志情(しなさき)の海へ

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オリバー・ストーン監督、沖縄を語る 「米国に真の変化が生まれれば…」

2016-05-18 18:31:32 | アジアの過去・現在・未来

東アジア共同体研究所(EACI) News Weeky Vol.070 「青い眼が見た大琉球」】

東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute/EACI) puberr.backend.sys.combz.jp 経由

5月16日 (2 日前)
 
 
 
 
 
 
 
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    EACI News Weekly 第70号(5月13日号)
   東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
    http://eaci.or.jp/

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 【目次】

 【1】《今週のニュース 5/7-5/13》
  政治(3)、経済(2)、国際(3)、社会(3)

 【2】《UIチャンネル放送予告 No.151》
 鳩山友紀夫×高野孟×金平茂紀(テレビ報道記者・キャスター)LIVE鼎談
 「沖縄に伝えたい事」
  http://live.nicovideo.jp/gate/lv262651277

 【3‐1】《EACIレポート》
  「KADENAぐるぐるマーチ」 鳩山元首相も参加

 【3‐2】《EACIレポート》
  2016.5.24緊急シンポジウム
 「辺野古新基地建設と沖縄の自治‐辺野古が問う日本の地方自治のあり方」

 【4】《研究員コラム》
 緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「青い眼が見た大琉球」

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【1】《今週のニュース 5/7-5/13》
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【政治】
■衆院憲法審、今国会開かず=参院選への影響回避か-自民
 (時事通信 2016.5.13)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016051300383&g=pol

■空調維持費「病院など補助対象外」防衛相、公平性を強調
 (沖縄タイムス社 2016.5.13)
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=167953

■「安保条約読み直せ」 石破氏“トランプに嫌み”で恥さらし
 (日刊ゲンダイ 2016.5.9)
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=167953


【経済】
■ 「アベノミクス進化」か「争点つぶし」か-安倍政権、弱者にシフト
 (ブルームバーグ 2016.5.13)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-12/O70K756S972D01

■ 3次元の枠組みどう使って物価2%早期実現するか検討=日銀総裁
 (ロイター 2016.5.13)
http://jp.reuters.com/article/boj-2percent-idJPKCN0Y40B1

【国際】
■トランプ氏、クリントン氏と支持拮抗 米世論調査
 (朝日新聞 2016.5.12)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5D3F2CJ5DUHBI011.html

■オリバー・ストーン監督、沖縄を語る 「米国に真の変化が生まれれば…」
 (沖縄タイムス 2016.5.9)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=167238

■金正恩氏、党委員長に就任 「東方の核大国」と自賛
 (東京新聞 2016.5.9)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016050901001337.html

【社会】
■基地跡地の汚染土壌たらい回しの背景は?
 (琉球新報 2016.5.9)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-275357.html

■米でハリアー墜落 同型機、頻繁に県内飛来
 (琉球新報 2016.5.8)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-274794.html

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 【2】《UIチャンネル放送予告 No.151》
 鳩山友紀夫×高野孟×金平茂紀(テレビ報道記者・キャスター)LIVE鼎談
「沖縄に伝えたい事」
 http://live.nicovideo.jp/gate/lv262651277
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 第151回UIチャンネル放送は、TBS報道特集でお馴染みの金平茂紀氏をお招きして、鳩山友紀夫×高野孟×金平茂紀鼎談「沖縄に伝えたい事」を生放送でお送り致します。
 ジャーナリストとして長年にわたり、特に弱者視点で報道発信を続ける金平氏は沖縄に対する思い入れも深い。取材を通して知り得た情報からは、『なぜなんだ』、『沖縄の方々はそのことを知っているのだろうか』ともどかしさも感じ続けている。そのもどかしさの思いの一端は、長年にわたる沖縄タイム紙の連載評論記事『沖縄ワジワジー通信』からもうかがうことができる。
 戦後処理、日本復帰、そして米軍基地を抱える沖縄が直面する課題に、金平氏は言う。
『真実は隠されている場合も多い。敢えてそれを伝えるのもジャーナリストの役割です。』

番組内では質問を受け付けておりますので、コメント欄またはinfo@eaci.or.jpまでお寄せ下さい。
 http://live.nicovideo.jp/gate/lv262651277

