2009 12/11 Fri.
*は~るばる来たぜ函館――
その①
祈りと労働の「聖なる館」 トラピスチヌ修道院
トップ画像は、入ってすぐに迎えてくれる「聖ミカエル像」。
函館空港到着後、貸切の観光バスで最初に向かったのは、函館市郊外の上湯川町にあるトラピスチヌ修道院。
場所柄(他の観光名所から離れている)、たいてい一番初めかラストに訪れるパターンが定着しているスポットなのだそうですね。
正式名は「厳律シトー会天使の聖母トラピスチヌ修道院」。
シトー会は、カトリック教会の中でもとりわけ祈りと労働を主要な手段とする隠世共住修道会のこと。
1898(明治31)年、フランスから派遣された8名の修道女によって設立された日本最初の観想女子修道院(修道院の中だけで生活を送る)です。一度修道女となれば、俗世から完全に隔離された世界に住むこととなり、壁の外に出るのは、選挙や日用品の買い物などに限られます。
現在60名以上の修道女たちが厳格な戒律に従い、共同生活を送っているそうです。朝3時30分起床、夜7時45分就床。祈り、読書、そして農作業などが中心の生活は、祈り8時間、労働8時間、静養8時間と、規則正しい三位一体で構成され、会話も「必要最低限」とする沈黙が義務づけられています。
「一生を神に捧げる生活」は刑務所より厳しい。。。
しかも冬が長い極寒の地で、修道女たちの部屋には暖房設備(エアコン)もないそうです。
聖母マリア
全てを包み込むように両手を広げ、慈愛に満ちた微笑みを浮かべて佇むマリア様。
ルルドの泉(マリアとベルナデッタ)
1858年、南フランス「ルルドの洞窟」で、近くに住む14歳の少女ベルナデッタの前に聖母マリアが現れ、地面を掘り起こすように告げました。少女がお告げ通りに掘り返した地面から泉が湧き出し、その水によって多く病人が癒されたという伝説があります。
これは聖母マリアとベルナデッタの対面シーンを模したもの。
聖テレジア像
わずか9年の修道生活の末、リジューの修道院から1度も外に出ることなく24歳でこの世を去ったテレーズ・マルタンの像もありました。
「幼子のように主を慕う 今日一日のためにだけ主に願う」
生前書き綴った神への憧れにより1925年に列聖されたフランスの守護聖女は、薔薇の咲きこぼれるクルシフィクスを胸に抱いています。
修道院の建物
ゆるやかなカーブが印象的な赤レンガの建物は、スイス人建築家マックス・ヒンデル(1887~1964)の設計。
れんがの分厚い壁と半円アーチの窓(ロマネスク)、小尖塔(ゴシック)、扉口のコリント式双柱(ルネッサ―ンス)など、、、を取り混ぜたヨーロッパ「ちゃんぽん」様式な外観ですがw壮観。
左:司祭館
右:ジャンヌダルクの像が見える
レースのカーテンが覗く窓は修道女たちの部屋。ちなみに現在の建物は、1925(大正14)年の原因不明の火災後、1927(昭和2)年に再建されたものだそうです。
遠くに函館山を望む
海も見えます。曇天が残念!
資料館
修道院の生活を紹介した写真パネルが展示されています(館内は撮影禁止)。
修道女たち手作りのロザリオや手芸品、ケーキ、クッキーなどのお土産もこちらで販売(ここ以外では買えません)。添加物を一切使用していないフランスケーキ「マダレナ」、トラピスチヌクッキー、バター飴、どれも非常に美味そうでした。
旅人の聖堂
内部の見学、お祈りが出来ます。
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北海道ソフト(300円)
修道院の入口から徒歩数分の場所に
市民の森なるレジャースポットがあり、ログハウス風の売店でソフトクリームを販売しています。
バスに戻る前にぬかりなくGet! その名のとおり、北海道の自然が育んだ乳脂肪をたっぷり含んだ濃厚なテイストでした。
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市民の森には1周2.3キロの園路があり、夏はジョギング、冬は歩くスキーが楽しめるそうです。
■トラピスチヌ修道院
□8:00~17:00(4/21~10/31)
8:00~16:30(11/1~4/20)
□水曜(冬期日曜)、
12/30~1/2休日
□入場無料
□函館市上湯川町346
□0138-57-3331