太陽の余熱がじんじんと感じられる歩道に両手と素足を着地させて、首輪以外は何一つ身に着けていない素っ裸の僕は、引かれるままに、家の外を歩いている。余光がまだ西の空に残っていて、電灯なしでも本が読める明るさだった。
リードを引く雪ちゃんは、数歩ごとに振り返り、僕がきちんと四つんばいで歩いているか、確認するのだった。
外に出る前に庭を三周も今の姿勢で歩かされていたので、両腕が痛くなっていた。かてて加えて、いつ人が通るか分らない不安があった。僕は叱られるのを承知で止まり、膝をついてお尻を下ろした。そして、後ろのY美に首を回した。
「もう家に戻ってください。警察沙汰になってしまいます」
「誰も警察なんか呼ばないよ。そんなことしたら引越しする羽目になるもの。心配しなくていいの」
Y美が面倒くさそうに顔をしかめた。雪ちゃんがリードを力いっぱい引き、僕は引きずられるように前へ進まされる。雪ちゃんに「ちょっと待ってください」とお願いして、もう一度、Y美を振り向いた。Y美は雪ちゃんとの会話をまた中断されたことで、眉を寄せて、不機嫌な表情をした。
「腕が痛くて、もう歩けないんです。許してください」
頭を地面になすりつけて哀願すると、Y美が髪の毛を掴んで僕の顔を上げさせ、怒りのこもった目つきで睨みつけた。
「甘ったれてるんじゃないよ。私んちにタダで居候させてもらってるくせに。あんたはね、これからみなみ川教信者の老人の家に行くの」
何しに老人の家まで行くのか、理由を訊いてもY美は鼻で笑って教えてくれなかった。とにかく、ここは頭を空っぽにして、四つんばいの歩行を続けるしかなさそうだった。脇の道路を車が何台も通り過ぎた。お尻を高く上げて、犬にように歩行する僕の無様な姿は隠しようがない。けれども、顔までは見られていない。そのことだけを救いとして、僕はこの辱しめに耐えた。
後ろではY美と雪ちゃんが楽しそうに会話していた。雪ちゃんが、おちんちんとおちんちんの袋の揺れ方の違いがおもしろいと言って、笑った。Y美は、おちんちんが小さくて、股の間から垂れているのが見えにくい、と不満を洩らした。
前を行く幸ちゃんは速度を少しも緩めてくれなかった。背中から噴き出た汗が肩から滴り落ちる。体重を支える両腕が痛くてたまらなくなった。雪ちゃんに少し休憩させてほしいとお願いすると、
「休んでもいいけど、通行人に見られるだけだよ」
と、Y美が代わりに答えた。農作業帰りのおじさんとおばさんの集団が後ろから来て、Y美と雪ちゃんが道を譲った。僕は、隣りの桑畑に入って隠れようとしたが、リードを握った幸ちゃんに抑えられて、その場に座り込むしかなかった。両手でおちんちんを隠し、顔を伏せたまま、じっと動かずにいる。おじさんとおばさんの集団は、お喋りに夢中だったが、全裸の僕の姿を見ると、急に押し黙り、足早に通り過ぎるのだった。おばさんたちが大笑いしながら振り返った。
あと少しだよ、という幸ちゃんの言葉に励まされ、恥ずかしい歩行を再開した。これまでにもみなみ川教信者の老人の家には、全裸のまま行かされたことがあったが、夜だったし、普通の二本足歩行だった。今回のように四つんばいで膝を上げた状態で向かうのは初めてで、何よりも体力を消耗するこの歩き方では、100mに満たない距離がうんと遠く感じられるのだった。
「ごめんください」
門の外からY美が呼びかけると、ごま塩頭の老人と紫の着物のお婆さんが出て来て、中へ入るように勧めた。みなみ川教信者の老人家は、木造二階建ての古い建物で、広い庭には池があり、奥には小さな林があった。
建物の近くにクヌギの大木があり、その木の下まで幸ちゃんに引かれて四つんばいのまま歩行していると、紫の着物のお婆さんが興味しんしんの眼差しで僕を見つめる。
「この子は、なんで裸なの。なんで犬みたいに首輪をつけてるの」
「チャコ兄ちゃんは、ずっと裸だよ。服は取り上げられちゃったんだって。犬の首輪は、Y美さんに付けられたの。犬みたいに散歩させるために。かわいいでしょ」
はきはきと答える幸ちゃんに、お婆さんは満足そうに何度も頷く。クヌギの大木の下まで来ると、雪ちゃはリードをY美に返した。Y美は受け取ったリードの先端を投げて、木の枝に引っ掛けた。
「うまい。いいぞ」
ごま塩頭の老人が草履を脱ぐと、するすると木に登って、枝にリードをしっかり結わえ付けるのだった。僕はぐいぐいと上方に引っ張られる首輪が首を圧迫して苦しく、首輪と首の間に指を入れたまま、爪先立ちを強いられた。丸出しになったおちんちんを見て、紫の着物のお婆さんが着物の裾で口を覆い、上品に笑った。僕は全身が熱くなるのを感じた。顎の下を締め付ける首輪がそっと指を抜くと、その手でおちんちんを隠した。
これから何をされるのか、まるで見当がつかない僕は、不安のあまり膝が震えるのを抑えられなかった。Y美がびくびくしている僕の表情を見て、にやりと笑うと、ごま塩頭の老人に向かって、ヘルパーのIさんは何時頃戻ってくる予定なのか、訪ねた。あともう少しで戻るはずだと聞いたY美は、クマの絵柄の腕時計を見て、溜め息をついた。
「ぼけっと待ってても仕方ないし、せっかくだから雪ちゃん、練習してみない?」
紫の着物のお婆さんと話をしていた雪ちゃんが、Y美に呼びかけられて、元気な声を上げて前へ出て来た。
Y美とごま塩頭の老人のやり取りから、彼らが強制的に射精させることを企んでいると知った僕は、Y美に考え直すように訴えた。しかし、もちろんY美は聞く耳なんか、持たない。僕のおちんちんを隠している手を後ろに回すと、僕の頭の後ろで両手首を縛るよう、ごま塩頭の老人に頼むのだった。