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 【3‐1】《EACIレポート》
  「KADENAぐるぐるマーチ」 鳩山元首相も参加
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■平和願い、歌い奏でて楽しく行進 KADENAぐるぐるマーチ 鳩山元首相も参加
 (琉球新報 2016.5.8)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-274887.html

 【嘉手納】音楽を奏で歌い、平和を願いながら嘉手納基地周辺を行進する「KADENAぐるぐるマーチ」(同実行委員会主催)が8日午前、初めて開催された。参加者は太鼓や三線の音色とともに歌いながら練り歩いた。鳩山由紀夫元首相が参加したほか、子どもから戦前を知る70代まで幅広い世代の約50人が風船を手に道の駅かでなから沖縄防衛局前まで歩いた。今回は「母の日スペシャル」と題して、生まれた命に感謝しながら平和を訴えた…(続きは以下より))

■平和願い、歌い奏でて楽しく行進 KADENAぐるぐるマーチ
 http://ryukyushimpo.jp/news/entry-274887.html

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 【3‐2】《EACIレポート》
  2016.5.24緊急シンポジウム
「辺野古新基地建設と沖縄の自治‐辺野古が問う日本の地方自治のあり方」
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2016年5月24日(火)16時半より衆議院第一議員会館地下1F大会議室にて、緊急シンポジウム「辺野古新基地建設と沖縄の自治‐辺野古が問う日本の地方自治のあり方」(主催:辺野古訴訟支援研究会、共催:沖縄等米軍基地問題議員懇談会)が開催されます。

以下、同シンポジウムパンフレットより抜粋

地方自治は、私たち国民の基本的人権の保障や日常の生活、さらには、この国(国家)のあり方にも深く関わってきます。この間の「地方分権改革」は、この点を意識しながら、機関委任事務制度を廃止し、国と地方自治体の対等・協力関係を築くために、国の関与に関わる法の仕組みを地方自治法で明記したり、そのほかさまざまな法制度を整備したりしてきました。しかし、辺野古新基地建設をめぐる沖縄県と政府との法的な争いを見ると、なぜ、政府は、沖縄の民意(住民自治)を無視してまで、沖縄県知事の権限である埋立承認取消に関与できるのか、憲法や地方自治法等の諸法律は、それを許しているのか、埋立承認取消や国の関与等との関係で訴訟取下げの和解はどのような意味を持っているのか、多くの疑問がわいてき
 ます。
辺野古から問われているこれらの疑問は、沖縄に限定されない普遍的な意義をもったものです。このような重要な疑問にどのように答えるべきか、皆さんと一緒に考え、議論し、辺野古新基地建設問題の本質を深く理解する機会といたします。

登壇者:竹下 勇夫氏(沖縄県辺野古裁判等弁護団代表)
    武田 真一郎氏(成蹊大学教授)
    岡田 正則氏(早稲田大学教授)

日時 2016年5月24日(火)

時間 16:30~19:30

場所 衆議院第一議員会館地下1F「大会議室」

主催 辺野古訴訟支援研究会(代表:名古屋大学教授 細野健二

共催 沖縄等米軍基地問題議員懇談会(代表:衆議院議員 近藤昭一)

問合せ 専修大学行政法研究室:henokoshien@gmail.com
        衆議院議員近藤昭一事務所:h01953@shugiin.go.jp
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【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「青い眼が見た大琉球」
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平和で美しい楽園?
かつての琉球を絵や写真であらわした画集がある。青い眼が見た「大琉球」(ニライ社―編著 ラブ・オーシュリ/上原正稔 監修 照屋善彦)原題はGREAT LEWCHEW DISCOVERED  19th Century Ryukyu in Western Art and Illustration.
「この本は地球上にたしかに存在した“守礼の邦”の画集であり、“大琉球”の賛歌である。(略)『大琉球の人々は武器を持たない』というバジル・ホールの話に、ナポレオン・ボナパルトが何よりも仰天したように、この本を開いた読者は平和で美しい楽園の姿に驚嘆するに違いない。」

