思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

黒いリボン

2016-12-18 14:32:10 | 9.いじめられる僕
 いつもの生活、いつもの朝が戻ってきた。
 昨晩、みなみ川教のみそぎ生活からようやく解放された僕は、迎えに来てくれたおば様の車に素っ裸のまま乗せられ、この家に戻ってきた。心からの安らぎが得られた訳ではない。安らぎは、僕が母と一緒に暮らす日の来て初めてこの胸に到来することだろう。しかし、とりあえずほっとしたのは事実だった。僕は二階の自分に割り当てられた部屋に入るや、たちまち眠り込んだ。
 そして、気がつくと部屋の中は太陽の光で満たされていた。これも窓にカーテンが付いてないせいだった。
「そろそろ起きなさい」
 と、おば様のY美を呼ぶ声がして、僕は起き上がることにした。部屋にはパンツどころか、身を覆う衣類が全くない。改めて探してみたけれど、布切れ一枚見つからなかった。仕方なく、素っ裸のまま部屋を出る。
 Tシャツと短パン姿のY美と階段のところで会った。Y美は無言で僕をじろりと睨んだだけで、すぐに階段を下り始めた。「あの、パンツを」と言いかけると、Y美が振り向いた。寝置きの悪いY美は不機嫌そのもののような形相だった。
「なんだよ」
「ごめんなさい。なんでもないです」
 とてもパンツを穿かせてくださいなどとお願いできる雰囲気ではなかった。頼んだところでY美の怒りを買い、苛められるのが関の山だろう。時機が来るまで、素っ裸でいるしかない。
 みそぎの期間を過ごしたみなみ川教の集会所では、普通に屋内にある和式便所を使用できたので、ついその時の癖でトイレに入ろうとしたら、おば様に引きとめられた。そうだった。すっかり忘れていたけれど、この家では僕は家の中にあるトイレを使用することができないのだった。
 家の中のトイレは女性専用であり、男である僕は、庭に設置された和式便所で用を足さなければならない。四方をトタン板で囲み、天井を覆う板もある。わざわざ僕のために便所小屋を設えたのは、僕が居候させてもらうことに決まった時、Y美が男の子はトイレを汚すという話をどこかで聞いて、そもそも僕と一つ屋根の下に同居することに大反対だけれど、どうしても大人の事情で受け入れなくてはならないのであれば、せめてトイレは別にして欲しい、共有は絶対にいやだ、と強硬におば様に言い張ったからだという。
 便所は外にあるから、催した時には外に出なくてはならない。この家ではパンツしか身に着けてはいけないことになっている僕は、従って裸で外に出なくてはならず、最初の頃は白いブリーフのパンツ一枚だけをまとった格好で家の外へ出るのは非常な抵抗があり、恐る恐る周囲を見回し、外に人がいないのを確認してから急ぎ足で駆け込んだものだけれど、今はそのパンツすら取り上げられた素っ裸でも、それほど動悸が速くなることはなくなった。もう近所の人にも散々見られてきたし、僕が庭で素っ裸のまま罰を受ける光景も見慣れているだろうから、見られても仕方がないという諦めが僕の心を占めるようになっていた。
 用を足して縁側に戻ると、おば様がガラス戸を横にスライドさせて顔を出し、「うんちしたんなら紙で拭いただけじゃなくて、ちゃんと水で洗わなくちゃ駄目よ」と、家に上がるために雑巾で足の裏を拭こうとした僕を制した。
 ホースから迸る水は、もうすでに太陽の光を浴びて温かった。蛇口の近くにあった石鹸を手でこすって泡立て、おちんちんやお尻の穴を念入りに洗い、ついでに足の裏にも水を当てた。雑巾で体を丁寧に拭いてから家に上がると、仏頂面のY美が食卓に新聞を広げていた。
 白いブラウスをまとったおば様がきびきびと朝食の準備をし、僕にも手伝わせる。僕がおば様のマグカップにコーヒーを注いでいた時、ささいなことでおば様に叱られたY美が「うるさいなあ、もう分かってんだよ」と、反抗的な態度を取った。棘を含んだ言葉の応酬があり、Y美は蹴るように席を立った。
 二階へ駆け上がるY美の足音が止むと、急に静かになった。唾を飲み込む音までも、テーブルを隔てたおば様に聞こえそうだった。
「久しぶりにのんびり過ごしたら」と、おば様は食卓の新聞へ手を伸ばして、言った。「ずっと大変だったんでしょ、みそぎの生活って」
「ええ、まあ」
「ご苦労さんだったわね。ほんとに素っ裸でよく耐えたわ」新聞から目を離さないまま、おば様が労ってくれた。
「ターリって、頭を剃った大柄な男がいたでしょ。あの人、逆上すると何をするか分からないみたいよ。あなた、怒らせなかった?」
「ええ、はい。でも、随分叱られました」
 叱られただけではない。沢山の折檻も受けた。けれど、そこは伏せることにした。
「ふうん、やっぱりね」と、おば様は大して関心なさそうにつぶやき、マグカップのコーヒーを一口啜った。
「ところであなた」と、おば様は新聞から目を上げ、正面にいる僕を見つめた。不意に自分が裸でいることを強く意識してしまう。「なんで丸裸のままなのかしら。パンツくらいは穿いてもいいのよ。それとも、もうお洋服はおろかパンツすら穿きたくないの? ずっと真っ裸でいたいの? それならそれで別に構わないけど」
「いえ。Y美さんには、きっとパンツを出してもらいたいと思ってるんですけど」
「そうね。パンツの管理はあの子に任せてるから、あの子に頼んで出してもらいなさいね。いつも丸裸じゃ、さすがにいやよね? 最近、男の子のママと話す機会があったんだけど、なんか男の子でも、おちんちん見られたり、一人だけ裸にさせられたりすると、すごく恥ずかしがるんだって」
 当たり前です、ととっさに叫びそうになる。なんと答えてよいか分からず、僕はテーブルの下でおちんちんを隠した。もじもじする僕を見て、おば様は笑みを浮かべた。
「学校行事などでもあまりにも簡単に男の子を裸にしたりするのは見直したらどうかという声が教育委員会から挙がったのよ。バッカみたいよねえ」
 この町では身体検査の時、女子は体操着だけど、男子はパンツ一丁で廊下に並ばされる。小児科では、女児の場合は診察に必要な分だけ脱衣すればよいけれど、男児はとにかく全部脱ぐことを要求されることが多いと聞いた。
「あまり恥ずかしい体験をさせると、身心の成長に悪影響を及ぼす可能性があるだって。大袈裟でしょ。もっと優先することがあるから、私の権限でその意見は握り潰したんだけどね。甘いのよ、考えが。男の子はもっと我慢しなくちゃ駄目」
 出勤直前のおば様は化粧して、瞼に薄くアイシャドーを塗り、口紅を引いた唇が艶めいて見える。半開きの口から白い歯があらわれ、口に含んだ濃い紫の葡萄を砕いた。第二ボタンまで外れたブラウスの胸元から、ほのかに甘い、くらくらしそうな香りが漂ってくる。
 はい、と小さく頷いた僕は椅子から立ち上がり、小さな丸いパンが一つが載せられていた皿を流し台へ運んだ。おば様の三分の一にも満たない量だけど、小柄な僕にはそれで充分だとされ、いつしか僕の胃袋もそれに合わせて縮んでいた。
 台所から僕専用の椅子、背もたれのない丸椅子に戻ろうとしたところ、いきなりおば様にお尻をぐっと掴まれた。くるりと体を回され、おば様に正面を向ける。
「久しぶりなんだから、もっとよく見せなさいよ」
 おば様の手がおちんちんに触れ、優しく撫でた。おちんちんの袋をそっと擦り、指に挟んだおちんちんを扱く。僕は腰をひねらせ、逃れようとしたけれど、おば様の股に挟まれて身動きが取れない。
 すっかりおちんちんが硬くなる。

 三日前は小学校の体育館で五回も精液を絞り取られた。途中で出なくなると、徹底的にお尻の穴を責められ、Y美に強要されたメライちゃんの手で浣腸を三回もされ、みんなの見ている前でうんちをさせられた。
 みなみ川教の集会所である二階建の家屋に戻ったのは翌朝の十時過ぎだった。行きと同じように全裸裸足だったけれど、今度は手を縛られなかった。住宅地の中、幹線道路沿いなどをIさんとターリさんに連れられ、一糸まとわぬ体を晒して歩いた。肌という肌には、透明なゼリー状の液体を塗りたくられたままだった。
 主婦の人たちが立ち話をしている横を通り過ぎる時などは、Iさんにおちんちんを隠すことを禁じられてしまう。手を普通に歩いている時みたいにぶらぶらさせなさい、意識しないのよ、と言われるのだけれど、手を意識しないでいる時はどのように振って歩いているのか分からなくなり、同時に丸出しのおちんちんを隠したいという強烈な羞恥心が生まれ、結局不自然な、ぎこちない歩き方になってしまう。ターリさんには「お前、手の動きが変だぞ」と笑われた。
 その日は、休養させてくれた。射精させられることなく、木彫りの像を磨いたり、ターリさんを手伝って家の中の細々とした仕事をした。もちろん何か着る物を与えられることはなく、ずっと素っ裸だった。