お安い御用とばかり、ごま塩頭の老人はどこからか麻縄を取り出すと、僕の手首を二つ重ねて、手早く頭の後ろで縛ってしまった。大きな声で思わず助けを求めた僕は、Y美に頬を左右交互に何発も叩かれたが、僕がなおも叫び続けるので、雪ちゃが紫の着物のお婆さんから渡された新聞紙を丸めて僕の口の中に無理矢理入れると、Y美が白い手拭で猿轡をかませた。
犬の首輪につないだリードを木の枝に括り付けられた僕は、膝を曲げることができない不自由な姿勢で、丸裸を晒していた。頭の後ろで縛られた両手を外そうと身悶えしていると、雪ちゃんがおちんちんを手を伸ばしてきた。
「まだ射精させないでね。大きくさせるだけ。今日は信者の皆さんに若い男のエキスを提供してよい日なのかどうか、ヘルパーのIさんに確認しないと分らないから、チャコがいきそうになったら、すぐ停めてね」
中腰でおちんちんを弄び始めた雪ちゃんは、Y美の忠告に小さく頷いた。柔らかい指が輪を作っておちんちんを擦る。
「多分今日は、エキスをもらってもよい日だと思ったけどのお」
ごま塩頭の老人がすっかり暗くなった東の空を仰ぎながら暢気そうに言うと、紫の着物のお婆さんが「それもそうね」と、応じた。
「なんといっても、こんなに若い男の子の精液は、貴重ですからね。私たちもいっぱいいっぱい幸せになれる」
猿轡のせいでムームーとしか声を上げられない僕は、おちんちんの袋からせり上がって来る快楽の波に体を揺すって抵抗した。限界まで大きくなったおちんちんは半分皮が剥けて、ピンク色に上気した亀頭を露出していた。
「ね、幸ちゃん。分ったかな。勃起するってこんな感じなの」
摩擦運動をいったん停止した雪ちゃんが中腰だった姿勢を伸ばして、後ろの幸ちゃんに話し掛けた。幸ちゃんは紫の着物のお婆さんの後ろから顔を出していたが、近づいて、僕の無理矢理勃起させられたおちんちんを食い入るように見つめるのだった。
「ついでに硬さもチャックね。チャコは短小で、勃起しても大して大きくないけど、一応、硬くはなってるんだよね、これが」
指でおちんちんを上からぺんぺん叩きながら、Y美が補足すると、幸ちゃんは小学四年生らしい素直な好奇心を働かせて、Y美の真似をして指で叩いた。
「では、きれいに剥き剥きしましょうね」
Y美が勃起して半分剥けたおちんちんの皮を根元の方へ引っ張る。僕は猿轡の間からムームーという言葉にならない声を上げて、腰を引く。と、雪ちゃんにお尻をぴしゃりと叩かれるのだった。お婆さんが「がんばりなさい」と僕に声援を送った。Y美が亀頭の縁の部分を指でさっとなぞり、指先に付いた白い垢を雪ちゃんと幸ちゃんに見せた。
「これが恥垢。包茎の人って、これが溜まりやすいんだって」
やだ汚い、と幸ちゃんが顔を背ける。僕が顔を真っ赤に染めて俯いているその時、お腹が鳴った。朝食しか食べていない僕は、空腹を覚えてだいぶ経っていた。Y美と幸ちゃんが顔を見合わせて笑う。
「そうか。チャコ、そんなお腹が空いてるんなら、これ食べなよ」
猿轡をめくって、Y美が恥垢の付いた指先を僕の口の中に入れた。あまりにも酷い仕打ちに僕は首を左右に揺すって抵抗したが、Y美にがっしり頬を押さえつけられてしまった。きれいになめないと承知しないと言われ、僕は目に涙を滲ませながら、舌を使ってY美の指を吸った。
目をつむり、味を感じないように夢中で吸って恥垢を飲み込んでいるうちに、おちんちんが萎えてきた。幸ちゃんは、Y美と雪ちゃんに唆されて、おちんちんに触った。Y美のアドバイスに従って、揉んだり擦ったりする。たどたどしい指使いに僕のおちんちんは、たちまち大きくなった。
ごま塩頭の老人と紫の着物のお婆さんが、高さ1mくらいの木箱を運んで来た。ごま塩頭の老人とY美、雪ちゃんの三人で僕を木箱の上に載せてしまった。木箱の上で膝を屈した状態の僕は、後頭部で手を縛られているものの、犬がちんちんをしているような格好になった。それを見て、Y美たち女の子が手を叩いて喜ぶ。木箱の上だと、それほど腰を屈めなくてもおちんちんをしごけるので、女の子にしてみれば腰の負担が少なく、楽になるのだった。ごま塩頭の老人が身軽にひょいと木の枝に登ると、リードを短く調節した。もし足元の木箱を外されたら、僕は首輪で吊るされてしまう。
まさに犬のちんちん状態でおちんちんをしごかれている僕は、再び襲ってきた快楽のさざなみに身悶えしていた。雪ちゃんが指で作った輪を力まかせに往復運動させるので、猿轡からムームーと声を上げながら、屈辱的な快感に耐えている。亀頭が赤くなってぱんぱんに腫れ上がっているのを見て、Y美が「ちょっとストップ」と、声をかけた。
「あぶないあぶない。もう少しで射精するとこだったじゃん」
少し濡れている亀頭の先を指で拭うと、Y美は微笑を浮かべながら、幸ちゃんに言った。
「まだ幸ちゃんは、精液が飛び出るところ見たことないんだっけ。ちゃんと見せてあげるから、そんなに慌ててしごかないでね」
「分かった。ごめんなさい。つい夢中なってしまって」
しおらしく頭を下げる幸ちゃんに「いいのいいの」とY美が手を振った。続いて、もう一度雪ちゃんがおちんちんをしごき始めた。
「精液が飛び出る寸前まで刺激を加えようよ。飛び出そうになったら、ぱっと手を止める。順番にやるの」
Y美の提案に、ごま塩頭の老人も紫の着物のお婆さんも参加を申し出た。口に挟まれた白い手拭が唾液でびしょびしょに濡れていた。僕は頭の後ろで手を縛られ、隠すことができない裸の体を大きく前に反らして、理不尽な快感に耐えた。爪先立ちの足の位置を変えると、木箱がみしみしと軋んだ。
