みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ハウラン

2020-03-29 | おきにいり
脈絡無く突然思い出したのです

ハウランはシリア南部の地域で、行政単位ではなく古くからある地名として「ハウラン地方」といった意味です。
ここには玄武岩の黒々とした台地が広がっています。
その黒々とした大地に何か不思議な魅力があります。
何回か行っているので、自前写真もあるのですが、探すのが面倒なのでウィキ・フリー画像に頼りました


玄武岩むき出しの地表


これとそっくりの自分で撮った写真もあります。
こんな荒地ばかりでなく農耕地もあります。荒地には、僅かな草でも生きられる羊たちが放牧されていましたが、内戦が続く今はどうなっているでしょう
私が見たシリア映画にもハウランの風景が出てきました。


平地が広がるハウランのランドマーク:丘に見えますが海抜1800mの山です


この地方はドゥルーズ人居住地域だったため、以前はドゥルーズ山と呼ばれていたそうですが、今の名称はアラブ山です。
平地が広がる彼方に、この山が黒々と盛り上がっているのは印象的で不思議な雰囲気です。

この地方の都市としてはスワイダーダルアーがありますが、最も知名度が高いのは古代ローマの遺跡が残るボスラでしょう。ここはナバテア人の拠点でもありました。


ボスラの円形劇場:観客席の一番上から見下ろすと眩暈がするほどです


中東のみならず世界的に見ても最も良く保存された円形劇場のひとつでしょう。何故、保存状態が良いかと言うと、十字軍の時代、円形劇場の周りに防衛のための要塞が築かれ、いわば劇場を保護する状態になったからです。古代の円形劇場が単独で遺された場合、周辺住民が石を建材として持ち去るなどして破壊されることが多かったのです。

古代ローマの遺跡は砂岩や花崗岩のものが多く、明るい色ですが、ボスラの要塞と円形劇場は、この土地の玄武岩が用いられたため黒ずんだ外観です。近年(と言っても数十年前)復元された列柱部分は砂岩を用いているので白っぽく見えます。



      


いつもの新聞HPでコロナ・ステージというキャンペーンが始まりました




何だかヤケクソみたいですね

劇場のコンサートや演劇が外出制限で軒並み取り止めになったので、ソーシャルメディアでコンサートやショーを楽しもうということです。

空元気でもいいから元気に過ごしましょう

昨日スーパーに買い物に行ったら、ひとりだけマスクの女性を見ました。


2019新型コロナウイルス
新型コロナウイルス感染症の流行(2019年-)


蛇足の蛇足

数日前にアイスランドでは全国民を対象にコロナウイルス感染テストを行うというニュースを見ました。生活水準の高い小国ならではの利点ですね。
逆に医療設備が乏しいアフリカ諸国や長年内戦の続くシリアでコロナウイルスが広がったらどうなるのか・・・
恐ろしいです





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4 コメント

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Kitcatののちゃんさん (ななみみず)
2020-04-02 06:03:29
初めてシリアに滞在して砂漠の風景に慣れてからウィーンに戻ったときは、暫く緑が多すぎると思ったものです。植生のまばらな荒地や砂漠は「化粧していない素顔の地球」という感じがあります。いや実は、人間の乱暴な土地利用によって砂漠が生まれるということのようですが・・・

志村けんさんの訃報は私もネットで読みました。昔なら古希と言ったものですが、現代では決して高齢というわけでもないのに、しかもCoviD-19で亡くなられるなんて残念です。
ものごとを冷静に客観的に捉えれば簡単に誰かを敵視することはないと思うのですが、いつの時代どの国にも短絡的な人たちはいるものだと思います。