 翌日、僕は縁側でお尻の穴を広げさせられた。板敷の上に両手をついてぬかづき、お尻を上げる。Iさんとターリさんがピンセットを使って、じっくりと皺の数を数えた。なんでそんなことをするのか、理由は教えてくれなかった。メライちゃんが庭に入ってきても、二人は皺を数え続けた。皺を押さえるピンセットがずれると、その度に数え直した。
 うう、と喘いでしまう。僕の乱れる息遣いを直接肌に感じるほどの近さにメライちゃんはいた。黙々と板敷に濡れた雑巾をこすりつけている。庭で雑草抜きの仕事をやらされているY美たちは、頭を板敷に付けてお尻を高く突き上げる僕の恥ずかしい姿を珍しい物でも見る目つきで眺め、ひそひそ話をした。
 その夜、おば様が僕を引き取りに来てくれた。

 硬くなったおちんちんを見て、おば様は「異状ないみたいね」と、あっさりとおちんちんから手を離し、朝食の片付けを始めた。もう家を出ないといけない時間が迫っているようだった。僕は玄関まで、おば様がソファの上に置き忘れた茶色い封筒を届けた。
 大きな、威嚇するようなクラクションが聞こえた。おば様がドアを開けると、門の前に横付けした車が見えた。運転席にはヌケ子さんがいて、おば様に気づくやペコリと頭を下げて、やっちゃった、というように舌を出す。
「あの馬鹿、うるさいんだよ」
 加減を間違えたのか、思いのほか強くクラクションを鳴らしてしまったヌケ子さんをおば様はキリッとした目で睨んだ。
「夕方までには帰るから」
 おば様は僕の手から奪うようにして封筒を取ると、玄関のドアを開けっ放しのまま、車に向かった。仕方なく、土間に下りてドアノブへ手を伸ばしたところ、またクラクションが鳴った。今度は軽く、小さな音だった。ヌケ子さんがこちらを見て、先日会った時と同じように僕が素っ裸でいるのを面白がっている。僕は急いでドアを閉めた。
 おば様が出掛けてしまうと、家の中はY美と僕だけの空間になる。
 Y美とおば様が住むこの家に同居させてもらっている僕は、外から帰ってきたらまず服を脱ぎ、パンツ一枚にならなければならなかった。家の中では白いブリーフのパンツ一枚しか身に付けてはいけないというのが僕に定められたルールだった。
 家の中で服を着ることは僕には禁止なのだけれど、とにかくパンツ、白いブリーフ一枚だけは身に付けても良いということになっている。したがって僕がパンツを穿かせてほしいとお願いするのは何ら理不尽なことではなく、むしろ正当な、ごく真っ当な要求である。僕はこう自分に言い聞かせて、Y美にお願いしようと決意した。問題は、どのように切り出すかということ。
 こじらせるとY美も依怙地だから、「もういい。お前はこれからずっと全裸ね」なんていうことになりかねない。思案していると、階段がギシギシと音を立てた。欠伸しながら居間に入ってきたY美は、素っ裸の僕を見るなり、「あいつはもう出掛けたのか」と訊ねた。自分の母親をあいつ呼ばわりする。まだ相当に機嫌が悪いようだった。とりあえず、「五分前くらいに家を出ました」と知らせる。
「まったくあのババァ、むかつく」と、おば様を毒づき、食卓の席についた。僕は黙って立ち上がり、Y美のためにトーストを二枚焼き、目玉焼きからサランラップを外す。冷蔵庫からサラダを出し、目玉焼きの皿に移し、焼けたばかりのトーストを別の皿に載せ、食卓に運んだ。
 テレビをつける。Y美が朝食を摂っている間、僕は指定された場所、ガラス戸のそばの床に座り込んで待機する。ドレッシング、とY美が言った。サラダと一緒に用意しなかったことを責めるような刺々しい口調だった。僕は返事をして立ち上がり、すぐに冷蔵庫へ向かった。
 この日、Y美は昼前からS子たちと町に出掛けることになっていた。まだ時間に余裕があるのか、Y美は食事を済ませてものんびりとテレビを見ている。僕は食卓の皿やコップを台所へ運んだ。とりあえず水に漬けておくだけでよかった。食器洗いはおば様かY美の仕事だった。裸の僕に台所で仕事をさせるのは衛生的に問題があるとおば様は考えているようだった。
 台所から居間へ戻ろうとしたところ、Y美がふらりと立ち上がった。首を回しながら、ゆっくりとこちらに向かう。
「食器洗うから手伝って」
 じっと僕を見る。行く手が完全に塞がれている。それは僕の仕事ではない、と突っぱる勇気はなかった。ただ、台所仕事が免除されているのは理由があってのことだから、本当に僕に手伝わせてよいのか、一応確認だけはしなくてはいけないと思って、ごく控えめな調子を意識して、「僕にやらせていいの」と訊いてみた。ついタメ口になってしまった。
「いいから手伝って。メンドーくさいんだよね」
 かったるそうに溜め息をついて、Y美が答えた。対等な口の利き方をしてしまったことについて、Y美は特に何も言わず、首をぐるぐる回した。
 いつから僕はY美に敬語を使うようになったのだろう。恥ずかしい性的ないじめを毎日のように受けて、許しを乞う時には敬語になっていた。これは自然の道理だった。それがあまり頻繁だから、知らずいつしか敬語が当たり前のようになった。思い返すと、Y美は特に僕に対して日常的に敬語を使うように命じたことはなかった。
「分かった」と僕は答えて、流し台に向かうY美の横に立った。
 台所の片付けは、Y美とおば様のうち、家に残った方がすることになっていた。二人とも家にいる場合は、二人でするのが一応の決め事だったけれど、なんだかんだY美は用事にかこつけて、家事の仕事から逃れることが多かった。
 夏休みに入ってから、特に僕が素っ裸のまま公営のバスに乗せられたあの事件以来、Y美とおば様の関係はなんかぎくしゃくしてきたような気がする。おば様が台所で洗い物をしている時でも、Y美はソファに寝そべって手伝おうとしないし、おば様もまた何も言わないという光景が目に付くようになった。
 それが今朝は珍しく、食器洗いをすると自分から言い出したのだった。まあ、おば様が仕事に出掛けて、家に残ったのはY美だから、当たり前と言えば当たり前だけど。
 スポンジを渡された僕はそれを水に浸し、液体洗剤を付けた。皿やコップに洗剤の白い泡をたっぷり立てて水で流してから、隣のY美に渡す。Y美は白い清潔そうな布きんで濡れた食器をきれいに拭き、水切り台に並べていく。
 少しずつY美の動きに軽やかさが見られるようになった。口数も増えてきた。機嫌はもう完全に直っているようだけれど、僕に気分屋と思われたくないのか、幾分か感情を制御しているようではあった。それでも上向いてきた気持ちは紛れもなく、時折フンフンと流行りの歌らしきものを口ずさみながら、皿やコップの水滴を拭う。
 図書館でS子たちと待ち合わせし、そこで少し勉強してからショッピングセンターに行き、洋服やら雑貨やらを物色するのだと午後の予定を語ったY美は、不意に僕の顔をまじまじと見て、訊ねた。
「一緒に行きたい?」
「うん」
 緊張している時の僕の悪い癖で、よくY美の言っていることを理解しないまま頷いてしまった。
「裸じゃ無理でしょ」
 すぐにY美に一笑に付された。
「だいたい女子だけで行くってのに、なんでついていこうとするかな。もしかして対等と思ってる?」
 不意におちんちんの袋に痛みが走った。ルコに蹴られてから、時折思い出したように鋭い痛みが走るのだった。蹴られた時、おちんちんの袋が根元からピーンと伸びたのを覚えている。洗剤の泡を水道水で流しながら、内股になって腰を少し曲げて痛みの過ぎるのを待つ僕に、Y美が怪訝な顔をして、どうしたのかと訊ねる。
 理由を説明すると、Y美は、「あいつ、相当マジで蹴ったのかな?」と呟いて、僕の正面に向かって腰を落とし、おちんちんの袋を持ち上げ、じっくりと観察した。恥ずかしくて、つい体をもぞもぞ動かしてしまうのだけれど、Y美にしっかりおちんちを掴まれてしまって、もうなすがままになるしかなかった。
「わかんないなあ。変色してるようでもないみたいだし。病院に行った方がいいのかな。あいつはこのこと、知ってんの?」
 すぐに「ババアだよ」と付け加える。おば様のことだった。
「いや、まだ知らないと思うけど」と、僕は答えた。朝食の用意をしている時におちんちんの袋に痛みが走って苦痛に腰を屈めてしまったところをおば様に見られた。おば様は支度に忙しくて、その時は何も言わなかった。
「ルコの奴、お前を裏でネチネチ苛めてるよね。私が気づいてないと思ってんのかな。勝手な真似をさせるつもりはないだけどね」
 おちんちんをぴんと指で弾いてY美はそう言うと、立ち上がって水切り台の食器を棚に片付け始めた。
「ルコって、自分だけ彼氏いるからって少し調子乗ってるんだよね」
「あの、Y美さん」と、僕は思い切って切り出した。タイミング的に今しかないと思った。Y美は食器棚のガラス戸に映る僕と目が合うと、すっと体の向きを変え、背の低い僕のために顎を引いて、じっと僕を見下ろした。
「何よ。早く言いなさいよ。ルコが憎いの?」
「まあ、それは憎いということはないんだけど」と言いかけると、Y美は目を丸くして、
「嘘でしょ。憎くないの? あいつを許せるの?」
 と、畳み掛ける。
