奈良散策 第122弾
6月10日は午前中に家族とカブトエビを見に行き、夕方にこんどは一人で田んぼとその周辺の散歩をしました。
田んぼには上の写真のようなカイエビやカブトエビがいます。これをこれまではコンデジで撮っていたのですが、離れて撮るとどうしてもこんな写真が限界になってしまいます。特に、小さなカイエビを何とか接写で撮れないかと思って試してみました。接写はいつもNIKON D7100にAF-S Micro NIKKOR 85mmというマクロレンズを取り付けて撮っています。これで等倍まで撮ることができます。接写の場合、倍率が高くなると必然的に被写界深度が浅くなり、被写体の一部にしかピントが合いません。それで、絞りをできるだけ絞って被写界深度を深くする必要があります。この辺りの関係についてはだいぶ前に調べたことがあります(詳しくは、1,2,3、4を参照してください)。要は、絞りを絞るほど幾何光学で期待できるように被写界深度は増していくのですが、あまり絞りすぎると、絞りによる回折効果により写真のシャープさが無くなります。そこで、適当な絞り値にすることが重要なのですが、私はF11という値を使っています。でも、絞りをこんな値にすると昼間でも暗くなり、シャッター速度を相当に遅くしないと撮れなくなります。そうなると、カメラや被写体が動いて、まったくうまく撮れません。そこで、昼間でもストロボをたいて撮ることになります。この場合でもストロボの光っている時間は結構長いので(詳細は1,2参照)、シャッター速度は速ければ速いほど良いのですが、ストロボをたいた時のD7100の最短シャッター速度は1/250秒なので、いつもこの値を使っています。
さて、田んぼの水に向かってストロボをたいて撮ると、水面が光ってこんな雰囲気になり、とても使い物になりません。
ストロボをたくと、どうしても影ができるので、通常は「影とり」と呼ばれるストロボディフューザーを取りつけているのですが、それを取りつけると、こんな風に全面が光って全くダメでした。
それでは、ストロボをたかなければ、やはり光量不足となり、シャッター速度を遅くするしかありません。
そこで、ストロボをたいて、なおかつ、斜めから撮り、水面からの反射光がカメラに入らないようにしました。これでうまくいきました。これからこんな風に撮ろうと思います。
田んぼの水に向かってカメラのテストしているときに、偶然、こんなハエが撮れました。翅脈からはよく分からないので、ネットで調べると、「ムシをデザインしたのはダレ?」というサイトと「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に似た種が載っていました。どうやらミギワバエ科のBrachydeutera属までは確かそうです。「日本昆虫目録第8巻」によると、日本産Brachydeutera属にはibari(ニノミヤトビクチミギワバエ)とlongipes(カサネトビクチミギワバエ)の2種が記録されています。そして、前者も後者も奈良県では記録されているようです。記載論文を探したのですが、残念ながらネットではダウンロードできませんでした。というので、今日はここまででした。
田んぼには変わった虫が結構いっぱいいるのですが、この写真のような虫もたくさんいます。「日本産水生昆虫第二版」を見ると、カタビロアメンボ科ケシカタビロアメンボ亜科であることは確かそうです。さらに、背面の模様から、Microvelia属に似ている感じです。これもここまで。
この貝はなんだか分かりません。手前の赤茶色のものはカイエビではないかと思います。
接写を用いると、カイエビもばっちり撮れるようになりました。2匹が結合している様子が何となく分かるようになりました。
最後は、文一の「ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシ ハンドブック」を見て探しました。ちょっと点刻が気になるのですが、全体の形からガムシ科マメガムシではないかと思いました。この後、周辺の散歩にも行ったのですが、それは次回に回します。
私は試したことがありませんが、偏光フィルターを使ったらどうなんでしょう?
たぶん、偏光フィルターは光が斜めに入射してこちらに向かって正反射する光の時に有効だと思います。ストロボのようにこちらから光を出す場合は逆反射になり、おそらくうまくいかないのでは・・・。偏光フィルターは手元にあるので、一度、試してみます。
田んぼの水面が畦道よりだいぶ低いので、膝をついてほとんど覗き込むようにして撮っています。それで、たいてい、ズボンの膝はびちゃびちゃ、なおかつ腰が痛くなります。でも、いろいろな虫がいるので面白いです。