このプロローグで思い出すのは、「逝きし世の面影」(葦書房、のちに平凡社ライブラリー 渡辺京二著)に記された次のような文章である。
「日本近代が現代の文明の滅亡の上にうち立てられたのだという事実を鋭く自覚していたのは、むしろ同時代の異邦人たちである。」
「チェンバレンによれば、欧米人にとって『古い日本は妖精の住む小さくてかわいらしい不思議の国であった』」
「19世紀中葉、日本の地を初めて踏んだ欧米人が最初に抱いたのは、他の点はどうあろうと、この国民はたしかに満足しており幸福であるという印象だった。」

渡辺は「日本近代を主人公とする長い物語の発端に立っている。物語はまず、ひとつの文明の滅亡から始まる」と冒頭に記している。
私が始めようとしているのは琉球を訪れた異邦人たちの報告を読み、彼らの感じた琉球の印象と送り出した先の意図を探ることにある。
ペリー以前とペリー以降という大事な分け方については山口栄鉄氏の著書から学んだ。乱暴な言い方をすれば、ペリー以前、バジル・ホールの航海記は紳士的(英国の狡猾さは余り見えない)、ペリーは乱暴者(砲艦外交)。沖縄にいると、ペリーのやり方が今でもまかり通っている、と感じる。(これは繰り返しふれることになるだろう)

青い眼の琉球に対する見方は一様ではない。

例えばー
琉球とはアジアの強大かつ広大な帝国を成す島々の名前である。その国民は文明開化され、アジアに広がる他の野蛮国と混同してはならない。―
『アメリカン・エンサイクロペディア』初版(1793年)
『エンサイクロペディア・ブリタニカ』第3版(1797年)―青い眼が見た「大琉球」より。
エジンバラ・レビュー(1818年)は、(おそらく出版直後の)バジル・ホール訪琉記を次のように評している。
「かの道の国々において、マックスウェル艦長、あるいはホール館長のような良識ある人物によって英国が代表されたことをわれわれは、こよなく誇りに思う。そして、かの大琉球島の人々が、わが英国そしてヨーロッパを判断するに、これらの人物、そしてその一行をもってすることを希望してやまない。もともと好戦的で荒っぽい海の男たち、女気のない社会にあって、家庭的な温かさ優しさといったものにはほど遠い男たちが、こうして温かい人間性、同胞の感に触れ、荒々しい感情を忘れて、善意に満ちた交感をこれらの島民との間に果たしている有様ほど、われわれの目を見張らさせるものはない。」
(「英人バジル・ホールと大琉球 来琉二百周年を記念して」山口栄鉄著・不二出版より)

大地獄の世界?
かと思えば、同じエジンバラ・レビュ―の13年後の評―
「琉球人は隙あらば盗みをする。その手口も鮮やかなものだ。強者に対しては、ずるさと悪知恵を武器にする。異国の来訪者に甘言をあやつり、賄賂を贈る。嘘八百を並べてとりつくろう。」―『エジンバラ・レビュー誌』〈1831年〉
とさんざんな悪口を投げかけている。タイトルは「琉球は大地獄の世界だ!」
この文の後に「この舌先三寸の偽善がバジル・ホールに対してまんまと効を奏したので」と続いている。1816年にアマースト使節団とともに訪れたバジル・ホール(英語読みではベイジル・ホール)の「朝鮮・琉球航海記」は、2年後に出版された。数年のうちにオランダ、フランス、ドイツ、イタリア語に訳された。1826年には第3版が出され、そこにはセントヘレナ島でのナポレオン会見記が記されている。(この本は後ほど詳しく紹介する)
エジンバラといえばホールの故郷・スコットランドの首都。航海中に彼はイギリス学士院の会員に選出され、帰国後はベストセラー作家!
エジンバラ・レビューの批評家は、坊主憎けりゃ袈裟まで憎し、という心境ではなかったか。ホール個人、そして航海記で称賛された琉球にここまで悪罵を浴びせるとは。
「(琉球は)大地獄でなければ小地獄だ。天使の姿を借りた悪魔が猫なで声でバジル・ホールに囁いたのだ。」
批評家はホールを「愚か者」、琉球人を「天使の姿を借りた悪魔」と評している。ちなみに彼は琉球に足を踏み入れたことがない。
エジンバラ・レビューはロマン派詩人を罵倒したことで有名らしい。だからホールに対しても東洋の小国に住む「悪魔」を持ち上げる「愚か者」、と断じたのだろう。