 それを言うならルコよりもY美の方をもっと憎むことになる筈だった。僕はY美に対しては、嫌いとか憎いという気持ちよりも怖いと思う感情の方が断然に勝っていて、Y美にじっと見つめられたりすると、緊張して思うように動けなくなるし、話し掛けられると、どう返答したものか考え過ぎるあまり、つい自分でも思ってもいないことを口にしてしまうことがある。ルコに対しても似たような感情だった。もちろんY美ほどではないけれど、好きとか嫌いという感情で分けられる相手ではないことは間違いない。
「だって、怖いし、僕はどうしても苛められたくないから」と、ここで言葉に詰まった僕をY美は静かに見下ろして、微笑んだ。
「やっぱ変な奴、お前。なんでまだ慣れないの?」
 くっくっと笑いを押し殺したような声がしたかと思うと、おちんちんに当てていた手の甲をパチンと叩かれた。
「素っ裸でいることにまだ慣れてないみたいだよね。今更おちんちんなんか隠したって仕方ないじゃん」と、Y美が僕の手をどかせると、おちんちんの皮を摘まみ、軽く引っ張って回した。
「素っ裸でいるしかないくせに、いつも服を着たいって物欲しげな顔して私のこと見てるよね」
「そんなこと、ないと思うけど」
 体をくねらせて答える僕の声は小さく、いかにも自信なさげだった。Y美の手がおちんちんから離れた。伸び切った皮がだらりと垂れている。Y美は鼻歌を歌いながら居間に行き、ソファに寝そべった。僕の困った顔がY美には楽しいのだろう。上機嫌であればパンツを穿かせてもらえると考えていた僕は浅はかだった。
「こっちに来て、おもしろいよ」と、呼ばれる。まるで一緒にテレビでも見ようと誘っているかのような気安さだった。
「はい、気をつけ」
 ソファの横に僕を立たせて、そう命じる。
「まだ恥ずかしいの? いつもおちんちん丸出しにさせられていることとか」
 足を伸ばし、足の甲でおちんちんを下からいじる。足の指がおちんちんの袋をツンツンと突いた。それでも僕はじっとしていなければならなかった。気をつけを命じられているのだから、その間は黙って耐えなければならない。足の指がお尻の穴に当たった。
「じっとしてなきゃ駄目じゃん。まだ気をつけだよ」
 ソファの柔らかいクッションに体を沈ませたY美が舌を出してからかう。
「お前はいつも、何かと服を着させてもらうことばっかり考えてるよね」
「ごめんなさい。気に障ったら謝るから」
「馬鹿だね、そんなこと言ってないよ。裸でいるのが、そんなにいやなのかって聞いてんだよ。答えなよ、早く」
 まずい。感情が高まって不機嫌になりつつある。僕はどう答えるのが得策か、必死に考えた。とにかく今の段階ならまだ抑えられる気がして、
「やっぱり服は着たいし」と、率直に自分の思いを打ち明けることにした。
「そうか、やっぱりね。裸はいやなんだね」
 ふっと肩が下がって、Y美は考え込んだ。体をソファの背もたれから離して、すらりと長い足を組む。成功だった。とりあえず感情がエスカレートすることはなさそうだった。膝に肘を立て、軽く曲げた指の背中に顎を乗せたY美は、長い睫を震わせた。
「いつも裸でいるくせに、やっぱりいやなんだあ」と、呟くので、
「うん」と、おちんちんを隠しながら頷く。
「裸だと寒いの?」と、Y美が上目遣いで訊ね、僕の胸や腕、足に視線を注ぐ。「鳥肌とか立ってないよね」
「うん。別に寒くないけど」
 この家は風通しがよいから、冷房を付けないことが多い。冷房を作動させても柱の温度計を見る限り室温が二十五度を下がることは滅多になく、常時素っ裸でも十分に過ごせる。でも、僕は服を着たかった。パンツ一枚でも良いから穿かせてもらいたかった。Y美もおば様も、それからこの家を訪ねてくる人たちも、みんな服を着ている。なぜ僕だけ衣類をまとうことが許されないのか。今がその不満を伝える最良の機会だと確信した僕は、「でも、やっぱり服は着たいから」と口に出したけど、心臓がドキドキして、言葉が出てこなくなり、そこから先は続けられなかった。
「お前の気持ちは分かった」と、Y美が引き取った。両腕を頭上に伸ばしてフーッと息を吐いてから、姿勢を正して、「でも、やっぱり駄目、かな」と言った。「諦めてほしいんだよね、それに関しては」
 じっと僕を見据えて、足を組み、顎の下に手を当てて頭を支えるY美の姿勢は微動だにしなかった。
「今朝もお前、私にパンツ穿かせてってお願いするつもりだったよね」
「ええ、まあ」
「残念だね。駄目だよ。絶対、駄目」
 目の前が一瞬暗くなる。立眩みする僕を置いて、
「何で駄目なのって思うかもしれないけど、理由なんかないよ」と、Y美は足を組み直して、続けた。
「もう何日も素っ裸で過ごしてんだろ、お前は。我慢しなよ」
 そう言ってY美は、壁のカレンダーを見た。鷺丸君の家で僕が全裸にされてから今日で六日経つ。それ以来、パンツ一枚身に着けていない。
 落胆する僕のおちんちんを組んだ足先で突っつくY美に、僕は「では、せめて」と、床に膝をつけてお願いをした。おちんちんはもう丸出しでも構わないし、このようにY美の好きな時にいじられるのは諦めるから、せめて上半身だけシャツか何かまとうことを許しい欲しいというお願いだった。
 上半身が裸でなければ、下半身が丸出しでも、衣類を身に着けている感覚を呼び戻すことができるような気がした。上半身だけ見れば、服を着た普通の人として、Y美やおば様と変わらない存在のように自分を思うことができる。しかし、この願いもあっさりY美に退けられた。
「バッカじゃないの、お前。犬や猫が服を着るかよ。自分が奴隷以下の存在だって忘れちゃ駄目じゃん。お前はスッポンポンでいるのよ。決まってるでしょ」
 もうこれ以上質問やお願いは受け付けないとばかりY美はソファから立ち上がると、床に正座する僕の目の前に足を突き出した。
「舐めて。奴隷のチャコちゃん」
 食卓の椅子を引き、腰を落とす。僕は命じられた通り、四つん這いになってY美の足を口に含んだ。足の指を一本ずつ舐め、指と指の間にも舌を這わせた。Y美の深く息する音が聞こえた。ふと目を上げると、Y美は胸を反らせるようにして目をつむって、「んー、気持ちいい」と呟いた。
 足の指をしゃぶったままお尻を高く突き上げるようにして、左右に振る。これもY美の命令だった。Y美は「ほんとの犬みたいだね」と評して無邪気な笑い声を立てた。
 一通り指を舐め終えた僕の背中をY美は労わるように撫でて、「もう立っていいよ」と囁いた。膝を伸ばした僕は、反射的におちんちんを手で隠してしまう。Y美が微笑みを浮かべて「気を付け」と命じた。
「私さ、今からシャワー浴びるんだけど、お前が覗きに来ないか心配でたまらないの。覗かないって約束できる?」
「はい」
「ほんとのほんとに? シャワー浴びる時は、私、裸なんだよ。今のお前と全く同じ格好になるの。覗きたくなるでしょうが」
「絶対、覗きません」
 直立不動のまま、僕は答えた。いつのまにか敬語に戻っている。Y美の手がおちんちんへ伸びてきた。
「どうかな。イマイチ信用できないんだよね」
 おちんちんの袋からおちんちんへ指が絡み付き、おちんちんを挟むようにして小刻みな振動を与える。ジンジンと迫ってくる快楽に身悶えしてしまう僕をY美が見上げて、くすっと笑ったけど、すぐに引き締まった表情になった。同い年の異性を性的に嬲っているという意識はまるでないのかもしれない。問題集を解いている時のような真剣な顔をして、硬くなりつつあるおちんちんを見つめる。
「ね、こんなに簡単に大きくさせてるじゃんよ」
 勝ち誇ったようにY美が人差し指で示す。
「すぐ欲情するくせに、どうして私のシャワーを覗かないって断言できるのよ。何度も言うけどさ、シャワーを浴びる時は私だって裸になるんだからね」
 腕を組んで、ちくちくと責める。恥ずかしくて、ついおちんちんを手で隠してしまう僕をY美は憐れむような目で見つめた。無言の圧力により、僕は頭を下げて詫びる。
「何がごめんなさいなのよ」
「その、おちんちんを大きくさせてしまったことについて、です」
「だったら、初めからそう言って謝らなくちゃ」
「はい。その」
「その、は要らないでしょ」
「はい、ごめんなさい。おちんちんを、ええと、大きくさせてしまって申し訳ございませんでした」
 組んでいた腕をほどいたY美は、大きな溜め息をつき、「二階の私の部屋に行って、ベッドの反対側にある箪笥の下から二番目の引出しにリボンがあるから取ってきて」と、階段のある方向へ顎をしゃくった。
「十数える内に戻ってきてね」
 居間を出ようとする僕の背中にY美が声を掛け、すぐに「一つ、二つ」と数え始めたので、僕は駆け足で階段を上り、Y美の部屋に向かった。
 ドアを開けると、そこは紛れもなく女子の部屋だった。まず目に入るのは小物を並べた机と写真が飾られた箪笥、窓にかかった桃色のカーテン。この部屋で僕はこれまで何度もY美からお仕置きを受けたり、性的な苛めを受けたりしてきたけれど、Y美のいない時に足を踏み入れるのは初めてだった。Y美が女子であることを改めて感じさせる雰囲気に少しドキドキしてしまう。マットレスが一枚置いてあるだけの、カーテンもない僕の部屋とは雲泥の差だった。
