バンドの練習スタジオの近くにある「横井庄一記念館」
4年前からずーっと気になっていて、ようやく今年の2月22日に伺う事ができました。
ギターのせいきちと2人でお邪魔したのですが、
2月22日というのがなんと横井さんの命日で偶然の事にびっくりしました。
戦争が終わってもそれを信じる事なく、28年間サイパンのジャングルに潜み、与えられた命令を遂行し続けた横井さん。
地下に掘った穴の中で隠れながら生活をしていました。
その穴が部屋の中に再現されていました。
当初は卓上サイズのミニチュアを作ってもらうハズだったのですが、出来上がりはなぜか原寸大。
部屋の間取りの関係でリアルなサイズではないそうですが、閉そく感と孤独感が充分伝わります。
今年88歳の米寿を迎えられる横井さんの奥様が丁寧に説明をして下さいました。
しっかりした口調で分かりやすくお話になる姿はとても88歳とは思えない(*^_^*)
こちらの絵は横井夫妻にとても縁のある方が描いた当時の様子
絵本にもなっていて、小学校高学年ぐらいの子供を対象に分かりやすく描かれています。
手作りの機織り機
これは帰国後、サイパンから同じ材料を取り寄せて再現したもの。
これで布を織り、服を作成。
「髪の毛って自分でカットしてたんでしょうか?」
沸き上がるしょーもない疑問。
「進駐軍や現地の人が捨てたものを
命がけで取りに行ったものの中に
ハサミがありましたら、自分で切ってたんでしょうねぇ」
更に
「ねぇ、奥様、【よっこいしょーいち】っていうギャグ知ってます?近年もドラマで使われてたんですけど(*^_^*)」
一緒についてきたギターのせいきちが
「何て事言いだすんだコイツは~Σ(゜∀゜ノ)ノ」
と焦るのを尻目に聞いてみた
「えぇ、ここにお子さんが来ると、立ちあがる時なんかに言ってましたから知ってますよ。
いいか悪いかは別として、知って下さる事は悪い事ではないですね(*^。^*)」
と知的なお返事。
一気に奥様への興味がわいてしまい、庄一さんの事より彼女の戦中戦後の話をあれこれ聞き始めてしまいました。
京大在学のお兄様が繰り上げ卒業で学徒出陣により、特攻に志願しなければいけない日がやってきました。
17歳の彼女は願掛けをしたそうです。
「私は結婚なんてできなくても構いません。どうか兄を生きて返して下さい」
するとお兄様、帰ってきたそうです。
特攻を断ったら
「お前のような思想の人間は軍人にあらず。故郷に帰れ」
と言われたとか。
特攻を辞退するなんていう事が当時できたのも驚きだったし、
そういう人はすぐに第一線に送られてしまうものらしいのですが
それをあっさり家に帰されるという不思議な事が起こったのです。
そんな類(たぐい)の話を90分
「こんな話、人さまにした事ありませんのよ」とおっしゃいながら
たくさんたくさん話してくれました。
バンドの練習時間が迫り、隣でソワソワしはじめたせいきちに
せかされるように話を打ち切り
記念館を後にしました。
う~( 一一)もうちょっとお話聞きたかったなぁ。