スウェーデンミステリー『リガの犬たち』

　byヘニング・マンケル。柳沢由美子訳。創元推理文庫。　
　スウェーデンの海岸に二人の男の死体を乗せたボートが打ち寄せられた。遺体は拷問の挙句、銃殺され、ボートは対岸のバルト３国のひとつラトヴィア」からきたらしい。スウェーデン警察は外務省を通じてラトヴィアの政府、警察に連絡。早速リエパ中佐という警察官が派遣された。イースタ署のヴァランダー刑事とともに捜査を開始。しかし遺体はラトヴィア人だということしかわからず、リエパ中佐は遺体と報告書を携え、帰国。直後、何者かに殺されてしまう。
　ヴァランダー刑事はラトヴィア警察から要請され、ラトヴィアに行き・・・。そこで見たものは・・・。当時、ラトヴィアは旧ソ連の支配下にあり、水面下で独立運動が起こっていた。不安定で抑圧された暗黒の社会。ヴァランダー刑事は暗闇のなかで、闇に紛れ隠れているものを見ようと目を凝らす・・・。何が真実で、誰が味方なのか・・・極上のコニャックのような後味の小説、・・・でごわす。