100年に一人の名優、真喜志康忠の芸に違いない。現在の沖縄の実演家の中に氏を超える逸材が育つだろうか。玉城盛義さんや神谷武史さん、嘉数道彦さんにしても、真喜志康忠を超える芸は厳しいのかもしれない。時代の層、厚さが異なる。まして康忠氏ほどの演技に対する、身体芸術、総合芸術に対するあくなき探究がどれほどなされているか、疑わしい。体系化された芸能のヒエラルキーへの野望や情熱と保身の中から、温故知新にしても、世界をハットさせる琉球・沖縄芸能が誕生するだろうか。可能性は開かれているが継承と保存で精一杯だろうか。
日本の伝統芸能の神髄、琉球・沖縄伝統芸能の神髄、アジアの芸能文化の神髄、さらなる沖縄独自の演劇や芸能の系譜の中から新たな世界観を想像・創造していくことは可能かもしれないが~。そして東西南北、世界のPerforming Artsが広がっている。琉球・沖縄の独自性が際立つ表象文化、その芸の模範になるのが真喜志康忠氏である。氏の琉球舞踊もいいね!琉球男児の矜持がその芸の中に秘められている。
NHK沖縄サイトには以下の文章が紹介されている。
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生誕100年 真喜志康忠 映像選
重要無形文化財「組踊」の保持者で、戦前戦後を通して沖縄芝居のスターだった真喜志康忠。生誕100年の節目にNHKに残る映像から「康忠芸」と呼ばれた至芸を紹介する。 舞台上での大きな存在感と観客の心に迫る演技で沖縄芝居をけん引してきた真喜志康忠。数ある出演作の中から、名作歌劇のひとつ「伊江島ハンド―小」、そして「三悪人」を紹介する」NHK沖縄からの転載です。
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