 箪笥の引出しを開けると、小さく丸まった白い布が横一列に丁寧に並べてあった。この中にリボンがあるのかと思って手を差し入れたけれど、それらしいものは見つからない。指に引っかかったものを取り出すと、白いブラジャーが出てきた。白いカップの部分は大きく、甘い、秘密めいた匂いがした。慌てて中に押し込み、横一列に整然と並ぶ白い丸まった布の間に指を入れる。ここにもリボンらしいものは見当たらなかった。念のために一つを取って広げてみると、なんとY美のパンツだった。Y美の体格を思うと、意外なまでに小さなサイズで、こんな小さな布切れでも下着の用を果たすらしいという想像が僕を刺激する。縁にレースの刺繍があり、柔らかくて軽い。この家で暮らすようになってから、Y美の下着が干されているのを見たことは何度かあるけれど、こんなに間近で見たのは初めてだった。おちんちんが硬くなってしまった。広げてしまったパンツを元通りに畳もうとしてあせっているところに階段を上る音が聞こえた。
「ローク、シーチィ、遅いなあ。何してんのよ、もう。ハーチィ」とぼやく声がドアのすぐ向こうに聞こえる。もう間に合わない。僕がようやくパンツを畳み終えて引き出しの奥へ押し込んだところへドアが勢いよく開いた。
「ちょっと、あんた、何しんのよ」
 絶叫するY美を見上げて、全身から血の気が引いた。Y美の顔は蒼ざめ、唇が怒りのせいか、わなわな震えている。
「ごめんなさい、リボンがなかなか」と言いかけた途端、首にY美の蹴りが入って、すっ飛んだ僕は勉強机用の椅子に頭をぶつけた。痛い。おちんちんが一気に萎える。
「この変態め。素っ裸で女の子の下着漁るとは、何事よ」
 激しい怒りに目尻が吊り上がっていた。僕は必死に弁解した、言われた通りリボンを探していただけだと。Y美は苛々と首を横に振った。
「下から二番目だって言ったでしょ。お前があけてんのは何番目なんだよ」
 よく見ると、一番下と思っていた引出しの下にさらにもう一つ、縦のサイズの短い引出しがあった。急いでいたから、浅い、せいぜい日記帳を入れる程度の深さしかない最下段を見落としてしまった。Y美は手早く下着類の入った引出しを閉めると、その下の引出しを引いた。白い箱があり、その中に真っ黒なリボンが収まっていた。
「これを持って来いって言ったんだよ、ばか」
 リボンがY美の手から垂れた。二回目の蹴りは胸に入った。床にぺたりと座り込んでいた僕はそのまま後方に倒れて、壁にしたたか頭をぶつけた。しかし、痛がっている場合ではなかった。すぐに土下座して、「申し訳ございませんでした」と、謝る。背中にY美の足が乗り、体重をかけてくる。背骨がミシミシと鳴る。「ごめんなさい、許してください」と、震える声で詫び、おでこを床になすり付ける。
 机の引出しを引く音がして、顔を上げると、Y美の手に細いロープが巻きつけられていた。僕は頭髪を掴まれて、立たざるを得なくなった。
「ちょっと優しくしてやればすぐに付け上がるんだね、お前は」
 取られた腕が背中に回される。
「人の下着を勝手に触ったりして、ごめんなさい間違いました、で済むと思ってんの?」
 慣れた手つきで二つの手首にロープを掛け、一つにまとめる。後ろ手に縛られた僕は、更におちんちんにも別のロープが掛けられた。このロープの端には金具が付いていて、簡単におちんちんの根元を締めつけることができる。Y美にロープでおちんちんを引っ張られ、階段を下りる。
 居間ではロープを掛ける適当な場所が見つけられず、Y美は僕を玄関へ連れ出した。見上げると、後ろ手に縛ったロープの端をY美がせっせと二階の手すりに繋いでいた。こうして僕は、玄関の土間を上がったところに立たされた格好になった。もしも誰かが玄関のドアを開けて入ってきたら、真っ先に目に入るのは僕のあられもない姿だろう。両手を縛られているせいで、おちんちんもお尻も隠すことができない。
「さて、これからお前にはどんな罰を受けてもらおうかな」
 階段に腰を下ろしたY美は、不安と恐怖におびえる僕を見て、考え込んだ。玄関の上部に嵌め込まれたガラスから光が射し込み、暗がりにいるY美の肩までの髪をいっそう黒くつややかにし、細長い手足は純白に輝いた。もう大人の女の人みたいだ、と思うと、不意にその色気のようなものが得体の知れぬ妖気となって、僕を取り囲む。へなへなとその場に座り込みそうになるが、後ろ手のロープがピンと張って、せいぜい膝を曲げることしかできない。体重のかかった手首に鋭い痛みが走り、急いで体勢を持ち直す。
「私の下着に触って、鼻に近づけたでしょ」
「リボンがあるかと思って手を入れたら、触れてしまっただけです。匂いを嗅いだりはしてません」
「嘘つけよ、おちんちんが硬くなってたじゃん。私、見たよ」
 玄関の傘置き場から一本取り出したY美が僕のお尻へ傘を振り下ろした。激しい痛みに呻き声を漏らす。立て続けに二発、おば様お気に入りの紫と赤の入り混じった傘でお尻を打たれた僕は、体をよじって少しでも痛みを軽減しようとした。
 Y美は容赦なかった。高く構えた傘を連続して降り下ろす。五回までは数えられたけれど、それから先も同じくらい続いたような気がする。
「ごめんなさい。でも、ほんとにわざとじゃないんです。間違えたんです」
 打たれる度に悲鳴を上げて体をくねらせ、証明しようのないことを必死に訴える。
「ねえ、お尻が真っ赤だよ。どうして赤いの?」
 傘で容赦なくお尻を打ち据えながら、僕にとぼけた顔を近づける。
「ごめんなさい」
「ごめんなさいじゃなくて、質問に答えなさいよ」
「お、お尻を打たれたからです。もう許してください」
 しかしY美は聞く耳を持たず、今度は僕の裸体のあちこちを傘の先で突っつき始めた。股間に傘を差し入れ、少しだけ持ち上げる。おちんちんの袋が圧迫され、おちんちんの裏側に傘がこすれる。僕は、思わぬ快楽に声を漏らしてしまった。
「お母さんが大切にしてる傘なんだよ。とても高価なの。これでお前のおちんちんをこする道具に使ったって知ったら、なんて言うかな」
「お願いだから、やめて。許してください」爪先立ちになりながら、必死に耐える。
「だんだん気持ちよくなってきたみたいだね。この傘をお前の精液で汚してみようかな。お母さんきっとすごく怒るよ」
 さっきまでババア呼ばわりしていたおば様を「お母さん」と呼び、Y美はねちねちとおちんちんを責める。傘の留め具を外し、ぱらぱらと傘のほどけた状態でおちんちんを包み込むようにこするものだから、快楽はいやが上にも高まった。
「傘でいじられたくらいで、勃起させてさ、お前、ほんとに変態じゃないの」
 すっかり硬くなって、射精寸前まで追い込まれた。Y美は傘を僕の股間から抜き取ると、ビンビンに起ってしまったおちんちんをじっくりと見つめ、指でツンツンと突いたり、触ったりした。三日前から精液を出していないおちんちんは、感じやすくなっていた。
「いいこと思いついたよ」
 居間から古新聞の束を運んできたY美は、おちんちんの根元を締めつけているロープを外し、新聞紙を一枚手に取った。
 逃げたい、この苛めから一刻も早く解放されたいという気持ちでいっぱいになり、体を動かそうとするのだけれど、後ろ手に縛られた手はびくともしないし、自由に動く足も、二階に固定されたロープのせいで半径一メートルも越えられない。
「動くなよ。じっとしてて」
 半分に切った一枚の新聞紙を広げて、Y美が硬化したままのおちんちんに狙いを定めた。まさか、と思った瞬間、剥き出しになった亀頭にピリッと体全体に及ぶような刺激が走り、おちんちんを上から押されたような鈍い痛みがきた。身をくねらせて痛みをやり過ごす。おちんちんに刺さった新聞紙がだらりと垂れていた。当てられた直前に身をよじったので、新聞紙が横に大きく裂けて、おちんちんが萎えたらすぐに床に落ちそうだった。でも、悔しいことにまだおちんちんは元の状態に戻りそうもなかった。
「動くなって言ったでしょ。きれいな穴にならないよ」
 下から新聞紙を引っ張って取り除くと、新たに一枚、半分に切った新聞を取り出して広げた。いやだ、やめて、と訴える僕に「いいから、今度こそ動くなよ」とだけ返して、新聞紙を悲しいまでに勃起し続けるおちんちんに近づけた。
 行くよ、の掛け声とともに僕は息を飲んだ。バリッと新聞紙に穴のあく硬い音がして、今度こそ腰を回さずに耐えた僕は、新聞紙がおちんちんの根元近くにぴったりと嵌っているのを見た。
 腹をよじって笑うY美は、この悪魔的な苛めを繰り返す女子が僕と同じ中学一年生であることを示す無邪気さと幼さを垣間見せた。新聞紙がおちんちんに当たった瞬間、僕の思わず発してしまった声は余程おかしかったらしい。
「何よ、ハウッ、ヒィーって。変な声出さないでよ」
 また一枚、古新聞の束から取ると、Y美はそれを手で半分に裂いた。ブルッと膝が震えてしまう。掛け声を省いて、広げた新聞紙をいきなりおちんちん目掛けて勢いよく押しつけてくる。敏感な亀頭に激しい痛みが駆け抜けて、縛られて不自由な体がピクッと痙攣した。Y美は階段を叩いて笑い転げた。
