① 数年前、パークゴルフサークルの幹事をしていた。
Aスーパーで年間表彰の景品を、メンバー分購入した。
その店は、購入した品を1つずつ包装した上、
順位表示ののし紙まで貼ってくれると言う。
数種類の日用雑貨を40点程選び、
レジで支払いを済ませた後、
サービスカウンターでそれをお願いした。
ベテランの女性店員さんは2つ返事で引き受け、
「夕方までには仕上げておきます。
その後でしたらいつでもお渡しできます」
と、笑顔だった。
他のスーパーは包装までのサービスなのに、
その店員さんの対応に、
「さすが、Aスーパーだ!」。
嬉しい気分で店を出た。
夕方、やや時間を置いて、品物を受け取りに行った。
まだ、その店員さんがいた。
私の顔を見るなり、
「できてますよ。お待ち下さい!」。
すぐに、別室から台車に乗せた段ボール箱を押してきた。
「このまま車まで運びますね」。
どこまで気が利くのだ。
恐縮した。
「いや、ここからは私が・・。
台車はここにお返しすればいいですね」。
店員さんの返答も聞かず、私は台車を押しながら、
何度も頭を下げていた。
② 他の店に比べ、Bスーパーの客層は若干若いように思う。
その理由はよく分からないが、店内は他よりも照明が明るい。
それが一因かもと、勝手に解釈している。
私も家内も、その明るさと駐車場の広さに惹かれ、
よくBスーパーを利用する。
2人で、数日分の食料を買い込んできた日だ。
自宅に戻ると早々、家内はその1つ1つを収納し始めた。
「あら、このベーコン、賞味期限が切れている。
気づかないで買ってしまった」。
家内の驚きの声だった。
「今時、賞味期限切れを販売するなんて!」。
私もビックリして、ベーコンの日付を見た。
確かに2日前の月日が刻まれていた。
「食べられない訳じゃないから、いいよね」。
家内は言う。
でも、同じ物を購入する客がいるかもと思い、
私が、お店に連絡することにした。
電話に出たのは、その口調で若い女店員さんと分かった。
「先ほどそちらの店で買い物をした者です。
家に戻ってよく見たら、ベーコンの賞味期限が切れてました。
それでお電話しました」。
私は、謝罪の後、ベーコンの種類や賞味期限の日付など詳細について
質問があると思って、そのベーコンを片手に持っていた。
女店員は、即答した。
「そうですか。済みませんでした!」。
「ハイ」。
私は応じた。
その後、店の喧噪が受話器から聞こえた。
しかし、女店員さんは何も言わず、無言のまま。
しびれを切らし、私は言った。
「それだけですか?」。
女店員さんは「ハイ!」。
再び押し黙り、なんの応答もない。
仕方ない。
「他の方と代わってもらえませんか!」。
受話器を置く音がした。
しばらく店内の喧噪が聞こえた。
今度は男性の声だった。
全く引き継ぎがなかったようで、
「どんな用件でしょうか」と言う。
ここまでの経過をかいつまんで伝えた。
男性は忙しそうに早口で言った。
「分かりました。すみませんでした。
もう1度、しっかりと教育し直します。
ありがとうございました」。
賞味期限が切れたベーコンについては、
全く触れようともせず、電話は切れてしまった。
その後は、ため息をくり返すだけ・・・。
ただただ・・ただただ・・。
③ 目の前にある『紋別岳』を登ったのは、
5年も前のこと。
それからは「今年こそもう一度!」と思いつつ、
再登山が延び延びになっていた。
自宅から車で5分のところに、
登山口の駐車場がある。
そこから山頂までは2時間半だ。
しかし、もう年齢も年齢だ。
「今年、チャレンジしなければ、もう無理かも!」。
そんな思いで、9月に入ってから、好天を待った。
つい先日のことだ。
秋を思わせる快晴だった。
「どこまで行けるか不安」と言いつつ、
家内も同伴することに。
朝食を済ませると、
お握りを2つずつ用意した。
そして、山登りの昼食には必ず唐揚げだった。
いつもなら家内が作ってくれた。