黒澤明の自伝に、関東大震災のときの体験が生々しく描かれているのを思い出しました。
暴徒に囲まれて一喝する黒澤さんの父親が、とってもステキでした。

精神衛生のため、ののちゃんの姿を愛でながら過ごしましょう
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イクラさん (ななみみず)
2020-04-02 05:28:37
シリアは古代史の遺跡の宝庫です。メソポタミアの一部であり、アレクサンダー大王の通ったところであり、古代ローマ帝国の属州だったわけで当然とも言えます。
それだけに、素晴らしい遺跡の数々が内戦でどうなったか、とても心配です。
誰もが行きたいところへ行き、見たいものを見られるのは素晴らしいことですが、ヴェネチアのように旅行者であふれかえると、重要な文化遺産が損なわれる恐れがあります。難しいところです。

飛沫感染のためには罹患者にかなり接近して暫く一緒にいる必要があるのではないでしょぷか。ウイルスの小グループが入り込んでも必ず発症するというものでもないでしょう。感染していながら症状のない人たちが存在するので、感染者が増大しているのではないでしょうか。
でも「満面の笑み」に書いたとおり、オーストリア政府もマスク着用義務を導入しました。イスラエルでもマスク着用が義務化されたようです。

いつまで続くのか?もの凄く乱暴に言えば、全人類が感染して、もう未感染の人がいなくなれば、新型コロナも行く場所がなくなるわけですが、それより以前に治療薬や予防薬が開発されると思います
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ハウラン (kitcat)
2020-04-02 02:29:17
 乾燥して一面草木が生えていない平地って、日本じゃ見かけないので、驚きの光景です。
 円形劇場が、とにかく壮大でビックリ。
 あの昔に、こんなものを造る技術があったなんて…
 日本は、新型ウィルスによる感染そのものも怖いのですが、買いだめや奪い合い、また、このときとばかりヘイトスピーチする人なども多くって、だんだん世相がギスギスしてきました。
 3日前、タレントで元ドリフターズの志村けんが新型ウイルスで亡くなってから、それに乗じた中国人への誹謗がネット上でもひどいのです。
 何か、関東大震災でも、太平洋戦争でも、末期のデマが再起している感じです。
 人間って、歴史に学ばない動物だとつくづく思うのです。
    <ののちゃんより>
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🌱 (イクラ)
2020-04-01 11:36:20
こんにちは〜〜〜
素晴らしい円形劇場、現存である事が驚きを隠せません
シリアは古い歴史がそのまま残っていて時代をしっかり感じられる美しく素晴らしい場所と聞いて、いつか行きたいと思いつつ、社会情勢の事情もあり、個人は勿論、ツアーでも数年に一回実施されるかされないかの、とても渡航の難しい場所と理解していました。
改めて、拝見する画像は衝撃的ですね!
渡航困難な地域に限って、素晴らしい歴史と素晴らしい自然が豊富ですね。私は年齢的に既に渡航するには体力を失っていますから無理ですが、いつの日にか、世界中の人達が肉眼で観光して楽しめる場所として、開放出来る社会情勢になる事を臨むばかりです。

コロナ感染拡大に伴って、オーストリアでは、空気感染の懸念点は指摘されていない様ですが、日本ではマスク装着と装着無しの場合の感染度は、大きく異なる実験が報じられていますが、
マスクなしで暮らせるオーストリアが羨ましいと思いつつ、飛沫感染の情報から、なかなか勇気ある決断と、ただただ関心しきりです。

日本でも、劇場やアミューズメントパーク等イベントを含む行事は殆どと言って良い程中止・延期になっています。
また、日本でも死者が増える中、医師会と政府行政の考え方が大きく分かれ、一国民から感じる事は、医療崩壊だけは起こして欲しくないと思う、ヒヤヒヤした数日を過ごしています。
コロナ感染者受け入れ病院は、世界中で数が少なく限定されていますので、今後感染した人々が路上でうろたえるのかと思うと、実際はないと思うのですが、祖父母から聞いていた関東大震災や第二次世界大戦時の事が蘇りますが、
なら、どうすれば良いかを、考えると、国政の判断に委ねるしかないのが、現状、困ったもんです

取り敢えず、最低限の事だけを守り、静かに終息を待つしかないのでしょう〜ね〜汗
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