急激に高まった快感の波に顎を引くと、首輪が喉を圧迫して、思わず咳き込んでしまった。猿轡の中からこもった声が漏れる。雪ちゃんが手を離すと、不意に行き場を失ったようにおちんちんが虚空に二三度頭を振るのだった。亀頭を撫でた雪ちゃんの指が糸を引いていた。
精液が出る寸前で止められる遊びを何回も続けてやられているうちに、僕の体はすっかり火照って、とにかく精液を放出したくてたまらなくなってきた。紫の着物のお婆さんが二度目のしごきをおちんちんに加えている時、ごま塩頭の老人から受け取ったローションを手になすり付けて、おちんちん全体にくまなく塗り付けた。ひやっとした心地よさが下腹部から広がってくる。
その冷たい指のあやしい動きはおちんちんの袋を抜けて、お尻の穴にまで到るのだった。ぬるぬるに濡れた人差し指にお尻の穴をまさぐられた僕は、猿轡の中からムームー叫びながら、金縛りに遭ったように動けなかった。ついに指がすっぽりお尻の穴に入り、入れたり抜いたりする。紫の着物のお婆さんのもう片方の手がおちんちんをしごき始めた。
おちんちんとお尻の穴を同時に責められ、全身汗まみれになって木箱の上で拘束された体をくねらせている僕を、Y美が蔑む目つきでじっと見ていた。精液がぐんぐんおちんちんの中を流れてくるのが感じられる。早くこの精液を外に出してしまわないと、この悶絶から決して解放されない。しかし、いよいよ発射する直前になると、例によって手の動きが止まるのだった。お尻の穴に入れていた指を抜くと、
「そろそろ外してあげようかね」
お婆さんが猿轡をほどいてくれた。口の中から丸めた新聞紙を取り出すと、代わりにお尻の穴に入れていた指を突っ込むのだった。
「よく舐めて、きれいしてちょうだい」
肩を揺すりながら呼吸する僕は、口の中に入ってきた人差し指をお婆さんに言われた通り、丁寧に舐め、吸った。勃起したままなかなか萎えないので、Y美がごま塩頭の老人に頼んで、バケツに水を汲んでもらった。
「こんなもんでいいかな。それにしても、あんたはやることが過激じゃな」
Y美の足元に水を入れたバケツを置いたごま塩頭の老人は、手をはたいて、僕の弄ばれて大きくなったおちんちんを哀れむように見た。
「ありがとう。これで充分」
そう言うが早いか、Y美はいきなりバケツの水をおちんちんに向かってぶちまけるのだった。突然冷たい水をかけられた僕は、ぎゃっと短い悲鳴を上げて、震えた。おちんちんがたちまち萎えた。
「こうでもしないと、勃起が収まらないからね。萎えた状態から大きくするのが私は好きなの。おちんちんを大きくしてくださいってお願いしてごらんよ、チャコ」
猿轡を外してもらったばかりに、Y美から屈辱的な言葉を口にさせられる。無視してしばらく黙っていると、Y美がおちんちんの袋をぎゅっと掴んだ。言われた通りにしないと握り潰すそうだ。少しずつ握力が加えられる。僕は許しを乞い、おちんちんの袋から手を離すように哀訴した。
「どうぞ僕のおちんちんを大きくしてください」
「幸ちゃん、今の聞こえた?」
Y美が幸ちゃんに尋ねると、幸ちゃんは首を横に振った。Y美がさらに握力を加えて、おちんちんの袋を握る。僕は痛みに呻き声を上げながら、お腹から大きな声を張り上げた。
「いい子だね。チャコ。それでいいんだよ」
僕の濡れた乳首や首筋、背中などを愛撫しながら、Y美が優しい声で誉めてくれる。甘い電流のようなものが体を貫いた。僕の乳首を撫でながら、Y美は雪ちゃんと幸ちゃんに向かって、おちんちんだけでなく、体のあらゆる部位を撫でて、性感帯を発達させてあげることが大切だと説いた。そして、二人を呼び寄せ、首筋や耳、乳首、お尻を撫でさせた。
「チャコ、良かったじゃん。女の子たちの研究材料になった甲斐があるね」
気持ちいいか、と問われ思わず頷いた僕に、Y美がおちんちんをしごきながら、そう言うのだった。もはや何も考えられなかった。幸ちゃんが乳首を乱暴につねるのだが、それさえ快楽の波にかぶさって、痛みを忘れさせる。
ほどなく快楽が頂点に達しようとした。それをおちんちんの張り具合から目ざとく察したY美が、ぱっとおちんちんから手を離す。それと同時に、姉妹も僕の裸から手を引くのだった。頭が朦朧としてうまく働かない。このまま寸止めを繰り返されたら、僕は一切の思考能力を奪われ、ほんとの動物になってしまうような気がした。
「お願いです。もう許してください」
「何を許してほしいのよ」
木箱の上にしゃがんで、勃起したおちんちんをひくひく震わせている素っ裸の僕を、Y美が汚らわしい獣か何かを見るような嫌悪感のこもった目で睨んでいた。
「もう、いかせてください。このままじゃ変になってしまいます」
「いきたいの? へえ、そんなにいきたいんだ」
極限まで大きくさせられたまま見捨てられたおちんちんを、指で上から軽く叩きながら、Y美が大袈裟に驚いてみせる。と、ごま塩頭の老人が門の方に体を伸ばして、「うむ。帰ってきたようじゃ」と言った。
「ほら、Iさんだって。やっと精液が出せるじゃない。良かったね」
紫の着物のお婆さんに誘われて、水色のワンピースを着て白いソフト帽を被ったヘルパーのIさんがこちらに来た。全裸で首輪を着け、木箱の上に載せられたまま、おちんちんを大きく膨らませている僕を見て、Iさんは怪訝な表情をした。
「Y美さんから有り難い申し出があっての。良かったら、この子の精液を信者のみんなに提供したいそうじゃ。構わないかの」
ごま塩頭の老人がそう訊ねると、Iさんは真っ青な顔になった。
「まさか、もう精液出しちゃったんじゃないの?」
「いや、まだ出してない。あんたが帰ってくるまで待ってたんじゃ」
