳も口も無く体中がつるっとしている。
「どうして我々は、地球人類の言語で会話しているんだろう」
「という事は、詰まり」
「恐ろしくて、これ以上考えられない」
「そうよ、あなた」
「じゃあ、何故ヒキガエルの子が生まれたんだ。劣勢遺伝かな」
「なんであたしが、ヒキガエルと浮気しなきゃいけないの。気持ち悪い」
「それもそうだな」
「病院で間違えたとしか考え様がないわね」
傍(かたわ)らで聞いていた坊やが、口を挟んだ。
「違うよ。パパとママは、勘違いしているんだ」
「そう云われてみれば。あたし達、がま蛙じゃないかも知れない」
「宇宙船の出発以来、夢の中をさ迷いながら、意識下で交信していたんだ。あれから、もう3千億年カプセルで眠ったままだもの」
「夢でもいいけど、あたし達の種族の名は何ていうのかしら」
「浮世の名称など、どうでもいいじゃないか。ほら、真っ暗な到達点が見えて来た。やっと目的地に達するんだ」
「目的地って、まさか」
「ブラック・ホールの調査。本当に神様がいるのかしら」
「ママ。僕達が何者かも識らずに、幾ら考えても無駄だよ」
「坊や。あなた、一体誰なの」
「僕にも、良く分からない」と振り向く子には、目も鼻も耳も口も無く体中がつるっとしている。
「どうして我々は、地球人類の言語で会話しているんだろう」
「という事は、詰まり」
「恐ろしくて、これ以上考えられない」