「女の子みたいな声出すんだね。ハウッ、ヒイインだって」
 続けて三枚目を試みる。痛みとヒリヒリする感じが抜け切らないうちにY美が新聞紙を押し当ててきたので、今度はつい体をくねらせてしまった。
「ばか、動くなって言ったでしょ。これじゃ駄目だね。やり直しッ」
 おちんちんの先に掛かった新聞紙を乱暴に引っ張って床に落としたY美は、床に置いた傘を手に取って、僕のお尻に向かって振り下ろした。ごめんなさい、許してください、と上ずった声で詫びる僕の目に涙が溜まってきた。Y美はおちんちんを指で挟み、小刻みな振動を加えた。いとも簡単に再び射精寸前の状態にされてしまう。
 Y美はまた古新聞の束から一枚取った。
「もうお願いです。許して」と哀訴するものの、Y美は「何言ってんの。これは罰でしょうが。我慢しなさいよ」と、居丈高に封じて、適当な大きさに切った新聞紙を広げる。
 下手に動いておちんちんに嵌った新聞紙の穴が大きくなれば、やり直しになって、お仕置きの時間が延びるだけだった。僕は観念して、耐えることにした。相変わらず新聞紙におちんちんが刺さった時の痛みと刺激は辛く、その度に僕は苦悶の声を上げてしまい、Y美の笑いを誘った。
 十枚刺さったら終わりね、とY美は約束してくれた。しかし、途中で何度か耐え切れずに腰をくねらせ、新聞紙の穴を不必要に大きくしてしまったので、カウントから外されてしまい、そろそろ終わりかと思っても、まだたったの六枚しか刺さっていないのだった。
 何よりもおちんちんがビンビンに硬い状態でないとうまくできないということもあり、Y美は小まめに僕に性的な刺激を与えた。立ち上がって僕の背後から首に唇を近づけ、熱のこもった息を吹きかけながら、手を首から乳首へかけて滑らせていく。もう片方の手は内股を撫で、だんだん上げていきおちんちんの袋を揉みしだく。
「ねえ、お仕置きで気持ち良くしてもらえるなんて、お前、幸せだねえ」
 低く耳元で呟いたY美は、お尻の穴に指を忍ばせ、キュッと挿入させる。吐息を漏らす僕にY美が「穴、広がるよね」と言い、更にお尻の中に指を挿入し、お尻の狭い穴の中で二つの指を引き離した。ひんやりとした空気が入ってくる。また変な声が漏れてしまい、Y美に笑われる。
 執拗におちんちんの裏側を撫でさするY美の指が動いて、精液でベトベトになっている亀頭の先端を指で撫でた。精液の付いた指先を僕の首筋から胸、背、お尻に走らせ、最後には口に入ってきた。その指をしっかりしゃぶらされている間、Y美のもう片方の手がおちんちんを撫で撫でし、射精寸前に追い込んだ。
「小さいおちんちんだから、新聞を詰めないと十枚刺さらないねえ」
 刺さった新聞をおちんちんの根元へ寄せるY美は、それが僕に激しい性的快楽を与えるのを横目で確かめた。僕は顔をゆがめて射精の誘惑に耐える。
 気持ち良さで朦朧とした頭に突然ビクッと鋭い刺激が走った。Y美が新聞紙をおちんちんに突き刺した。今度は二枚重ねだった。「アウウッ」とY美が僕の口から洩れた苦悶の呻きを真似する。
「もういやだ。許してください」と訴えた僕は、「もうちょっとでしょ。我慢しなさい」と厳しい口調で叱咤され、太腿でお尻を蹴られた。
 あと一枚で十枚に達するのに、Y美はまたも二枚重ねておちんちんに迫った。これでは約束の十枚を超える。むせびながら抗う僕にY美は「この方が面白いから」とだけ返して、今までよりも離れたところからおちんちんに広げた新聞紙をぶつけた。
 悲鳴を上げて悶える僕にY美は難しい顔をした。ついに耐えきれずに動いてしまったので、新聞が横に大きく裂けてしまったのだった。痛みとその間に与えられる激しい性的な快感によって全身汗だくの僕は、汗で滑りやすくなった手首がロープを抜けないかと、後ろ手ながらもがいてみたけれど、食い込むばかりでとてもほどけそうになかった。Y美は横に避けた二枚の新聞紙をおちんちんから取り除いた。やり直しだった。
「あと一回だから、がんばりなよ」と、涙と汗でぐしゃぐしゃになった僕の顔を覗き込み、妙に甘ったるい声を出して励ました。肩を上下させて激しく呼吸する僕の息が整うのを待ってから、Y美が二枚に重ねた新聞をおちんちんに突き破らせた。
「アウウ、アウウ」とY美が僕の発した喘ぎを真似しながら、おちんちんに刺さった新聞紙を数える。十一枚だった。なぜかY美はおちんちんを撫でて、性的な刺激を与え続ける。新聞を引き抜く段階においても、なおおちんちんを射精寸前の状態にとどめ置かれる。その理由が分からないまま、僕は拘束された体をくねらせた。
 射精しては駄目だよ、もし許可なく射精したらお仕置きだからね、とY美の何度も繰り返す声が夢うつつに聞こえた。はい、と頷いたまま、僕はされるがままだった。もし上からロープで吊るされていなかったら、そのまま床に倒れ込んでいただろう。膝にかろうじて力を入れて、縛られた後ろ手に負荷がかかるのを防いでいる。
 十一枚の新聞紙をおちんちんから抜く時、Y美はわざとと思えるほど、ゆっくり移動させた。片方の手をおちんちんに添えて、軽く揉む。おちんちんを指で挟まれているので、下手に動くと射精してしまう。羞恥と性的な快楽に歯を食いしばって耐える僕の口から喘ぎが漏れると、Y美が険しい顔をして見上げた。
「まだいくなよ。なんかいきそうだな。絶対いくなよ。我慢しろよ」
 非情なY美の厳命を受け、爪先立ちになり内股気味に力を込めて、ぐっと我慢する。おちんちんの袋からずんずんと快楽の水位がせり上がってきて、もう乳首のところまで甘い電流のようなものが流れている。僕はひたすら我慢する。射精してしまったら、Y美から更なる酷い苛めを受けることになってしまう。数学のこととか考えようとしたけれど、頭が朦朧として全然働かない。
 おちんちんから新聞紙が一枚ずつゆっくり外される。外れる寸前で戻しかけ、また進ませる。僕が漏らす短い喘ぎをY美が口真似してからかう。亀頭がびしょびしょに濡れている。Y美が指ですくって僕のお腹や乳首になすり付ける。
 おちんちんの先が濡れてるから、新聞紙が破れやすくなったとY美が言い、また新聞紙を広げておちんちんにぶつけた。ウウッと鋭い刺激に声を漏らす僕はお尻を掴まれた。すかさずY美がその新聞紙を外す。ゆっくりとした手つきだった。
 もう我慢の限界だった。体の内側をせり上がった精液は、僕の意思とは関係なく出口を求めた。おちんちんの先から我慢に我慢を重ねた精液が勢いよく飛び出す。その直前、「もう無理です、ごめんなさい」と発したけれど、Y美の許可は間に合わなかった。その代わり亀頭の端にかかっていた新聞を水平にして、飛び出した精液を受け止めることには成功した。
「勝手な真似をしてくれるよね。これ、お仕置きなんだよ。お前、怒られてるの。なんで一人で気持ちよく射精してんのよ」
 ごめんなさい、と繰り返し詫びる僕の口元に新聞紙を当てる。どろりとした白い液体のにおいが新聞紙のインクのにおいに混じる。傾けられた新聞紙の先から精液が近づいてきて、ついに唇を濡らした。
「飲めよ。自分で勝手に出したもんだろうが。飲んで処分しろよ」
 新聞紙ごと丸めて口の中に押し込まれた僕は、吐き気を催して噎せたけれど、Y美に口を押さえられた。よくしゃぶって新聞に付いた精液を吸い取るまで新聞紙を口から出してはいけないとY美に命じられた僕には、もうそれに従う他にこの苛めから解放される道はなかった。
 びしょ濡れになって小さくなった新聞紙を口から出しても、Y美の怒りのボルテージは下がらなかった。また口に戻され、結局はその新聞紙も飲み込むよう強制された。なんとか嚥下した僕は涙で顔を濡らしながら、激しく咳き込んだ。僕に下着をいじられたのが余程癪に障ったようだった。Y美の足の甲がおちんちんを蹴り上げた。
「いけない。もうこんな時間だ。シャワー浴びてこなくちゃ」
 そう言うとY美は、縛られたまま苦悶する僕を置いて、いそいそと浴室へ向かった。

 ロープの許す限り体を傾けると、居間のドアが半開きのおかげで、なんとか壁の時計を見ることができた。午後三時半を回ったところだった。
 玄関のドアに鍵を挿し込む音がした。ドアノブが回る。ドアの隙間から顔を覗かせたのは、おば様だった。仕事から帰ってきたおば様は、玄関先の階段の手前に僕が相も変わらず素っ裸でいることに驚いたようだった。しかも手を後ろで縛られ、縄尻を二階の手すりに留められている。
 この状態のままY美は僕を放置し、出掛けてしまったのだった。
 これでは恥ずかしい裸身を隠したくても隠しようがない。手でおちんちんを隠すことすら叶わない。しゃがみたくても二階に繋いだロープの長さが足りず、せいぜい膝を曲げることしかできない。
 入ってきたのがおば様で良かったと思う。なにしろ訪問者が玄関に足を踏み入れた途端、僕はいきなりおちんちん丸出しのまま縛られ、素っ裸で吊るされているところを見られてしまうのだから。そう言うとおば様は、よその人が入ってくる心配は無用でしょ、第一鍵がなくて入れないでしょう、と僕の杞憂を笑った。