「まだ出してないのね? ほんとね? 良かった。絶対出したら駄目。今日は忌み日なのよ。精液を出すことは、一切禁止」
「そうか。忘れてたわ。今日は忌み日よ」
精液を出さないことになったにもかかわらず、Y美は指によるしごきをやめない。精液がぐんぐん昇って来る。歯を食いしばって我慢する。忌み日に精液を放出してしまったら、信者に半殺しにされそうな気がして、必至に堪える。猿轡の中から懸命に声を上げて、いきそうになってることを告げる。と、Y美がぱっと手を離して立ち上がるのだった。
なんとか精液を内に留めた僕は、首輪でつながれ、手を縛られた不自由な体のまま、ぐったりしていた。紫の着物のお婆さんが自分の額を手でぱちんと打つ。ごま塩頭の老人もうんうんと頷いて、今まで思い出せなかった不覚を恥じているようだった。木に登り、枝に結ばれたリードをほどいている最中も「忌み日だったわ」と、呟いていた。
さんざんおちんちんを弄ばれなから、一滴の精液も出すことは許されなかった。木箱から下ろされた僕は、再びバケツ一杯の水を頭から浴びせられた。「体の中で発生した情欲の火を消すにはこうするしかないのだ」と、ごま塩頭の老人が全身水びたしで震えている僕を一喝した。おちんちんがすっかり柔らかくなったのをY美と雪ちゃん幸ちゃんが交互に手で確認すると、僕たちは、みなみ川教信者の老人の家を後にした。
すっかり夜の暗さに覆われた道を、来た時と同じように、膝を上げた四つんばいの格好で戻る。リードを引くのは、やはり幸ちゃんだった。途中、会社帰りのサラリーマンとすれ違ったが、本物の犬を散歩させていると思っていたらしく、それが人間の男の子だと分かった時は、ぎょっとしたようだった。サラリーマンは立ち止まり、しげしげと見てから無言で歩み去った。
体重を支える両腕が疲労で踏ん張れなくなった。ずんずんリードを引く幸ちゃんにもう少しゆっくり歩いてほしいと頼んだが、聞き入れてくれない。後ろからY美が、「しっかり歩きなよ。だらしないなあ。あと少しだよ」と叱咤し、僕の高々と上げているお尻を蹴っ飛ばした。雪ちゃんが「あ、流れ星」と小さく叫んだ。その声に反応して僕も夜空を見上げたが、星一つ見出せなかった。
家の門を潜った時、玄関に灯りが点っていて、ガラス戸に人影が見えた。おば様だ。おば様が戸を開けて、出迎えに来てくれた。
「遅いじゃない。心配したのよ」
「お母さん、ごめん。チャコを連れてちょっと散歩してたの。老人の家まで」
四つんばいで膝を伸ばし、お尻を高く上げて歩行させられて来た僕は、おば様が近づいてくると、その場に座り込んでおちんちんを両手で隠した。おば様は僕の顔を覗き込み、頬を軽く叩くと、雪ちゃんと幸ちゃんに早く家に上がるように言った。
「お腹空いたでしょ。焼肉用意したからね。いっぱい食べてね」
Y美とF田さん姉妹が玄関に入ると、僕はおば様にリードを引かれて、庭に回った。ガラス戸越しに、Y美たちが洗った手をハンカチで拭いているのが見えた。僕は、両手をまっすぐ伸ばした直立不動の姿勢で、おば様が首輪を外すのをじっと待っている。ベルトが固くて難儀するおば様の顔と僕の顔がくっつきそうになった。おば様の首の辺りから香水のよい匂いがした。
背の低い僕のために腰をうんと屈めねばならないおば様は、やや大きめの半袖のシャツを着ていた。僕がちょっとだけ目を下に動かすと、おば様の胸の谷間が見えるのだった。おば様が首輪のベルトを引っ張るたびに見覚えのある黒いレースの下着が揺れる。
くすぶっていた性的欲望の火が再び燃え上がるのを感じた。おば様の年齢について以前訊ねたことがあった。おば様は、女の年齢を興味本位で尋ねる僕をたしなめ、モーツァルトが死んだ歳だと答えてくれた。後日調べたら、モーツァルトは35歳で死んだのだった。35歳の色香をムンムンと漂わす顔が僕の顔のすぐ近くにある。
「キスしてください。おば様」
口では絶対に出せない言葉を心の中で叫んでいた。ようやく首輪を外すことに成功したおば様は、裏口まで僕を連れてくると、雑巾を渡した。
「一日中、素っ裸のまま外をほっつき歩いてたんでしょ」
裏口の段に腰かけておば様が僕の汚れた体を拭いてくれた。戸口から肉を焼く匂いがして、昼食も食べていない僕のお腹は空腹のあまりぐうぐう鳴り通しだった。おば様は、僕を四つんばいにして背中からお尻にかけて雑巾で荒々しく擦った。それから僕を立たせると、胸から首にかけて雑巾を走らせた。最後の仕上げとして足の裏をきれいにする。
「人の手垢がいっぱいついたおちんちんをよく拭いとこうね」
おちんちんを雑巾ではさんで、おば様が言う。ごしごし擦られて、おちんちんが大きくなってしまった。それを見て、おば様が笑う。そして、僕の腕を取って裏口の戸を開ける。入るのをためらっている僕の腕をさらにつよく引っ張り、Y美たちの前に僕を連れてゆく。
勃起させたおちんちんを両手で隠していたが、おば様に手の甲を叩かれた。食卓の雪ちゃんが目を丸くして、隣りのY美に教えた。
「あきれたね。チャコって変態なんじゃない。素っ裸でおちんちん勃起させたまま、女の子がご飯食べているところに来るなんて、普通じゃ考えられないよね」
おば様に勃起したおちんちんの皮を最後まで剥かれていた。手で触れない限りはこのようにきれいに剥けないので、Y美は、僕が自分自身の手で大きくさせたと思っているようだった。Y美は箸を置いて食卓から離れると、縄を持ってきて、雪ちゃんに目配せした。雪ちゃんも立ち上がり、僕に近づいてくる。
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リードを引く雪ちゃんは、数歩ごとに振り返り、僕がきちんと四つんばいで歩いているか、確認するのだった。