琉球滞在記を読み解く
私の手元にある「航海記」「漂着記」を琉球到着順に並べてみる。もちろんこれより古いものも詳しい研究書もあるが、参考書をふくめて10冊を超えるので、とりあえずこれらの本から読んでみることにした。時期はほとんど19世紀に集中している。
(ジョージ・H・カーの「沖縄―島人の歴史」(山口栄鉄訳)には1797年に宮古沖で暗礁に乗り上げたイギリスのプロビデンス号のことが記されている)

1-朝鮮・琉球航海記 ベイジル・ホール 岩波文庫  (来琉は1816年)イギリス
2―幕末日本交流記 フォルカード 中公文庫     (来琉は1844年)フランス
  フォルカード神父の琉球日記
3-琉球と琉球の人々 ジョージ・スミス 沖縄タイムス社(来琉は1850年)イギリス
4-石垣島唐人墓の研究 田島信洋(*1) 郁朋社    (来琉は1852年)アメリカ
  (ニューヨーク船籍のロバートバウン号が中国人苦力を乗せて石垣島に「漂着」)
5-ペリー艦隊大航海記 大江志乃夫(*2)朝日文庫   (来琉は1853年)アメリカ
6-ゴンチャローフ日本航海記      講談社学術文庫(来琉は1854年)ロシア
7-ドイツ商船R,J.ロベルトソン号 宮古島漂着記(*3)
エドワルド・ヘルンツハイム  上野村役場   (来琉は1873年)ドイツ
8-琉球の島々  C・レブンウォース  沖縄タイムス社 (来琉は1905年)アメリカ
*1-福建省アモイからサンフランシスコへ向かう途中、苦力が反乱を起こし、船長以下6人を殺し、300人以上が石垣島に上陸する。のちにアメリカ領事館から依頼されたイギリス軍艦がやってきて島内を捜索し、多数の苦力を射殺。ペリー来琉の1年前。国際的大事件なのだがあまり知られていない。著者の前著「石垣島唐人墓事件」(同時代社)を以前読んだが、再び参照する必要がありそうだ。
石垣島の唐人墓は中華民国(台湾)からの寄贈で建てられた。隣にはサーターヤ(砂糖屋=砂糖キビ工場&土産物屋)があり観光地となっている。
*2-ペルリ提督日本遠征記(岩波文庫4冊)があるのだが、大江の本から始める。
*3―宮古島訪問を目的としたものではなく、難破して一カ月過ごしただけに過ぎない。が、その後ドイツ皇帝から島民へ感謝の記念品が贈られ、現地の上野村には「博愛記念碑」が建てられた。現在では上野村ドイツ文化村まで作られている。ほかの「航海記」とは性格が違うがリストに入れた。
H・J・クリフォードはバジル・ホールと同じ船で1816年に来琉している。アイルランド出身の英国人。「クリフォード来琉日記」(浜川仁訳・不二出版)を残しているので、取り寄せてみる。
このほか1893年に来琉した笹森儀助の「南嶋探検」を加えた方が良いかもしれない。これは「新南嶋探検―笹森儀助と沖縄百年」(琉球新報社)を参考にする。
冒頭で記した「青い眼が見た大琉球」と「バジル・ホールと大琉球―来琉二百周年を記念して」(山口栄鉄著)を導きとし、同時代の出来事については「高等学校 琉球・沖縄史」(新城俊昭著―東洋企画)、「情報の歴史」(NTT出版 監修 松岡正剛)などを参照する。

200年前の世界
バジル・ホールが来琉した200年前(1816年)は、どんな世界だったのか。・
○1807年、フルトンが蒸気式外輪汽船「クレアモント号」を作る。―アメリカ
○1811年、ケーニッヒとバウアーが蒸気機関と連動出来る輪転印刷機を発明。―ドイツ
○1811年、ラダイト運動(反機械運動)起こる―イギリス
○1812年、イギリスにガス灯の時代
○1814年、ジョージ・スティーヴンソン、蒸気機関車ブリュッヘル号の試運転。
○1814年、アレキサンダー・フォン・フンボルト、世界各地への旅行記などを出版。(近代地理学の先駆的業績といわれる「コスモス」で有名)―ドイツ
○1814年よりウィーン会議。ヨーロッパの秩序再建と領土分割をオーストリア、ロシア、プロイセン、イギリス、フランス、ローマ教皇領(この会議で復活)で会議。1年あまりだらだらと「会議は踊る、されど進まず」。しかしナポレオンのエルベ島脱出、フランス上陸のニュースであわててまとまる。―オーストリア
○1815年ワーテルローの戦いでフランスが敗北。ナポレオンはセント・ヘレナへ追放され、1821年にそこで亡くなる。(バジル・ホールは1817年8月にナポレオンと会見している)
○1817年、セイロン島、英領となる。イギリス、ネパール支配。
○1819年、米国船サバンナ号が米国東岸サバンナから英国リバプールまで27日と11時間で横断。蒸気船としては初めての大西洋横断に成功。

