▼ きっとコロナウイルスとの闘いは、まだまだ続く。
ついに、義母が暮らすサービス付き高齢者住宅では、
外部との接触が禁止となった。
家族とも会えない日が続いている。
心配して家内が電話すると、
まもなく96歳の元気な声が返ってきたと言う。
「こんなことでは死ねない、だって・・!」
さすが戦争を経験した人は魂胆が違う。
それに比べ、私たちはどこまでこの自粛と向き合えるだろう。
とにかく毎日じっと自宅に閉じこもり、
耐えている子ども達が可愛そうでならない。
どこかの国のように、
『お年寄りはみんな外出禁止!』にして、
子ども達を学校へ行かせて欲しい。
そんな願いをもつのは私だけなの?。
悶々とした釈然としない日が続いている。
一方、『風邪ぎみの方は外出を控えてください』。
そんなアナウンスが気になる。
とうとう3月に入ってから、
ランニングで汗を流したのは2日だけ・・。
2度とも、快晴無風の昼下がり、
寒さを感じない日を選んで、5キロを走った。
走り終えた時の、爽快感がたまらなくいい。
翌日も,走りたいと思う。
しかし、昨日より気温が低い、風が強い、
あるいは曇天。
そうなると、「風邪をひいては・・」と二の足を踏む。
悶々とした日がさらに深まる。
これまた辛い。
こんな日々で、改めて気づいた。
どこからか、「70歳を超えてまで、ランニングなんて無理して・・」。
そんな声がかすかに聞こえる。
でも、私にはまだランニングは欠かせない生活のかてなのだ。
さて、この騒動が収束に向かったら、どうする?
やっぱり旅先でランニングがいいかな・・・。
ややその魅力のトリコかも・・。
▼ 2月初旬だ。
東京での研究大会に出席した。
まだそれ程コロナが騒動になっていなかった。
それでも飛行機の機内は、9割がマスクだった。
窓側の席で2つ3つ咳をした。
すると隣席でマスクの若者が、
迷惑そうな不審な目で私を睨んだ。
その後は、ずっと背を丸め、小さくなっていた。
マスクがないことを悔いた。
久しぶりに、東陽町のホテルに泊まった。
翌朝、ランニングをすると決めていた。
平日の早朝、青空だった。
通勤の人並みの多さに驚いた。
伊達とは大きく違い、私も活気づいた。
でも、ランニング姿が少し気恥ずかしくなった。
走りながら向かったのは、都立木場公園だ。
ここの遊歩道には、ランニングコースがいくつか設定されていた。
1周3,5キロを選んで走った。
途中に木場公園大橋があり、
その往復で、何人ものランナーとすれ違った。
気恥ずかしさが薄れた。
そして、年齢は様々、スタイルもスピードもそれぞれ。
でも、モクモクと走る姿に励まされた。
芝生広場へ差しかかったT字路で、
園児カバンの女の子とお父さんが立ち止まっていた。
その視線の先に、白梅が咲き始めていた。
きっと、梅の花をみつけ、何やら会話していたのだろう。
喧噪の大都会の朝、小さな清涼感が漂っていた。
公園からの帰り道、紅梅の並木を見ながら、
旅行先を走る新鮮さで、心も体も弾んだ。
「きっと伊達は雪だろう。」
心をかすめた。
▼ 山深い温泉に一泊した朝、
さほど気乗りしない家内を誘って、走り始める。
山間の傾斜道だが、舗装路だ。
上りに苦戦しながら、家内のペースで足を進める。
右も左も山が迫っていた。
その斜面に林立する緑と、澄んだ空気が心地いい。
二人とも息を弾ませ、迂回し、ようやく下り道へ。
突然、視界が開け、背筋まで伸びる。
次第に息が整う。
ゆっくりゆっくり、時には言葉を交わしながら走る。
緑だけの道には、音もなく、変化もない。
淡々と走り、再びホテルへ戻る。
丁度その玄関で、散歩から戻ったご夫妻と出会う。
どちらからともなく、挨拶をかわす。
そして、
「走ってきたんですか。」
同世代のご主人が、やや驚きの表情をする。
「ええ、その辺りをゆっくりと」
私の返事に、今度は奥さんが
「すごいですね。長いこと走ったんですか?}
「いいえ、30分程度です。」
すると、ご主人、
「毎日、そのくらい」
「毎日ではなく・・、時々です。」
2人は、若干腑に落ちない表情をした。
ここは説明がいると、感じた。
「見慣れた道を走るのとは違って、気持ちがいいんです。
ちょっと荷物が増えますが、またとないことなので・・」
「そうですね。散歩してもそう思いますから、
走れたら、また違うんでしょうね。」
奥さんが、つけ加えた。
「走ってみたくなりました。無理かしら・・・」
はじめて、家内が口を挟んだ。
「是非、頑張って下さい。」
▼ 3,4年前に『旅先でランニング』をしてみた。
その魅力を知った。
旅行好きではないのだが、
知らない道を走るのはワクワクする。
さて、今の霧がはれたら、どこを走る?