 おちんちんとおちんちんの袋をY美に蹴られ、痛みが少しずつ和らいできたところだった。床にしゃがみ込むこともできないまま、悶々と昼からの長い時間を過ごしてきた僕は、催し始めた尿意にもまた苦しめられていた。「縄を、縄を早くほどいてください」と、おば様に懇願するものの、帰ってきたばかりのおば様の動きは緩慢だった。
「おちんちんに何付けてるのよ、あなた」
 おちんちんの根元にきつく結ばれた黒いリボンを指して、おば様がフッと笑みをこぼした。これも出掛けにY美がしたことだった。
 少し伸びてきた髪を二つに分けて片方をリボンで留めるという、鷺丸君のお姉さんに教わった髪型にチャレンジしたものの、Y美はどうしてもうまくリボンを付けられなかった。最初に教わった時は鷺丸君のお姉さんがリボンを結んでくれて、ボーイッシュでありながら女の子らしさを失わない髪型になって、Y美をいたく喜ばせたようだったけれど、いざ一人でやろうとすると、これが存外難しく、特にリボンの結び方は、とても一人ではできるものではないと気づいた。
 約束の時間ぎりぎりになっても、まだリボンをうまく結べない。せっかくシャワーを浴びて髪を梳かし、ふわっとしたフリルの付いたシャツと折り襞のたくさんある膝丈までの薄緑色のスカートという、Y美が女子らしくしようとする時に選ぶお気に入りの服装で決めたのに、肝心な髪型だけが思い通りにならず、とうとう出掛ける時間になってしまった。その苛立ちたるや相当なもので、うまくいかない原因は僕にある、せっかく新しい髪型にして街へ遊びに行こうとしたのに、僕がY美の引出しの中の下着に手を伸ばしたばかりにお仕置きにこんなに時間を取られ、結果的にリボンで髪型を決める時間がなくなった、どうしてくれるのよ、お前に女の子の気持ちが分かるのかよ、と一気に僕を責め立て、僕の左右の頬を何度も強く平手打ちするのだった。
 悔し紛れに黒いリボンをおちんちんの根元にぐるぐる巻きにして縛り付けると、こんなリボンお前にくれてやるよ、と捨て台詞を残して家を出たのだった。
 僕がこうして情けない姿で縛られ、放置されることになった一部始終を語り終えると、おば様は「まあ、Y美ったら酷い真似するわねえ」とぼやきながら、やっと後ろ手のロープをほどきにかかってくれた。尿意が迫っている僕は、自由にしてくれたお礼もほどほどに、すぐに便所小屋に向かうべく、縁側から庭に出ようとして居間に行きかけたところ、おば様に「玄関から出なさいよ」と腕を取られてそのまま土間に下ろされた。仕方なく玄関のドアを開けて出ようとしたところ、呼び鈴が鳴った。
 入ってきたのはF田家のお母さんだった。いきなり素っ裸の僕が土間にいるので、短い叫び声を小さく上げた。急いで横をすり抜けようとした僕は肩を掴まれ、引き戻された。おば様が恐い顔を僕を見下ろしていた。
「お客様がいらっしゃったのよ。何できちんと挨拶できないの」
 外に対しては殊のほか礼儀作法にやかましいおば様は、僕の尿意を全く顧慮しなかった。おちんちんを両手で隠しながら、「こんにちは。いらっしゃいませ」と挨拶し、頭を軽く下げる。「それじゃあ。まだ足りないでしょ」背後からおば様が駄目出しをする。「お客様がいらっしゃったのに、あなたいきなり丸裸で出てきたのよ。これってすっごく失礼なことじゃない?」
「はい。ごめんなさい」
「ごめんなさい、じゃないでしょ。丸裸で大変失礼しました、でしょ」
 尿意に耐え、とりあえず言われた通りに謝る。F田さんはにこにこ笑みを浮かべて、黙ってはいるけれど、「相変わらずねえ」という侮蔑の声が聞こえてきそうな目で僕をじっと見ていた。顔を見ないようにしてF田さんの横を通り過ぎ、玄関のドアに向かうと、二人の女子が入ってきて、僕は剥き出しの足の甲をスニーカーで踏まれた。
「あ、チャコ兄ちゃんだ。ほら、やっぱり裸だよ」
「ほんとだ。こんにちは、チャコ兄ちゃん」
 F田さんの二人の娘、幸ちゃんと雪ちゃんだった。チャコとは、奴隷またはペット以下の存在として僕を取り扱うためにY美が付けた名前だけど、この名で僕を呼ぶのは、Y美の他はこの幸ちゃんと雪ちゃんの姉妹しかいない。
 姉の幸ちゃんは僕より一つ年下の小学六年生、妹の雪ちゃんは小学四年生で、この家の近所に住んでいる。F田さんは、最近おば様の仕事の手伝いを始めて、今日もその用件で書類を届けに来たらしい。
 家に上がるようにおば様がF田さんに勧めた時、雪ちゃんが大笑いした。おちんちんに黒いリボンが付いたままだった。手で隠していたつもりなのに、気づかれてしまった。ヒールを脱いだF田さんが振り返って、「まあ」と大きく目を見開いた。幸ちゃんの顔が強張り、怒気を含んだ目でおちんちんを隠す手からはみ出たリボンを見つめる。
「せっかくだから幸ちゃんに外してもらったら」とおば様が言った。
 自分で外せる。わざわざ人の手を借りるまでもない。ましてや年下の女の子に委ねるなど、考えられない。それなのに、おば様は幸ちゃんたちにロープを外させようとするのだった。いやだ、と僕は首を横に振ったけれど聞き入れられなかった。意地を張ったところでどうにかなる状況ではないことを冷たい沈黙が伝えてくる。
 おちんちんをしっかり両手で隠す僕の前に幸ちゃんが立った。一つ年下でも僕より10センチ以上の背丈が高く、冷たい目で僕を見下ろしている。
「この子不器用だからなかなか外せないのよ。幸ちゃん、外してくれる?」
 殊更に僕を困った、駄目な子供扱いし、皆の前で恥をかかせることで逆に幸ちゃんたちを褒め、良い気分にさせるという、おば様独特のもてなしの技法。その効果は幸ちゃんたちだけではなく、母親であるF田さんにも及び、ホホホと上品な笑い声を起こさせた。おば様とF田さんには丸出しのお尻を見られている。ふと、Y美に散々叩かれたお尻の赤みが消えているか、気になった。
 むすっとした顔のまま幸ちゃんが僕の前に腰を落とした。雪ちゃんが中腰の姿勢で要請があればすぐに手伝えるようにじっと姉の手の動きを見ている。
「手が邪魔です。気をつけにしてください」
 とても恥ずかしいけれど、おしっこがしたくてたまらないので、早く自由にしてもらいたくて、指示に従う。至近距離でおちんちんをまじまじと見られてしまう。もう何度も彼女たちに見られているのに、この恥ずかしさには慣れることができない。Y美が力任せに締めつけた固い結び目がおちんちんの袋の下にある。そこへ幸ちゃんの手が伸び、結び目に爪を立てる。
 動かないでください、と不機嫌な声が飛んできた。尿意と羞恥に苦しむ僕の体は、じっとしているのが辛く、ついもじもじと動いてしまう。
「ねえ、雪。これちょっと押さえてて。ほら、動かないでください」
 恐る恐るといった感じで雪ちゃんの手がおちんちんへ伸びてきた。幸ちゃんが垂れるおちんちんをうるさそうに払ったところを受けて、おちんちんを下腹部にくっ付けた状態にして指で押さえる。「こんなに小さいのに邪魔なの?」と雪ちゃんが笑う。
「小さくてもリボンを外すにはないほうがいいからね。動かないでください。何度言わせるんですか」と、いきなり幸ちゃんはおちんちんの袋を掴んだ。うぐぐ、と呻いて、どうにもやり過ごすことのできない、内側から突き上げてくるような激しい痛みに悶える。「まあ、いやだ」と笑うF田さんの声が背中越しに聞こえた。おちんちんの袋の中の玉がしっかり指と指に挟まれている。とりあえず苦悶に呻きつつ耐えてじっとする。すると、ようやく幸ちゃんの手が緩んだ。
 放されたってすぐにジンジンズキズキする痛みが退く訳ではない。なんでこんな目に遭っているのだろうか、しかも一人だけ素っ裸でおちんちんにリボンを巻き付けた情けない姿を四人の女の人に晒して、とその理不尽さに涙が出てきたところで、幸ちゃんが一つ目の結びをほどき、するするとリボンを伸ばした。
 結び目は二つあった。おちんちんの根元にもう一つの結び目があることを雪ちゃんが知らせても、幸ちゃんはとりあえず一つをほどけば十分だと答えてリボンの端を掴み直した。そして、そのまま玄関のドアノブを回した。
 やめて、お願いだから、と訴えるものの、おちんちんをリボンで引っ張られ、僕はよろめきながら外へ出てしまう。F田さんの笑い声が一際高くなったかと思うと、背後でドアが閉まった。
「おしっこしたいんですよね、チャコ兄ちゃんは」
 もじもじする僕を見て幸ちゃんが言った。単に恥ずかしがってるだけではないと見抜いた鋭い眼光が玄関先のコンクリートの上で何度も足を踏み変える素っ裸の僕を射抜いた。しかし、じっとしていられない理由は、おしっこだけではなかった。夏の光が降り注ぐコンクリートの熱さなど、履き物に足の裏を保護されている彼女たちには分からないかもしれない。それでもおしっこで膀胱がぱんぱんに膨らんでいるのは確かだから、「そうなの。早くおしっこに行かせて」と頭を下げた。
「いいですよ、おしっこに行っても。但し、その前に質問に答えてくださいね」