外に出る前に庭を三周も今の姿勢で歩かされていたので、両腕が痛くなっていた。かてて加えて、いつ人が通るか分らない不安があった。僕は叱られるのを承知で止まり、膝をついてお尻を下ろした。そして、後ろのY美に首を回した。
「もう家に戻ってください。警察沙汰になってしまいます」
「誰も警察なんか呼ばないよ。そんなことしたら引越しする羽目になるもの。心配しなくていいの」
Y美が面倒くさそうに顔をしかめた。雪ちゃんがリードを力いっぱい引き、僕は引きずられるように前へ進まされる。雪ちゃんに「ちょっと待ってください」とお願いして、もう一度、Y美を振り向いた。Y美は雪ちゃんとの会話をまた中断されたことで、眉を寄せて、不機嫌な表情をした。
「腕が痛くて、もう歩けないんです。許してください」
頭を地面になすりつけて哀願すると、Y美が髪の毛を掴んで僕の顔を上げさせ、怒りのこもった目つきで睨みつけた。
「甘ったれてるんじゃないよ。私んちにタダで居候させてもらってるくせに。あんたはね、これからみなみ川教信者の老人の家に行くの」
何しに老人の家まで行くのか、理由を訊いてもY美は鼻で笑って教えてくれなかった。とにかく、ここは頭を空っぽにして、四つんばいの歩行を続けるしかなさそうだった。脇の道路を車が何台も通り過ぎた。お尻を高く上げて、犬にように歩行する僕の無様な姿は隠しようがない。けれども、顔までは見られていない。そのことだけを救いとして、僕はこの辱しめに耐えた。
後ろではY美と雪ちゃんが楽しそうに会話していた。雪ちゃんが、おちんちんとおちんちんの袋の揺れ方の違いがおもしろいと言って、笑った。Y美は、おちんちんが小さくて、股の間から垂れているのが見えにくい、と不満を洩らした。
前を行く幸ちゃんは速度を少しも緩めてくれなかった。背中から噴き出た汗が肩から滴り落ちる。体重を支える両腕が痛くてたまらなくなった。雪ちゃんに少し休憩させてほしいとお願いすると、
「休んでもいいけど、通行人に見られるだけだよ」
と、Y美が代わりに答えた。農作業帰りのおじさんとおばさんの集団が後ろから来て、Y美と雪ちゃんが道を譲った。僕は、隣りの桑畑に入って隠れようとしたが、リードを握った幸ちゃんに抑えられて、その場に座り込むしかなかった。両手でおちんちんを隠し、顔を伏せたまま、じっと動かずにいる。おじさんとおばさんの集団は、お喋りに夢中だったが、全裸の僕の姿を見ると、急に押し黙り、足早に通り過ぎるのだった。おばさんたちが大笑いしながら振り返った。
あと少しだよ、という幸ちゃんの言葉に励まされ、恥ずかしい歩行を再開した。これまでにもみなみ川教信者の老人の家には、全裸のまま行かされたことがあったが、夜だったし、普通の二本足歩行だった。今回のように四つんばいで膝を上げた状態で向かうのは初めてで、何よりも体力を消耗するこの歩き方では、100mに満たない距離がうんと遠く感じられるのだった。
「ごめんください」
門の外からY美が呼びかけると、ごま塩頭の老人と紫の着物のお婆さんが出て来て、中へ入るように勧めた。みなみ川教信者の老人家は、木造二階建ての古い建物で、広い庭には池があり、奥には小さな林があった。
建物の近くにクヌギの大木があり、その木の下まで幸ちゃんに引かれて四つんばいのまま歩行していると、紫の着物のお婆さんが興味しんしんの眼差しで僕を見つめる。
「この子は、なんで裸なの。なんで犬みたいに首輪をつけてるの」
「チャコ兄ちゃんは、ずっと裸だよ。服は取り上げられちゃったんだって。犬の首輪は、Y美さんに付けられたの。犬みたいに散歩させるために。かわいいでしょ」
はきはきと答える幸ちゃんに、お婆さんは満足そうに何度も頷く。クヌギの大木の下まで来ると、雪ちゃはリードをY美に返した。Y美は受け取ったリードの先端を投げて、木の枝に引っ掛けた。
「うまい。いいぞ」
ごま塩頭の老人が草履を脱ぐと、するすると木に登って、枝にリードをしっかり結わえ付けるのだった。僕はぐいぐいと上方に引っ張られる首輪が首を圧迫して苦しく、首輪と首の間に指を入れたまま、爪先立ちを強いられた。丸出しになったおちんちんを見て、紫の着物のお婆さんが着物の裾で口を覆い、上品に笑った。僕は全身が熱くなるのを感じた。顎の下を締め付ける首輪がそっと指を抜くと、その手でおちんちんを隠した。
これから何をされるのか、まるで見当がつかない僕は、不安のあまり膝が震えるのを抑えられなかった。Y美がびくびくしている僕の表情を見て、にやりと笑うと、ごま塩頭の老人に向かって、ヘルパーのIさんは何時頃戻ってくる予定なのか、訪ねた。あともう少しで戻るはずだと聞いたY美は、クマの絵柄の腕時計を見て、溜め息をついた。
「ぼけっと待ってても仕方ないし、せっかくだから雪ちゃん、練習してみない?」
紫の着物のお婆さんと話をしていた雪ちゃんが、Y美に呼びかけられて、元気な声を上げて前へ出て来た。
Y美とごま塩頭の老人のやり取りから、彼らが強制的に射精させることを企んでいると知った僕は、Y美に考え直すように訴えた。しかし、もちろんY美は聞く耳なんか、持たない。僕のおちんちんを隠している手を後ろに回すと、僕の頭の後ろで両手首を縛るよう、ごま塩頭の老人に頼むのだった。
お安い御用とばかり、ごま塩頭の老人はどこからか麻縄を取り出すと、僕の手首を二つ重ねて、手早く頭の後ろで縛ってしまった。大きな声で思わず助けを求めた僕は、Y美に頬を左右交互に何発も叩かれたが、僕がなおも叫び続けるので、雪ちゃが紫の着物のお婆さんから渡された新聞紙を丸めて僕の口の中に無理矢理入れると、Y美が白い手拭で猿轡をかませた。