まもなく桜の季節だ。
各地で桜並木が満開のトンネルをつくる。
2キロ3キロと続く桜色を走り抜けてみたい。
やがて海辺を抜ける潮風が心地いい時季がくる。
見知らぬ海岸線を走ってみたい。
きっと風が運んだ波で、顔が塩辛くなるに違いない。
子ども達を引率して、真夏の戦場ヶ原へ何度も行った。
雄大な男体山を見ながら、あの高原を走ってみたい。
人間の小ささを思い知らされてもいい。
アカマツと迎賓館 <だて歴史の杜>
ついに、義母が暮らすサービス付き高齢者住宅では、
外部との接触が禁止となった。
家族とも会えない日が続いている。
心配して家内が電話すると、
まもなく96歳の元気な声が返ってきたと言う。
「こんなことでは死ねない、だって・・!」
さすが戦争を経験した人は魂胆が違う。
それに比べ、私たちはどこまでこの自粛と向き合えるだろう。
とにかく毎日じっと自宅に閉じこもり、
耐えている子ども達が可愛そうでならない。
どこかの国のように、
『お年寄りはみんな外出禁止!』にして、
子ども達を学校へ行かせて欲しい。
そんな願いをもつのは私だけなの?。
悶々とした釈然としない日が続いている。
一方、『風邪ぎみの方は外出を控えてください』。
そんなアナウンスが気になる。
とうとう3月に入ってから、
ランニングで汗を流したのは2日だけ・・。
2度とも、快晴無風の昼下がり、
寒さを感じない日を選んで、5キロを走った。
走り終えた時の、爽快感がたまらなくいい。
翌日も,走りたいと思う。
しかし、昨日より気温が低い、風が強い、
あるいは曇天。
そうなると、「風邪をひいては・・」と二の足を踏む。
悶々とした日がさらに深まる。
これまた辛い。
こんな日々で、改めて気づいた。
どこからか、「70歳を超えてまで、ランニングなんて無理して・・」。
そんな声がかすかに聞こえる。
でも、私にはまだランニングは欠かせない生活のかてなのだ。
さて、この騒動が収束に向かったら、どうする?
やっぱり旅先でランニングがいいかな・・・。
ややその魅力のトリコかも・・。
▼ 2月初旬だ。
東京での研究大会に出席した。
まだそれ程コロナが騒動になっていなかった。
それでも飛行機の機内は、9割がマスクだった。
窓側の席で2つ3つ咳をした。
すると隣席でマスクの若者が、
迷惑そうな不審な目で私を睨んだ。
その後は、ずっと背を丸め、小さくなっていた。
マスクがないことを悔いた。
久しぶりに、東陽町のホテルに泊まった。
翌朝、ランニングをすると決めていた。
平日の早朝、青空だった。
通勤の人並みの多さに驚いた。
伊達とは大きく違い、私も活気づいた。
でも、ランニング姿が少し気恥ずかしくなった。
走りながら向かったのは、都立木場公園だ。
ここの遊歩道には、ランニングコースがいくつか設定されていた。
1周3,5キロを選んで走った。
途中に木場公園大橋があり、
その往復で、何人ものランナーとすれ違った。
気恥ずかしさが薄れた。
そして、年齢は様々、スタイルもスピードもそれぞれ。
でも、モクモクと走る姿に励まされた。
芝生広場へ差しかかったT字路で、
園児カバンの女の子とお父さんが立ち止まっていた。
その視線の先に、白梅が咲き始めていた。
きっと、梅の花をみつけ、何やら会話していたのだろう。
喧噪の大都会の朝、小さな清涼感が漂っていた。
公園からの帰り道、紅梅の並木を見ながら、
旅行先を走る新鮮さで、心も体も弾んだ。
「きっと伊達は雪だろう。」
心をかすめた。
▼ 山深い温泉に一泊した朝、
さほど気乗りしない家内を誘って、走り始める。
山間の傾斜道だが、舗装路だ。
上りに苦戦しながら、家内のペースで足を進める。
右も左も山が迫っていた。
その斜面に林立する緑と、澄んだ空気が心地いい。
二人とも息を弾ませ、迂回し、ようやく下り道へ。
突然、視界が開け、背筋まで伸びる。
次第に息が整う。
ゆっくりゆっくり、時には言葉を交わしながら走る。
緑だけの道には、音もなく、変化もない。
淡々と走り、再びホテルへ戻る。
丁度その玄関で、散歩から戻ったご夫妻と出会う。
どちらからともなく、挨拶をかわす。
そして、
「走ってきたんですか。」
同世代のご主人が、やや驚きの表情をする。
「ええ、その辺りをゆっくりと」
私の返事に、今度は奥さんが
「すごいですね。長いこと走ったんですか?}
「いいえ、30分程度です。」
すると、ご主人、
「毎日、そのくらい」
「毎日ではなく・・、時々です。」
2人は、若干腑に落ちない表情をした。
ここは説明がいると、感じた。
「見慣れた道を走るのとは違って、気持ちがいいんです。
ちょっと荷物が増えますが、またとないことなので・・」
「そうですね。散歩してもそう思いますから、
走れたら、また違うんでしょうね。」
奥さんが、つけ加えた。
「走ってみたくなりました。無理かしら・・・」
はじめて、家内が口を挟んだ。
「是非、頑張って下さい。」
▼ 3,4年前に『旅先でランニング』をしてみた。
その魅力を知った。
旅行好きではないのだが、
知らない道を走るのはワクワクする。
さて、今の霧がはれたら、どこを走る?
まもなく桜の季節だ。
各地で桜並木が満開のトンネルをつくる。
2キロ3キロと続く桜色を走り抜けてみたい。
やがて海辺を抜ける潮風が心地いい時季がくる。
見知らぬ海岸線を走ってみたい。
きっと風が運んだ波で、顔が塩辛くなるに違いない。
子ども達を引率して、真夏の戦場ヶ原へ何度も行った。
雄大な男体山を見ながら、あの高原を走ってみたい。
人間の小ささを思い知らされてもいい。
アカマツと迎賓館 <だて歴史の杜>
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