 リボンを引っ張り、庭の、サルスベリの木がある方へ回り込むと、幸ちゃんはリボンを雪ちゃんに預けて、腕を組んだ。気難しい、強張った顔つきだった。
「質問て、なに」足場がコンクリートから土に変わっても、やはり僕はもじもじとしきりに足を動かしていた。おしっこが溜まって、おちんちんの先に力を込めなければ漏れてしまいそうだった。
「このリボンです。これ、ほんとにY美さんが巻き付けたんですか」
 そうだけど、と答えると、急に幸ちゃんの不機嫌で張り詰めたようだった表情が萎み、傷心の顔になった。まるで心に痣が付いたかのようだった。その横では雪ちゃんがリボンを揺らして、繋がれたおちんちんがぷるんぷるんと揺れるのを楽しんでいる。僕は両手でしっかりおちんちんを隠した。
「信じられない」と幸ちゃんは溜め息をついた。「私の大切なコレクションだったのに」
「そっか。どこで見たなって思ってたら、お姉ちゃんが持ってた奴だね。ちょっとチャコ兄ちゃん、隠さないでよ」
 いきなり雪ちゃんに膝でお尻を蹴られた。三つ年下の子に怒られ、しぶしぶ手を外すと、「んもう、面倒だからちゃんと気をつけしてよ、気をつけ」と、僕の手を取って力づくで気をつけの姿勢を取らせる。真正面からおちんちんを見つめる位置にしゃがみ込むと、リボンを機械的に左右へ揺らし始めた。
「雪、年上の人には敬語を使わなきゃ」
「知らないよ、そんなの。お姉ちゃんだって最近までチャコ兄ちゃんには偉そうな口きいてたのに」
「普段から使ってないと、なかなか話せないもんよ。だから、こういう機会に敬語を使って慣らしておくのよ。そうですよね、チャコ兄ちゃん」
 いきなり僕に顔を近づけて、にやりと笑う。そう言えば幸ちゃんは今日会った時からずっと僕に対して敬語だった。でも、口とは裏腹に態度は不敵で、顔を近づけると同時に手はおちんちんを嬲り始めていた。
「どうなんでしょうね、これ」と、おちんちんを軽く揉み、「おしっこ、まだ我慢できるんですか?」と、問う。
「お願い、トイレに行かせて。苦しい」
「いいですよ。雪、リボン外してやって」
 別にリボンが付いていてもおしっこはできるのだけれど、自分の味わった楽しみを妹にも経験させようという好意に水を差したら、不興を買うことは間違いない。年下でも相手は洋服を着ていてこちらは全裸となると、どうしても精神的な優位は向こうにある。僕は諦めてされるがままになった。
 姉に言われて雪ちゃんはおちんちんの根元、おちんちんの袋に隠れたリボンの結び目に指を掛けた。外しやすいように結び目をおちんちんの上に移動させる。柔らかい手がおちんちんに触れて、こすれる。もし尿意が迫っていなければ確実に反応して、ピンと跳ね起きてしまったことだろう。
 とても結び目が固いようで雪ちゃんは懸命に格闘した。サルスベリの木陰にいて、涼しい風が吹いてくるのに、雪ちゃんのうなじにはうっすらと汗が浮かんでいる。その間、僕は幸ちゃんになぜY美にお仕置きされたのか、リボンをおちんちんに巻きつけられたのか、詳しく説明させられた。
 年下の女の人を前に素っ裸のままこうしたいきさつを語るのは、改めて屈辱的で羞恥のあまり全身が朱に染まってしまう程だけれど、幸ちゃんは一貫して冷静な、頭の中で何かを分析するかのような、知的な態度を取った。
「すると、Y美さんは最初、この黒いリボンを使って新しい髪型にチャレンジしようとした訳なのね。で、それがうまくいかず、腹が立って、ここに巻き付けた、と」
 人差し指でおちんちんを上から押しながら、幸ちゃんが確認した。恥ずかしくて、再び両手でおちんちんを隠してしまう。なるほど、と頷いた雪ちゃんは、外したリボンを巻くのに夢中だった。リボンに変な折り目が付いてしまって、きれいに巻くのが意外に難しいようだった。
「そういうことかあ、なんだ、安心したよ。てことはさ、元の原因を作ったチャコ兄ちゃんが一番悪いってことじゃないの」
 ふっと表情を緩めた幸ちゃんは、それでもすぐに無邪気な笑顔を見せた訳ではなかった。更にきつい、詰る目つきになって、僕を見つめる。
「逆立ちしてください」
 唐突過ぎて意味が分からず、訊き返すと、幸ちゃんは腕を組んだま視線を逸らし、溜め息を吐いた。「逆立ちしてくださいって言ったんです。聞こえなかったんですか」
 とりあえずおしっこを済ませてから、その逆立ちをしなくてはいけない理由を聞こうとした僕は、リボンを外してもらって自由になった身を確かめるかのように足早に便所小屋に向かったけれど、すぐに雪ちゃんにタックルされた。転びそうになったところで幸ちゃんに腕を掴まれた。
「逃げないでくださいよ。誰がおしっこしていいって言いましたか?」
「ごめんね。そんなつもりじゃないんだけど、トイレに行かせて」
「じゃ、その前に逆立ちして、ちゃんと謝ってください」
 一昨日のこと、幸ちゃんが公園で友達とアクセサリーのコレクションを見せ合っていたところ、たまたま通りかかったY美がその中の一つに興味を示した。消しゴムと交換してほしいと持ちかけられ、困惑した。父親からもらったもので、お気に入りだった。使いかけの消しゴムなんかと一緒にしてもらいたくなかった。だけど、Y美先輩には普段から可愛がってもらっている。泣く泣く諦め、消しゴムはいらないからと言うと、「ほんとにタダでもらっていいの? すっごくかわいいじゃん」と、目を輝かせて喜んでくれた。それがこのどす黒いリボンだったという。
「だから最初、そのリボンがおちんちんに巻きつけられているのを見た時は、すっごくショックだったんですよ」と、幸ちゃんは続けた。
 実際はY美がとても大切に取って置いてくれて、たまたま僕のせいで髪型を整える時間が失われ、結果的にうまくできず、せっかくのリボンをおちんちんに巻き付ける以外に憤りを晴らす手はなかったのだと知るに及ぶと、これはもう文句なしにその原因を作った僕が一番悪いことになる。これが幸ちゃんの理屈だった。
「だってそうじゃないですか。私、間違ってますか?」と、幸ちゃんはおしっこがしたくてぶるぶる震えている僕に詰め寄った。
「逆立ちは私のクラスでね、男子が受ける罰なんですよ。逆立ちさせられる男の子は洋服を脱いでパンツ一枚になるんです。チャコ兄ちゃんは、初めから素っ裸だから、その格好で逆立ちしてください」
 理不尽で納得できないことに変わりはない。Y美がリボンをおちんちんに巻き付けたことについて、なぜ僕が幸ちゃんに謝らなくてはいけないのか。でも、もう尿意は限界に近くて、とても抗弁する余裕はなかった。
 泣きたい気持ちを堪えて、僕は逆立ちを試みた。地面を蹴って足を上げる。足を掴もうと構えている幸ちゃんは、僕の足が全然上がらないので、「運動音痴なんですね」と嘲笑した。何度目かでついに幸ちゃんは僕の足首を掴むことに成功した。逆立ちというよりは逆さ吊りのような格好になった。
「さ、謝ってください。この格好で」
 体重を支える手が柔らかい土に食い込んだ。僕は命じられるまま、リボンをおちんちんに巻きつかせてしまったことを謝罪した。「ごめんなさい? 全然心がこもってないですよ」「謝る時は相手が年下でも敬語ですよ。どういう教育受けてるんですか」と冷たく叱られ、「申し訳ございませんでした」と、半ば自棄気味に絶叫して命じられた通りの言葉を口にする。
「はい、よくできました」と返事が返ってきたので、このまま解放される、トイレに行くことができる、と考えた僕は、やはり甘かった。雪ちゃんからリボンを受け取った幸ちゃんは、そのリボンで僕の足首をたちまちに一つに縛り上げると、「やめて、お願いですから許してください」と哀訴する僕を無視して、余ったリボンを大きなサルスベリの木の枝に引っ掛けた。自由を封じた両足を上げたり下げたりしてから、僕の体が四十五度の角度になる位置に固定する。手の代わりに肩甲骨辺りの背中が土に汚れる。
「おしっこしていいですよ。ずっと我慢してたんですよね」
 逆光で影になった幸ちゃんの顔がぬっと現われた。おちんちんを握って、おちんちんの先をお尻の穴の方へ向ける。
「雪ったら、あんまりチャコ兄ちゃんに近づくと、スカートの中見られるよ」
「いやーんもう。危ない危ない。男の子って油断ならないわあ」と、スカートを押さえて僕から飛び退いた雪ちゃんは、幸ちゃんの言いつけで僕の下腹部、膀胱のあたりをゆっくり圧した。
「お願い、いやだ、こんなの」下腹部を圧迫されて、もうおしっこを漏らしてしまうのは時間の問題だった。「やめて、押さないでください」と、拘束された体を揺すりながら、それでも諦めずに必死にお願いをする。幸ちゃんや雪ちゃんの頭の先にピンク色の花がいっぱい咲いていた。サルスベリの花だった。
「いやだ、チャコ兄ちゃん、泣いてない?」と、雪ちゃんがべそをかいている僕に気づいた。確かに涙がこぼれていた。
「うーん、チャコ兄ちゃん、頑張りますねえ。でも、我慢してても仕方ないですよ。おしっこするまで解放するつもりありませんから」