しかし、コンビニに美味しい唐揚げがある。
家内に負担をかけないよう、それを買うことにした。
ところがどこのコンビニへ行っても、
まだ販売していなかった。
仕方なく、9時の開店が過ぎていたあのBスーパーへ行ってみた。
ここの総菜売り場の唐揚げは評判がよかった。
「残念!」、まだ唐揚げが並んでなかった。
諦めきれずに、しばらく待ってみた。
次々と総菜がならび始めた。
しびれを切らし、総菜を運んできた女店員さんに訊いた。
「すみません。唐揚げはまだまだ出てこない?」。
「ちょっと待って下さい。厨房に訊いてみます」。
その店員さんは、小走りで厨房へ入っていった。
同じBスーパーでも、店員さんの対応の違いに驚きながら、
私はその後ろ姿を追い厨房前の扉で待った。
すかさず、今度は男性の店員さんが現れた。
「唐揚げですね。すぐ用意します。
どのくらいあればいいですか」。
私は、恐縮した。
「いや、少しでいいんだ!」。
その親切に親しみを込め、少し北海道訛りの言い方をした。
「じゃ、3個もあればいいですか?」。
年寄りの1人暮らし、急ぎ弁当のおかずに、
とでも彼は思ったのだろう。
「3個じゃ少ない」と言いたかったが、
忙しい最中、わざわざ接客してくれている彼にNOは言えなかった。
「3個じゃなくて、その倍はほしい!」。
私は、その言葉を飲み込んだ。
代わって「すいません。3個でもいいですか?」と言っていた。
彼は大急ぎで厨房に戻り、用意してくれた。
パックに唐揚げを3個入れ、料金シールは貼って持ってきた。
「お待たせしました。ありがとうございます」。
丁寧に頭まで下げた。
唐揚げ3個を両手で持ちながら、レジにむかった。
なぜか特別な唐揚げのように思え、嬉しかった。
『紋別岳』山頂に2人が着いたのは、1時近くだった。
3個の唐揚げを2人で分けて食べた。
登頂の歓びもあったが、つい笑みがこぼれていた。
散歩道の ひまわり畑
Aスーパーで年間表彰の景品を、メンバー分購入した。
その店は、購入した品を1つずつ包装した上、
順位表示ののし紙まで貼ってくれると言う。
数種類の日用雑貨を40点程選び、
レジで支払いを済ませた後、
サービスカウンターでそれをお願いした。
ベテランの女性店員さんは2つ返事で引き受け、
「夕方までには仕上げておきます。
その後でしたらいつでもお渡しできます」
と、笑顔だった。
他のスーパーは包装までのサービスなのに、
その店員さんの対応に、
「さすが、Aスーパーだ!」。
嬉しい気分で店を出た。
夕方、やや時間を置いて、品物を受け取りに行った。
まだ、その店員さんがいた。
私の顔を見るなり、
「できてますよ。お待ち下さい!」。
すぐに、別室から台車に乗せた段ボール箱を押してきた。
「このまま車まで運びますね」。
どこまで気が利くのだ。
恐縮した。
「いや、ここからは私が・・。
台車はここにお返しすればいいですね」。
店員さんの返答も聞かず、私は台車を押しながら、
何度も頭を下げていた。
② 他の店に比べ、Bスーパーの客層は若干若いように思う。
その理由はよく分からないが、店内は他よりも照明が明るい。
それが一因かもと、勝手に解釈している。
私も家内も、その明るさと駐車場の広さに惹かれ、
よくBスーパーを利用する。
2人で、数日分の食料を買い込んできた日だ。
自宅に戻ると早々、家内はその1つ1つを収納し始めた。
「あら、このベーコン、賞味期限が切れている。
気づかないで買ってしまった」。
家内の驚きの声だった。
「今時、賞味期限切れを販売するなんて!」。
私もビックリして、ベーコンの日付を見た。
確かに2日前の月日が刻まれていた。
「食べられない訳じゃないから、いいよね」。
家内は言う。
でも、同じ物を購入する客がいるかもと思い、
私が、お店に連絡することにした。
電話に出たのは、その口調で若い女店員さんと分かった。
「先ほどそちらの店で買い物をした者です。