犬の首輪につないだリードを木の枝に括り付けられた僕は、膝を曲げることができない不自由な姿勢で、丸裸を晒していた。頭の後ろで縛られた両手を外そうと身悶えしていると、雪ちゃんがおちんちんを手を伸ばしてきた。
「まだ射精させないでね。大きくさせるだけ。今日は信者の皆さんに若い男のエキスを提供してよい日なのかどうか、ヘルパーのIさんに確認しないと分らないから、チャコがいきそうになったら、すぐ停めてね」
中腰でおちんちんを弄び始めた雪ちゃんは、Y美の忠告に小さく頷いた。柔らかい指が輪を作っておちんちんを擦る。
「多分今日は、エキスをもらってもよい日だと思ったけどのお」
ごま塩頭の老人がすっかり暗くなった東の空を仰ぎながら暢気そうに言うと、紫の着物のお婆さんが「それもそうね」と、応じた。
「なんといっても、こんなに若い男の子の精液は、貴重ですからね。私たちもいっぱいいっぱい幸せになれる」
猿轡のせいでムームーとしか声を上げられない僕は、おちんちんの袋からせり上がって来る快楽の波に体を揺すって抵抗した。限界まで大きくなったおちんちんは半分皮が剥けて、ピンク色に上気した亀頭を露出していた。
「ね、幸ちゃん。分ったかな。勃起するってこんな感じなの」
摩擦運動をいったん停止した雪ちゃんが中腰だった姿勢を伸ばして、後ろの幸ちゃんに話し掛けた。幸ちゃんは紫の着物のお婆さんの後ろから顔を出していたが、近づいて、僕の無理矢理勃起させられたおちんちんを食い入るように見つめるのだった。
「ついでに硬さもチャックね。チャコは短小で、勃起しても大して大きくないけど、一応、硬くはなってるんだよね、これが」
指でおちんちんを上からぺんぺん叩きながら、Y美が補足すると、幸ちゃんは小学四年生らしい素直な好奇心を働かせて、Y美の真似をして指で叩いた。
「では、きれいに剥き剥きしましょうね」
Y美が勃起して半分剥けたおちんちんの皮を根元の方へ引っ張る。僕は猿轡の間からムームーという言葉にならない声を上げて、腰を引く。と、雪ちゃんにお尻をぴしゃりと叩かれるのだった。お婆さんが「がんばりなさい」と僕に声援を送った。Y美が亀頭の縁の部分を指でさっとなぞり、指先に付いた白い垢を雪ちゃんと幸ちゃんに見せた。
「これが恥垢。包茎の人って、これが溜まりやすいんだって」
やだ汚い、と幸ちゃんが顔を背ける。僕が顔を真っ赤に染めて俯いているその時、お腹が鳴った。朝食しか食べていない僕は、空腹を覚えてだいぶ経っていた。Y美と幸ちゃんが顔を見合わせて笑う。
「そうか。チャコ、そんなお腹が空いてるんなら、これ食べなよ」
猿轡をめくって、Y美が恥垢の付いた指先を僕の口の中に入れた。あまりにも酷い仕打ちに僕は首を左右に揺すって抵抗したが、Y美にがっしり頬を押さえつけられてしまった。きれいになめないと承知しないと言われ、僕は目に涙を滲ませながら、舌を使ってY美の指を吸った。
目をつむり、味を感じないように夢中で吸って恥垢を飲み込んでいるうちに、おちんちんが萎えてきた。幸ちゃんは、Y美と雪ちゃんに唆されて、おちんちんに触った。Y美のアドバイスに従って、揉んだり擦ったりする。たどたどしい指使いに僕のおちんちんは、たちまち大きくなった。
ごま塩頭の老人と紫の着物のお婆さんが、高さ1mくらいの木箱を運んで来た。ごま塩頭の老人とY美、雪ちゃんの三人で僕を木箱の上に載せてしまった。木箱の上で膝を屈した状態の僕は、後頭部で手を縛られているものの、犬がちんちんをしているような格好になった。それを見て、Y美たち女の子が手を叩いて喜ぶ。木箱の上だと、それほど腰を屈めなくてもおちんちんをしごけるので、女の子にしてみれば腰の負担が少なく、楽になるのだった。ごま塩頭の老人が身軽にひょいと木の枝に登ると、リードを短く調節した。もし足元の木箱を外されたら、僕は首輪で吊るされてしまう。
まさに犬のちんちん状態でおちんちんをしごかれている僕は、再び襲ってきた快楽のさざなみに身悶えしていた。雪ちゃんが指で作った輪を力まかせに往復運動させるので、猿轡からムームーと声を上げながら、屈辱的な快感に耐えている。亀頭が赤くなってぱんぱんに腫れ上がっているのを見て、Y美が「ちょっとストップ」と、声をかけた。
「あぶないあぶない。もう少しで射精するとこだったじゃん」
少し濡れている亀頭の先を指で拭うと、Y美は微笑を浮かべながら、幸ちゃんに言った。
「まだ幸ちゃんは、精液が飛び出るところ見たことないんだっけ。ちゃんと見せてあげるから、そんなに慌ててしごかないでね」
「分かった。ごめんなさい。つい夢中なってしまって」
しおらしく頭を下げる幸ちゃんに「いいのいいの」とY美が手を振った。続いて、もう一度雪ちゃんがおちんちんをしごき始めた。
「精液が飛び出る寸前まで刺激を加えようよ。飛び出そうになったら、ぱっと手を止める。順番にやるの」
Y美の提案に、ごま塩頭の老人も紫の着物のお婆さんも参加を申し出た。口に挟まれた白い手拭が唾液でびしょびしょに濡れていた。僕は頭の後ろで手を縛られ、隠すことができない裸の体を大きく前に反らして、理不尽な快感に耐えた。爪先立ちの足の位置を変えると、木箱がみしみしと軋んだ。
急激に高まった快感の波に顎を引くと、首輪が喉を圧迫して、思わず咳き込んでしまった。猿轡の中からこもった声が漏れる。雪ちゃんが手を離すと、不意に行き場を失ったようにおちんちんが虚空に二三度頭を振るのだった。亀頭を撫でた雪ちゃんの指が糸を引いていた。