イギリスがネパール侵略。清の冊封体制下にあったネパールの状況は中央に伝わったに違いない。しかし有効な手を打てないまま、次第にイギリスの侵略の手が伸ばされ、1840年、アヘン戦争をしかけられてゆく。
少し前だが、イギリスでは1765年、ジェームズ・ワット蒸気機関改良、1768年から産業革命がはじまり、ロンドンにはガス灯が点る。ロンドン市内ではテムズ河に工場の排水やし尿が流れ続ける。
さかのぼること100年前、1709年には中部のバーミンガムのセヴァーン川には世界初の鉄橋(アイアンブリッジ)が架かった(世界遺産)。
1776年にはアメリカ独立宣言、1789年はフランス革命。
ホールが生まれたのは前年の1788年である。

この頃、琉球は第二尚氏王統(後期)1609年には薩摩侵入。(次第に琉球の大交易時代は衰退に向かうが、明治初期まで朝貢・冊封体制は続けられた。)
1825年には江戸幕府から異国船打払令が出される。以降、欧米船の来航増える。

次回からは一冊ずつ取り上げて感想を述べる。最初は「朝鮮・琉球航海記」(ベイジル・ホール)。このシリーズは断続的に数回続ける予定。
*前回の朝鮮人陶工の人名に誤りがあった。張献巧ではなく張献功、失礼しました。

追記―熊本地震被災地視察
5月10日(火)8時20分発、10時に福岡空港着。熊本へ向かう。バスはこの時間は1時間に1本。回数が減っているため10時50分にようやく乗車、大雨の中を走る。2時間後、松の本インターで降りる。料金所の屋根がない。ETCは生きているようだが、出口に車が溜まって係員が整理している。周りの家の屋根はブルーシートで覆われている。出ると右側の道路が封鎖。跨線橋が倒壊しそうだ、という。
熊本市内へ向かう。渋滞で予定より20分ほど遅れている。保田窪というところの手前で一階が押しつぶされたマンションを見た。5階建てが4階になっている。

弟の自宅で昼食後、最大の被災地・益城町に向かう。中心部に住んでいる親戚の家に近づくと、交差点の角の工場が全壊している。嫌な予感がした。その2軒隣が叔母の家。車をゆっくり走らせながら見ると、やはり家が少し傾いていた。人の気配はない。この一家は半世紀前に家が全焼、いままた地震で家を失った。
益城町の体育館の入り口に亀裂。駐車場はひび割れアスファルトが盛り上がっている。裏には赤十字、自衛隊のテント、郵便局の車、それに約20台のトイレ。
館内に入ると入口には20台ほど同時に充電できそうな携帯の充電器。廊下までずらりと小さなベッドが2台ずつ並び、低い段ボールで囲ってある。じっと寝ている人、話し込んでいる人・・子供たちは元気に走り回り、ゼッケンを付けた救護班のヴォランティアがあわただしく打ち合わせをしている。
この状態でもう一カ月がたった。同じ地域の住民が同じ場所に集まっているせいだろうか、
天災を忘れ、やり直そうという「気」がみなぎり、不思議な明るさが漂っている、と感じた。

熊本城へ向かう。天守閣のしゃちほこは落ち、瓦も剥げている。遠くからでは分からないが、手前の坪井川に沿って直線242mの長塀が白黒のコントラストを見せていた。国の重要文化財、日本一長い掘建築遺構だ。途中が崩れていた。
熊本の象徴である熊本城が復旧すれば、人々を力づけるに違いない。

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