2022年1月24日は休みだったので、本を買った。
激動日本左翼史 の第2巻
池上彰 佐藤優 著
たった今、読了。
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安保闘争から全学連・全共闘と続いた学生運動の高揚、そして赤軍派の山岳ベース事件やあさま山荘事件による崩壊と中核派と革マル派の内ゲバを通して新左翼運動への国民のシンパシーが無くなるまでを描いていて、戦後史のハイライトとも言える時代をリアルに描写、読み応えたっぷりな印象。
新左翼運動衰退の理由は、官僚化しなかったからだそうで、要するに構成員が真面目すぎて遊びがなかったからこそ過激化して、殺し合いにまで発展したと結論づけている。
そして後世に残したものは、何もなかったそう。
だからこそその失敗の原因をあぶり出して、歴史の教訓にしたかったのが、本の執筆理由だとの事。
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逆に読んで辛かった事は、やはり新左翼各派の論文からの引用で、それぞれ表現が大袈裟で、正直ついていけなかった。
そのため、これはプロレス新聞の「筋肉の表面張力の限界」「ひとり民族大移動」「長州には神風が吹く」と同じレベルだと言い聞かせたら、その後すらすらと読めた。
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そして読み終わり、一番印象に残った文章は…
『(関西ブントのみが分裂せずに存続した理由は)良くも悪くも関西の学生たちが関東と違うある種の「いいかげんさ」を持っていた…」
こちとら関東人なので先々月大阪に行った時、関西のプリンスファンの人たちにずっと感じていた違和感が、この一文を読んでやっと氷解した気がする。
論理というものを突き詰めて考えるよりも、「いいかげんさ」があるほうがある種楽しめて長持ちするものらしい。
先の引用文の「学生」を「プリンスファン」に置き換えると、自分が関西のプリンスバーで経験した事とそっくりそのまんまだった。
人間の経験なんてわずかなもの。
そのか細い経験を補う意味でも…
本読んで良かった❣️
第3巻も旧社会党の衰亡を含めた内容で執筆予定だそうだけど、何だかお通夜に赴くような気分 (>_<)チーン!