「グレート・ギャツビー」を観て思ったのは、小池先生も最初から小池先生だったわけじゃないんだな、でした
イケコ氏にしては暗転と幕前芝居が多いなという印象で。お芝居もタメがあってやや大芝居。曲も昭和っぽさがあるな、と。
それはそうですよね、初演は1991年、31年前ですから
「ヴァレンチノ」がバウホールでの演出家デビュー作品っていうのもビックリですが
その後多くの作品に関わって先日宙組で再演された「NEVER SAY GOODBYE」は2006年。
私が舞台機構の使い方に惚れ惚れした「カサブランカ」は2009年です。
と考えると、デビューから5年後の「華麗なるギャツビー」は演出の上ではまだ発展途上だったのかなと思います。
というか未だに進化してる、新しい演出にチャレンジしてるのが凄いなと思います。
(フィナーレは割と1パターンですけどもね)
ネタバレ少しありますよ。
初演は大劇場公演の前物として作られ、次に日生劇場で再演。
そして今回は大劇場一本物として場面や曲が追加され、より華やかに豪華になっていて、
実は初演も再演も見てないんですが違和感なく上手くつないでいるのはさすがだなと思いました。
出演者が増えたのでパーティーシーンやジーグフェルド・フォリーズの場面は宝塚らしさ全開の華やかな場面になっています。
役名の「妖精」って何??と思ってたら、ホントに妖精さんで
こありちゃん(菜々野あり)と、みうみん(美海そら)のバレエが素晴らしかったです
「グレート・ギャツビー」は役が少ないので大劇場一本物として演るのはどうなんだろう、と心配しましたが
上級生まで何役もバイトをしていて、しかもそれぞれの役がしっかり主張しているので凄く面白い
大きい役ではなくても、印象に残る役も多いです。
月組あるあるですが、若手の目を引く男役さんがいるな、と思ったら大体からんちゃん(千海華蘭)で笑います。
あなたさっきまで飲んだくれの警視総監だったのに、とか
前回のロマ劇で可愛くて忠義者の狸吉だった蓮くん(蓮つかさ)は今回は反社なクズ野郎で
カードゲームでいかさまをやってるのをギャツビーに見咎められたり、
ゆーゆ(結愛かれん)のヒモが絶妙にイヤな奴でいい仕事してます
その、ゆーゆはギャツビー邸のパーティーにしょっちゅう出入りして、誰かれなくイイ男に媚を売ってるんですが、
可愛くて嫌みが無いのが素晴らしいあちこちに出没していて、しっかりトムを捉まえるのがさすがでした
それだけでなく、ショーがはねた後の楽屋の場面があって良かったなと思います。
ちゃんとヴィッキーの人生が垣間見えますからね。
それはヤスくん(佳城葵)の新聞記者(何回目だ?)にも言えていて、いつもギャツビー邸をうろついてゴシップのネタを探している。
ゴシップ写真を買ってもらったり、スネイグルと組んだりしてますが、根はそれほど悪人ではないらしくて
生きていくために仕方ないけどスネイグルは嫌い、って言ってました
2回目のアイスキャッスルでのギャツビーとのやり取りは味わい深いです。
そこで超カッコイイかなとくん(月城かなと)ギャツビーの一挙手一投足を、SS席で見てます~
とステージサイドウォッチで話してたのが可笑しかったです。
ファンとは違って勉強の意味もあるようですが
目を引くと言えば「綺麗な子がいる!」とどの公演でも話題になる、るおりあ(瑠皇りあ)。
アイスキャッスルの場面でギャツビーにコートを着せかける子が
「ぅわメチャクチャ美形がいる~」「あ、るおりあか」ってなりました
新公ニックも評判良かったですし、本公演ではラストのギャツビーの子供時代を演っていて目立ってるので、
次回の新公来るかもしれませんね。
と娘に話したら「あるあるじゃない?」と言われました。
「グレート・ギャツビー」という作品が好きか嫌いかと聞かれたら、どちらとも言えないです
やっぱり重くてしんどいんですよね~
でも観た後で、ず~っと頭の中でぐるぐる考え続けてしまうのは、物語がしっかりしているからで名作だなと思います。
その時代に生きる人たち一人一人の人生が立ち上がってくるようなお芝居が出来る月組生が大好きです
原作を読んでみたくなります。
宝塚は先日東京の月組新公が終わってラストスパートです。
小柄で華奢で可愛い系キラキラ多めの、あみちゃん(彩海せら)にギャツビーは全くニンじゃないように思えるのに、
声や話し方、表情佇まいもすっかり変えて、演技力でねじ伏せてくる、あみちゃんさすがでした
月組新公素晴らしかったですこれからの月組も楽しみだわ
そして今日は宙組公演の大劇場楽が無事幕が下りたようで良かったです。おめでとうございます
ギャツビーの次がハイ&ローという、この落差が宝塚らしさだな、と思います
次の雪組公演も楽しみになってきました~