わたしの父は不治の病で、最近では歩けなくなってきています。
父はなんとかしたいと必死で頑張っているのですが、
娘としてなんて言葉をかけてあげたらいいのか・・・。
質問された女性の方は、そう言って涙を流されました。
質問された方はお若い方でしたので、お父様もまだお若いかもしれませんね。
不治の病になり、ご本人もご家族も、この病気をどう受け入れていいのか、
悩み葛藤され、必死に病と向き合っておられる様子が伝わってきました。
2～3ヶ月前にSMAPの中居くんが司会をしていた番組で、
「死をどう迎えるか？」という内容の特番がありました。
※番組のタイトルは忘れてしまいました。ごめんなさい。
ご覧になられた方はおられますか？
番組の中で、末期癌の患者さんと、ターミナルケアで
ずっと寄り添ってこられたお医者さんのドキュメントが放映されました。
テレビで紹介されていた末期癌の患者さんが、こんな話をされました。
「亡くなるということは、もう仕方ない。
寿命なんだと思って、受け入れています。
ただ、痛みが怖くて・・・。
この先どんどん痛みが強くなって、
耐えられないほどの痛みが襲ってきたら、
どうしようという不安があります」
これについて、ターミナルケアのお医者さんは、
「そうですね。末期癌の患者さんは、痛みについての不安があります。
今は痛みの治療がとても進んでいて、痛みは大丈夫なんです。
痛みが出る前にそのようにちゃんと説明しておくと、
痛みの治療がスムーズなんですね。
ところがなんの説明もなくて、
『痛みがこわい』『痛みがこわい』と不安で不安でたまらない人は、
なぜか痛みどめが効きにくいんです。
だから患者さんの不安を、いかに事前に取り除いてあげるかを、
心がけています。
終末期の患者さんには、この先どんなふうに体がなっていくのかを、
丁寧に説明しています。
あれもこれもできなくなっていく・・・、と、
絶望するのではなく、動かせる部分もちゃんとありますから、
そのうえで、患者さんの不安をできるだけ取り除いて
いきたいと思っています」
とお話しされていました。
終末期の患者さんに寄り添い、心のケアをされておられるお医者さんに、
テレビの前で「ありがとう!」と、思わず手を合わせてしまいました。
誰でもできる仕事ではありません。
患者さんの不安を受けとめるには、かなりのエネルギーと、
受けとめる器の大きさが必要だと思います。
わたしはこのお医者さんのお話を聴いて、
●取り除ける不安の材料は、できるだけ事前に取り除いておくこと。
●できることと、できないことを分けて考えること。
を学びました。
今回のご質問に戻りますと、
不治の病のお父さんに、なんて言葉をかけてあげたらいいか？
きっとね、お父さんは自分の中で、「人生についての答え」を、
もっておられると思うんです。
悩んだり葛藤したりはもちろんしますが、
きっとお父さんは答えをもっておられると思うんです。
それで見守る側の家族は、悲観するのではなく、
ターミナルケアのお医者さんが言われたように、
お父さんが「できること」「できないこと」
家族が「してあげられること」「できないこと」
を分けて考えることが大事なように思うんですね。
わたしは母が介護が必要になった時、「どうしたらいいんだ!」
とパニックになりました。
できないことがどんどん増えていく母に、見ているのが
辛くて悲しくてたまりませんでした。
でもあまりに辛くて、ある時から脳が切りかわったのです。
「今日だけ、今だけ、この瞬間だけ」
に意識を向け、「今できることをしよう!」
そしたら、意外にできることはたくさんありました。
母が寝たきりになった時、
「ベットの位置を変えたら、病院の窓から一緒に夕日が見られるな～。
あぁ、母と一緒に眺める夕日は、格別だなぁ～」
と思う事ができました。
「できること」「できないこと」を分けていないと、
「あぁ、あれもこれもできない～・・・」
「できないことがどんどん増えていく～・・・」
と、絶望してしまうんです。
「できないこと」を、「どうしてできないんだ」と悩んでも、
しょうがないんです。
「今できること」にフォーカスしたら、できることは
意外にたくさんあることに気づきますよ。
最近バングラデシュで無差別テロが起こりました。
日本人が6名犠牲になりました。
バングラデシュの発展のために貢献されてきた方々が、
あんなにもむごい最期をとげられ、悲しくて悲しくて、
たまらなくなりました。
以前、なんでも仙人に、「テロが許せない」と問いかけた時、
仙人はこんなことを教えてくれました。
「目をそむけようが、
ずっと見つめ続けようが、
その事実を知らないでいようが、
いろんなことがこの地球で行われているんだよ。
だとするならば、
『あなたはどう生きる？』
それだけを自分に問えばいい」
わたしには、できることと、できないことがあります。
今回のテロについても、
●なぜこんなことが起きたのか？
●どうしたら未然に防げたのか？
●なんで犠牲になられた方は、亡くならなければいけなかったのか？
分からないことだらけです。
わたしは対話をしているから、なんでも分かるのか？
というと、そうではありません。
分からないことはいっぱいあります。
分からない「問い」をずっと考え続けていると、
辛くてたまらなくなります。
だから、わたしは、
今、自分ができることに、目を向けようと思います。
今日コメント欄で、「自分は誰にも必要とされていないと感じてしまう」
というコメントをいただきました。
「自分のことが好きではない」
「自分なんて役立ってない」
「自分は人と比べて、ダメな人間なんだ・・・」
と落ち込んでしまう・・・。
うん、そういうトキもあるかもしれませんね。
生きてるといろんなトキがありますからね。
わたしも以前うつ病で、毎日「死にたい」と思っていましたから・・・。
だけど、それは「元気がなくなっている状態の自分」が、
そう思いこんだだけで、
「あなたは誰からも愛されていない」
「あなたは誰からも必要とされていない」
「あなたはなにも役立っていない」
なんて、いったい誰が言い切れるんでしょうか？
これ、声を大にして言いたいです。
わたしたちは知らないことがいっぱいあります。
自分の中で
「きっとこうなんだ」
「こうに違いない」
と悲観したことが、必ずしもそうとは限らないのです。
今、分からなくても、大丈夫です。
いつかきっと気づく瞬間がきます。
なんか、最後の方、力はいっちゃいましたけど、
今お伝えしたいことを書いてみました。
長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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