オーストリア応用美術館(MAK)で「春画展」が開催されています。
(10月12日から来年1月29日まで)
タイトルは漢字を訓読みしてみただけです
ロンドンの春画展が大成功だったので、ウィーンにある所蔵品も展示したのかもしれません。
大半が春画ですが、普通の浮世絵や現代のヌード写真(荒木経惟作品)も展示されています。
石川寅治:黒猫
江戸時代の浮世絵や春画と現代の接点といった意味で展示されているのかもしれません
他の作品は鈴木春信、菊川英山、歌川国麿、歌川国貞、喜多川歌麿、葛飾北斎などです。
この美術館は美術史博物館や自然史博物館同様、フラッシュなしなら撮影可。
会場の様子
小雨の平日でしたが、多くの人が見に来ていました
大型・小型のカタログのうち小型の方を買いました
チケット
展示されていた全作品は、多色刷り木版画として美しく、春画も時々ユーモラスです。美術館のHPにもカタログにも「16才未満の鑑賞者には不快感を与える可能性があります」と断り書きがあります。他の国は知りませんがオーストリアでは16才以上は大人扱い(多分他のヨーロッパ諸国も同じ)。そして低年齢者立ち入り禁止ではありません。
春画という言葉については「直訳すると『春の絵(フリューリンクスビルダー)』である」と一応説明されていますが、Tsunamiなどと同様Shungaが、そのまま使われています。
面白いことに画像をググる場合、「春画」でググるより「Shunga」でググった方が沢山画像が出てきます
この春画展のスポット広告
日本よりかえって海外の美術館などの所蔵のほうが多いのではないか…な
それにしても、”精力的”に集めましたね…
<ののちゃんより>
19世紀後半のジャポニズム・ブームに始まって、20世紀前半まで、日本の美術品、工芸品は多くのコレクターに人気がありました。
明治維新前後などは、浮世絵も春画も安い値段で、どんどん「輸出」されたのです。
当時、木版刷り書籍は高価で、庶民は風呂屋や床屋に置いてある貸本を読み、購入できるのは1枚刷りの浮世絵や瓦版だけでした。当時の日本人は、その感覚で、大して値打ちが無い(と彼らが思い込んでいた)木版画をどんどん「輸出」しまくり、日本に残ったのは僅かだそうです。
そうそう、日本の根付もコレクションの対象として人気があり、ある根付コレクションの「履歴」が、このブログでも紹介した「琥珀の目の兎」です。日本語訳が出版されています。
高値になることも珍しくないですよね。
私は現代のもの(海洋堂というフィギュアで
有名な会社が作った樹脂のものとか)しか
ないですけど、場所を取らず、美しく、造形が面白く、
コレクションとしては最高だと思う人が多いのも
頷けます。
ただ、本物(象牙のものとか)ですばらしいものは
写真で我慢、ですが...
春画は、このあいだたまたま国芳の
猫の版画を探してて、春画のほうがたくさん掲載されてる
本を見たのですが、うーん、まあちょっと
誇張が過ぎるというか、あれですね。
いまとなっては芸術なのでしょうが、当時は
エロ写真にドキドキ、みたいな対象だったのでしょうし。
猫が、はりがたのようなものを被って
うろうろしてるのを見ている女性、というのが1番
かわいかったです。
生麦事件は...確かに、うーん...
あれ以外の対処法はなかったと思う一方、
(外国人だからオッケーということにはならないだろうし)
外国にいくばあい、その国の重要な決め事については
勉強をしておかねば致命的な事になりかねない、
というのも現代に通じますね。
まあ、グロ面白い漫画みたいと思ってしまいますが
写真の無いポルノ映画も無い時代には
見る人たちの受け止め方も違ったでしょうね。
友達から聞いた話です。
現代と言っても、まだイスラム諸国の話題が僅かだった頃
ヨーロッパの女性がモスクに入って殺されるという事件があったそうな。
その女性は、女人禁制のモスクに靴のまま入り
写真を撮ろうとしたそうな。
殺すのは行き過ぎと思いますが
その女性が無知にも三重に失礼な振る舞いをしたのは確かです。