 スニーカーで僕の顔を踏み付けながら、幸ちゃんが言った。下腹部に置いた雪ちゃんの手に力がこもり、膀胱を圧迫させる。おちんちんの皮を引っ張り上げて、しっかり亀頭を包み込む。
 いやだ、許して、と泣き喚いて、とうとう僕は失禁してしまった。我慢に我慢を重ねてきたおしっこがじょぼじょぼと股間を濡らす。生温かい液体は肛門に溜まり、内股から背中を伝って垂れる。
 放出中のおちんちんを幸ちゃんは木の枝で突いた。おちんちんが垂れて向きを変え、今度は僕の胸、首、顔へおしっこが流れることになった。「やめて、足をほどいて」と、泣きながら訴えても、二人の影は全く動く気配がなかった。
 一度放ってしまったおしっこは、止めることができない。おしっこは僕の首から顎を濡らし、口元にまで入り込んできた。鼻を浸し、頬を伝う。慌てて目をつむる。
「すごい量だね、チャコ兄ちゃん。こんな格好のままおしっこするなんて、ちょっと信じられないわあ。恥ずかしくない?」
「雪ったらもう、お腹押してたくせに意地悪言うのね。チャコ兄ちゃん、自分のおしっこで全身びしょ濡れだよ。可哀想だね」
 サルスベリの枝に固定したリボンが幸ちゃんの手でほどかれると、吊られていた両足が落ち、僕はおしっこで出来た水溜りの上に仰向けに倒れた。
 気がつくと、打ち合わせを終えたおば様とF田さんもそばにいた。おしっこの溜まった地面におしっこまみれになって横たわっている僕を見て、F田さんは不思議そうに目をしばたたいた。
「なんなの、これは」
「チャコ兄ちゃん、おしっこが我慢できなかったんだって」と雪ちゃんが母親に説明すると、「まあ、そうなの」と言ったきり、口元を引き締めた。
 土がおしっこで泥になった。僕の背中やお尻に泥が付着している。全身おしっこまみれになりながら半身を起こすと、目の前で黒い蝶がひらひら舞っていた。違った。リボンだった。雪ちゃんがリボンを揺らして遊んでいる。
「そのリボン、Y美さんにあげたやつだから返さなくちゃ。早く丸めてよ」
「だってきれいに丸まんないんだもん。お姉ちゃんやってよ」
 しようがないな、と呟いて幸ちゃんが受け取ろうとした時、あ、と姉妹は同時に声を上げた。指先から抜けて、リボンはおしっこの水溜りに落ちてしまった。
「やっちゃった。どうしよう、これ」
「お姉ちゃんのせいじゃないよ。元はと言えば、おしっこを漏らしたチャコ兄ちゃんが悪いんだから」
 姉に慰めの言葉をかけた雪ちゃんは、侮蔑のこもった眼差しを僕に向けた。
「そうだよね。やっぱり雪もそう思うんだ。ありがとう」
 立ち上がろうとした僕は幸ちゃんに背中を蹴られ、水溜りの上に腹這いになった。お臍の辺りにリボンの感触がある。
 帰りますよ、とF田さんの娘たちを呼ぶ声がした。F田さんのお喋りに相槌を打ちながら、おば様は門を開け、予想以上に長尻だった客を送り出そうとしている。腰を浮かせかけた僕はお尻や背中を踏みつけられた。幸ちゃんと雪ちゃんが門に向かって駆け出したのだった。

 舐めて舐めて、舌の感覚が麻痺しても、ずっと舐め続けた。開いた両足の間に顔を埋めて、命じられるままに舌を伸ばし、かき混ぜる。高まってくると、おば様は股を閉じてきた。ぎゅっと体が足で締め付けられる。お尻から背中に足を感じる僕は、おば様の足が幾つもあって、僕を湿地の中に押し込めているように感じる。自分をその暗い狭い世界で棲息する生物、舌を動かすだけの下等生物のように思う。
 体の隅々にまで舌を這わせ、全身を使って揉んだりさすったりする。例えば乳房を揉みながら、首筋を舐め、お腹でお腹をさすると同時に足を股に差し込ませるという風に。だからおば様への奉仕は非常に体力を必要する仕事だった。
 奉仕が終わる頃、僕は疲れ切って、そのままおば様の隣で眠り込んでしまうことがある。おば様はそれを許してくれた。それどころか、そう望んでいるように感じられることもあった。奉仕をおば様の望むタイミング通りにできた時だ。
 とろんとした目で僕を自分の胸元まで引き寄せ、背中を撫でてくれた。奉仕にまずまず満足してもらえたらしい。このまま眠ってしまいたくなったけれど、時刻は夕方で、これからおば様は夕食の支度をしなくてはならない。僕だけおば様の寝室で眠っている訳にはいかないので、一緒にベッドを出ることになる。すっかり体力を消耗した僕は眠たいのを我慢して上体を起こした。
「ごめんね、寝かせてあげたいところだけど」
 裸の上からランジェリーを被ったおば様が済まなそうな、困ったような顔をした。透け透けの生地からムンムンする濃厚な体のラインが露わになる。さっきまで散々口に含んだ乳首がツンと上向いている。僕はおば様に連れられて全裸のまま浴室に向かった。
 寝室に入る前、庭のホースから迸る水でおしっこと泥にまみれた体を洗われたから、僕の体はそれ程汚れていない。それでもおば様が僕を浴室に入れたのは、自分の体を洗わせるためだ。
 石鹸を塗りたくった自分の体をおば様の張りのある背中になすりつける。またもや肉体労働だけど、ベッドの上と違って、おば様は普段は教えてくれないようなことを話してくれる。この時もおしっこで濡れたリボンはどこへやったのかという質問から、こんなことを語りだした。
「Y美の父親がね、女を作って出ていく前にあの子にあげたリボンも黒だったかな。まだ小学校に上がって間もない頃ね」
「あの黒いリボン、とても大切にしまっていました」
「よくないわ。あの子に黒いリボンは見せない方がいい」
「どうしてですか」
「すごく不安定になるのよ。あなた、酷く苛められたでしょ」
 それはリボンとは関係なくいつものことです、と返しそうになり、僕は慌てて口を噤んだ。いつのまにか後ろに回ったおば様の手がおちんちんをいじり始めた。


13 コメント

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Unknown (X)
2016-12-18 15:52:00
初期の頃に戻れないものですかね。あるいは、別の話にするとか。
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Re:Unknown (naosu)
2016-12-18 17:02:50
無理ですね。
人は変わるもんです。
あきらめてください。
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Unknown (Gio)
2016-12-18 19:00:23
更新お疲れ様です。
徐々にY美家の内情も出てきましたね。
みそぎ編も終わりいよいよ夏祭りですが、
メライちゃんとの仲はどうなるか気になるところです。
今年ももう終わりですが、来年も
此方の作品を拝見させて頂きますので
よろしくお願いいたします。
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Gio様 (naosu)
2016-12-18 21:25:45
早速のコメント、恐れ入ります。
本年もあたたかい声援、ありがとうございました。
恥ずかしい苛め、羞恥体験はまだ終わりません。
来年もどうぞよろしく。
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Unknown (M.B.O)
2016-12-19 02:56:05
更新ありがとうございます。
Y美の過去が少しわかった回でしたね…
ご無理をなさらない様、次回のお話に期待しています。
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Unknown (X)
2016-12-21 19:19:41
良い方向に変わってほしいものです。
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Unknown (ああああ)
2016-12-30 09:53:46
年末に来てみたら更新されていた!
今回もお疲れ様です!!

今回は伏線が貼られて、本筋が一気に進行した感じがしますね
今後の展開が楽しみでたまりません
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Unknown (Unknown)
2017-01-12 22:15:43
Y美が優しく責めるシチュも見てみたいです
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Unknown (さい)
2017-01-15 05:29:26
ルコいじめフラグ。それも良いと思います
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Unknown (M.B.O)
2017-01-15 21:08:04
ルコをいじめるのはありそうですね…
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