精液が出る寸前で止められる遊びを何回も続けてやられているうちに、僕の体はすっかり火照って、とにかく精液を放出したくてたまらなくなってきた。紫の着物のお婆さんが二度目のしごきをおちんちんに加えている時、ごま塩頭の老人から受け取ったローションを手になすり付けて、おちんちん全体にくまなく塗り付けた。ひやっとした心地よさが下腹部から広がってくる。
その冷たい指のあやしい動きはおちんちんの袋を抜けて、お尻の穴にまで到るのだった。ぬるぬるに濡れた人差し指にお尻の穴をまさぐられた僕は、猿轡の中からムームー叫びながら、金縛りに遭ったように動けなかった。ついに指がすっぽりお尻の穴に入り、入れたり抜いたりする。紫の着物のお婆さんのもう片方の手がおちんちんをしごき始めた。
おちんちんとお尻の穴を同時に責められ、全身汗まみれになって木箱の上で拘束された体をくねらせている僕を、Y美が蔑む目つきでじっと見ていた。精液がぐんぐんおちんちんの中を流れてくるのが感じられる。早くこの精液を外に出してしまわないと、この悶絶から決して解放されない。しかし、いよいよ発射する直前になると、例によって手の動きが止まるのだった。お尻の穴に入れていた指を抜くと、
「そろそろ外してあげようかね」
お婆さんが猿轡をほどいてくれた。口の中から丸めた新聞紙を取り出すと、代わりにお尻の穴に入れていた指を突っ込むのだった。
「よく舐めて、きれいしてちょうだい」
肩を揺すりながら呼吸する僕は、口の中に入ってきた人差し指をお婆さんに言われた通り、丁寧に舐め、吸った。勃起したままなかなか萎えないので、Y美がごま塩頭の老人に頼んで、バケツに水を汲んでもらった。
「こんなもんでいいかな。それにしても、あんたはやることが過激じゃな」
Y美の足元に水を入れたバケツを置いたごま塩頭の老人は、手をはたいて、僕の弄ばれて大きくなったおちんちんを哀れむように見た。
「ありがとう。これで充分」
そう言うが早いか、Y美はいきなりバケツの水をおちんちんに向かってぶちまけるのだった。突然冷たい水をかけられた僕は、ぎゃっと短い悲鳴を上げて、震えた。おちんちんがたちまち萎えた。
「こうでもしないと、勃起が収まらないからね。萎えた状態から大きくするのが私は好きなの。おちんちんを大きくしてくださいってお願いしてごらんよ、チャコ」
猿轡を外してもらったばかりに、Y美から屈辱的な言葉を口にさせられる。無視してしばらく黙っていると、Y美がおちんちんの袋をぎゅっと掴んだ。言われた通りにしないと握り潰すそうだ。少しずつ握力が加えられる。僕は許しを乞い、おちんちんの袋から手を離すように哀訴した。
「どうぞ僕のおちんちんを大きくしてください」
「幸ちゃん、今の聞こえた?」
Y美が幸ちゃんに尋ねると、幸ちゃんは首を横に振った。Y美がさらに握力を加えて、おちんちんの袋を握る。僕は痛みに呻き声を上げながら、お腹から大きな声を張り上げた。
「いい子だね。チャコ。それでいいんだよ」
僕の濡れた乳首や首筋、背中などを愛撫しながら、Y美が優しい声で誉めてくれる。甘い電流のようなものが体を貫いた。僕の乳首を撫でながら、Y美は雪ちゃんと幸ちゃんに向かって、おちんちんだけでなく、体のあらゆる部位を撫でて、性感帯を発達させてあげることが大切だと説いた。そして、二人を呼び寄せ、首筋や耳、乳首、お尻を撫でさせた。
「チャコ、良かったじゃん。女の子たちの研究材料になった甲斐があるね」
気持ちいいか、と問われ思わず頷いた僕に、Y美がおちんちんをしごきながら、そう言うのだった。もはや何も考えられなかった。幸ちゃんが乳首を乱暴につねるのだが、それさえ快楽の波にかぶさって、痛みを忘れさせる。
ほどなく快楽が頂点に達しようとした。それをおちんちんの張り具合から目ざとく察したY美が、ぱっとおちんちんから手を離す。それと同時に、姉妹も僕の裸から手を引くのだった。頭が朦朧としてうまく働かない。このまま寸止めを繰り返されたら、僕は一切の思考能力を奪われ、ほんとの動物になってしまうような気がした。
「お願いです。もう許してください」
「何を許してほしいのよ」
木箱の上にしゃがんで、勃起したおちんちんをひくひく震わせている素っ裸の僕を、Y美が汚らわしい獣か何かを見るような嫌悪感のこもった目で睨んでいた。
「もう、いかせてください。このままじゃ変になってしまいます」
「いきたいの? へえ、そんなにいきたいんだ」
極限まで大きくさせられたまま見捨てられたおちんちんを、指で上から軽く叩きながら、Y美が大袈裟に驚いてみせる。と、ごま塩頭の老人が門の方に体を伸ばして、「うむ。帰ってきたようじゃ」と言った。
「ほら、Iさんだって。やっと精液が出せるじゃない。良かったね」
紫の着物のお婆さんに誘われて、水色のワンピースを着て白いソフト帽を被ったヘルパーのIさんがこちらに来た。全裸で首輪を着け、木箱の上に載せられたまま、おちんちんを大きく膨らませている僕を見て、Iさんは怪訝な表情をした。
「Y美さんから有り難い申し出があっての。良かったら、この子の精液を信者のみんなに提供したいそうじゃ。構わないかの」
ごま塩頭の老人がそう訊ねると、Iさんは真っ青な顔になった。
「まさか、もう精液出しちゃったんじゃないの?」
「いや、まだ出してない。あんたが帰ってくるまで待ってたんじゃ」
「まだ出してないのね? ほんとね? 良かった。絶対出したら駄目。今日は忌み日なのよ。精液を出すことは、一切禁止」
「そうか。忘れてたわ。今日は忌み日よ」