家に戻ってよく見たら、ベーコンの賞味期限が切れてました。
それでお電話しました」。
私は、謝罪の後、ベーコンの種類や賞味期限の日付など詳細について
質問があると思って、そのベーコンを片手に持っていた。
女店員は、即答した。
「そうですか。済みませんでした!」。
「ハイ」。
私は応じた。
その後、店の喧噪が受話器から聞こえた。
しかし、女店員さんは何も言わず、無言のまま。
しびれを切らし、私は言った。
「それだけですか?」。
女店員さんは「ハイ!」。
再び押し黙り、なんの応答もない。
仕方ない。
「他の方と代わってもらえませんか!」。
受話器を置く音がした。
しばらく店内の喧噪が聞こえた。
今度は男性の声だった。
全く引き継ぎがなかったようで、
「どんな用件でしょうか」と言う。
ここまでの経過をかいつまんで伝えた。
男性は忙しそうに早口で言った。
「分かりました。すみませんでした。
もう1度、しっかりと教育し直します。
ありがとうございました」。
賞味期限が切れたベーコンについては、
全く触れようともせず、電話は切れてしまった。
その後は、ため息をくり返すだけ・・・。
ただただ・・ただただ・・。
③ 目の前にある『紋別岳』を登ったのは、
5年も前のこと。
それからは「今年こそもう一度!」と思いつつ、
再登山が延び延びになっていた。
自宅から車で5分のところに、
登山口の駐車場がある。
そこから山頂までは2時間半だ。
しかし、もう年齢も年齢だ。
「今年、チャレンジしなければ、もう無理かも!」。
そんな思いで、9月に入ってから、好天を待った。
つい先日のことだ。
秋を思わせる快晴だった。
「どこまで行けるか不安」と言いつつ、
家内も同伴することに。
朝食を済ませると、
お握りを2つずつ用意した。
そして、山登りの昼食には必ず唐揚げだった。
いつもなら家内が作ってくれた。
しかし、コンビニに美味しい唐揚げがある。
家内に負担をかけないよう、それを買うことにした。
ところがどこのコンビニへ行っても、
まだ販売していなかった。
仕方なく、9時の開店が過ぎていたあのBスーパーへ行ってみた。
ここの総菜売り場の唐揚げは評判がよかった。
「残念!」、まだ唐揚げが並んでなかった。
諦めきれずに、しばらく待ってみた。
次々と総菜がならび始めた。
しびれを切らし、総菜を運んできた女店員さんに訊いた。
「すみません。唐揚げはまだまだ出てこない?」。
「ちょっと待って下さい。厨房に訊いてみます」。
その店員さんは、小走りで厨房へ入っていった。
同じBスーパーでも、店員さんの対応の違いに驚きながら、
私はその後ろ姿を追い厨房前の扉で待った。
すかさず、今度は男性の店員さんが現れた。
「唐揚げですね。すぐ用意します。
どのくらいあればいいですか」。
私は、恐縮した。
「いや、少しでいいんだ!」。
その親切に親しみを込め、少し北海道訛りの言い方をした。
「じゃ、3個もあればいいですか?」。
年寄りの1人暮らし、急ぎ弁当のおかずに、
とでも彼は思ったのだろう。
「3個じゃ少ない」と言いたかったが、
忙しい最中、わざわざ接客してくれている彼にNOは言えなかった。
「3個じゃなくて、その倍はほしい!」。
私は、その言葉を飲み込んだ。
代わって「すいません。3個でもいいですか?」と言っていた。
彼は大急ぎで厨房に戻り、用意してくれた。
パックに唐揚げを3個入れ、料金シールは貼って持ってきた。
「お待たせしました。ありがとうございます」。
丁寧に頭まで下げた。
唐揚げ3個を両手で持ちながら、レジにむかった。
なぜか特別な唐揚げのように思え、嬉しかった。
『紋別岳』山頂に2人が着いたのは、1時近くだった。
3個の唐揚げを2人で分けて食べた。
登頂の歓びもあったが、つい笑みがこぼれていた。
散歩道の ひまわり畑
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