精液を出さないことになったにもかかわらず、Y美は指によるしごきをやめない。精液がぐんぐん昇って来る。歯を食いしばって我慢する。忌み日に精液を放出してしまったら、信者に半殺しにされそうな気がして、必至に堪える。猿轡の中から懸命に声を上げて、いきそうになってることを告げる。と、Y美がぱっと手を離して立ち上がるのだった。
なんとか精液を内に留めた僕は、首輪でつながれ、手を縛られた不自由な体のまま、ぐったりしていた。紫の着物のお婆さんが自分の額を手でぱちんと打つ。ごま塩頭の老人もうんうんと頷いて、今まで思い出せなかった不覚を恥じているようだった。木に登り、枝に結ばれたリードをほどいている最中も「忌み日だったわ」と、呟いていた。
さんざんおちんちんを弄ばれなから、一滴の精液も出すことは許されなかった。木箱から下ろされた僕は、再びバケツ一杯の水を頭から浴びせられた。「体の中で発生した情欲の火を消すにはこうするしかないのだ」と、ごま塩頭の老人が全身水びたしで震えている僕を一喝した。おちんちんがすっかり柔らかくなったのをY美と雪ちゃん幸ちゃんが交互に手で確認すると、僕たちは、みなみ川教信者の老人の家を後にした。
すっかり夜の暗さに覆われた道を、来た時と同じように、膝を上げた四つんばいの格好で戻る。リードを引くのは、やはり幸ちゃんだった。途中、会社帰りのサラリーマンとすれ違ったが、本物の犬を散歩させていると思っていたらしく、それが人間の男の子だと分かった時は、ぎょっとしたようだった。サラリーマンは立ち止まり、しげしげと見てから無言で歩み去った。
体重を支える両腕が疲労で踏ん張れなくなった。ずんずんリードを引く幸ちゃんにもう少しゆっくり歩いてほしいと頼んだが、聞き入れてくれない。後ろからY美が、「しっかり歩きなよ。だらしないなあ。あと少しだよ」と叱咤し、僕の高々と上げているお尻を蹴っ飛ばした。雪ちゃんが「あ、流れ星」と小さく叫んだ。その声に反応して僕も夜空を見上げたが、星一つ見出せなかった。
家の門を潜った時、玄関に灯りが点っていて、ガラス戸に人影が見えた。おば様だ。おば様が戸を開けて、出迎えに来てくれた。
「遅いじゃない。心配したのよ」
「お母さん、ごめん。チャコを連れてちょっと散歩してたの。老人の家まで」
四つんばいで膝を伸ばし、お尻を高く上げて歩行させられて来た僕は、おば様が近づいてくると、その場に座り込んでおちんちんを両手で隠した。おば様は僕の顔を覗き込み、頬を軽く叩くと、雪ちゃんと幸ちゃんに早く家に上がるように言った。
「お腹空いたでしょ。焼肉用意したからね。いっぱい食べてね」
Y美とF田さん姉妹が玄関に入ると、僕はおば様にリードを引かれて、庭に回った。ガラス戸越しに、Y美たちが洗った手をハンカチで拭いているのが見えた。僕は、両手をまっすぐ伸ばした直立不動の姿勢で、おば様が首輪を外すのをじっと待っている。ベルトが固くて難儀するおば様の顔と僕の顔がくっつきそうになった。おば様の首の辺りから香水のよい匂いがした。
背の低い僕のために腰をうんと屈めねばならないおば様は、やや大きめの半袖のシャツを着ていた。僕がちょっとだけ目を下に動かすと、おば様の胸の谷間が見えるのだった。おば様が首輪のベルトを引っ張るたびに見覚えのある黒いレースの下着が揺れる。
くすぶっていた性的欲望の火が再び燃え上がるのを感じた。おば様の年齢について以前訊ねたことがあった。おば様は、女の年齢を興味本位で尋ねる僕をたしなめ、モーツァルトが死んだ歳だと答えてくれた。後日調べたら、モーツァルトは35歳で死んだのだった。35歳の色香をムンムンと漂わす顔が僕の顔のすぐ近くにある。
「キスしてください。おば様」
口では絶対に出せない言葉を心の中で叫んでいた。ようやく首輪を外すことに成功したおば様は、裏口まで僕を連れてくると、雑巾を渡した。
「一日中、素っ裸のまま外をほっつき歩いてたんでしょ」
裏口の段に腰かけておば様が僕の汚れた体を拭いてくれた。戸口から肉を焼く匂いがして、昼食も食べていない僕のお腹は空腹のあまりぐうぐう鳴り通しだった。おば様は、僕を四つんばいにして背中からお尻にかけて雑巾で荒々しく擦った。それから僕を立たせると、胸から首にかけて雑巾を走らせた。最後の仕上げとして足の裏をきれいにする。
「人の手垢がいっぱいついたおちんちんをよく拭いとこうね」
おちんちんを雑巾ではさんで、おば様が言う。ごしごし擦られて、おちんちんが大きくなってしまった。それを見て、おば様が笑う。そして、僕の腕を取って裏口の戸を開ける。入るのをためらっている僕の腕をさらにつよく引っ張り、Y美たちの前に僕を連れてゆく。
勃起させたおちんちんを両手で隠していたが、おば様に手の甲を叩かれた。食卓の雪ちゃんが目を丸くして、隣りのY美に教えた。
「あきれたね。チャコって変態なんじゃない。素っ裸でおちんちん勃起させたまま、女の子がご飯食べているところに来るなんて、普通じゃ考えられないよね」
おば様に勃起したおちんちんの皮を最後まで剥かれていた。手で触れない限りはこのようにきれいに剥けないので、Y美は、僕が自分自身の手で大きくさせたと思っているようだった。Y美は箸を置いて食卓から離れると、縄を持ってきて、雪ちゃんに目配せした。雪ちゃんも立ち上がり、僕に近づいてくる。
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次回はもっとハードなのを期待しています。無理せず頑張って下さい。
以前はパンツ一枚でいる決まりでしたけど
今度から全裸に首輪だけというルールになったら
素敵です。
返事が遅くなりまして失礼しました。
「ゆっくりねちねち」がモットーですので、気長にお付合いいただければ幸いでございます。