ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

味覚の秋 inだて

2018-10-13 19:53:19 | 北の湘南・伊達
 この時期、トラックの荷台に山積みのカボチャを、
しばしば目撃する。

 また、畑の脇に、ジャガイモや玉ねぎでいっぱいになった、
農業用スチールコンテナが、いくつも積み上げられている。

 ブロッコリーも、白菜も、大根も、
次々と出荷を待っている。
 
 秋の深まりと共に、伊達の田畑は収穫の時、
真っ盛りだ。

 野菜だけではないが、味覚の秋である。
あれもこれも、美味しい。
 そこで、最近、惹かれる味覚を記す。 


 1 鮭のムニエル
 
 半身の生鮭を持って、
家内がボランティアサークルの例会から戻ってきた。

 サークルのメンバーが、
伊達の海岸で釣り上げたものを頂いたそうだ。

 鮮やかなサーモンピンクで、ひと目で生きの良さがわかった。
「ムニエルと、残りは焼いて醤油漬けにする。」
 家内は、嬉しそうだった。

 こんな時の私は、悪い癖でついヘソが曲がる。
「ド素人に釣られたドジな鮭だ。
そんな鮭、美味い訳がない。」
 半分正気で、言っているから、手に負えない。

 家内は、いつものことと、無言でキッチンに向う。
「そう言い切った私は?」と言えば、
その後、そのことへの関心が次第に薄れ、時を過ごす。

 やがて、夕食の席になる。
その食卓に、バターのいい香りが・・。
 厚切りの鮭のムニエルである。
すぐに箸が、その皿に行く。

 鮭とバターのマッチングがいい。
バターが鮭の美味しさを際立てせていた。
 思わず、心から言っていた。
「この鮭、美味しいね。」
 「そうでしょう。」
家内は、少しだけ笑った。

 突然、「ド素人が釣った・・・」
そう言ったことを思い出し、恥ずかしくなった。

 だが、それよりもこの時期の生鮭は格別。
そう思いつつ、上機嫌で箸が進んだ。
 

 2 ほっけのフライ

 若い頃、都内では、
『炉端焼き』の看板を掲げた居酒屋が人気だった。

 注文した魚や野菜を、目の前で炭火の網にのせて焼いた。
焼き上げると、特大の木べらにそれを置き、客へ届けた。
 そんな流儀の店へ、よく出入りした。

 私は決まって、そこでほっけの開きを焼いてもらった。
それは、小さい頃からの思い出の味がした。
 北海道の懐かしい味でもあった。
大好きだったので、人目もはばからず、
ほっけの皮まで食べた。

 初めて伊達を訪ねた時も、
ホテルの支配人が、勧めてくれたお店で、
焼いた大きなほっけの開きを、出してくれた。
 油ののったその美味しさは、今も印象に残っている。

 さて、私にとってほっけは、焼き魚だった。
それ以外の調理方法で、ほっけを食べたことがなかった。

 煮ても美味しいと聞いたことがある。
だが、関心がなかった。
 焼いて食べるだけで、満足だった。

 ところが、スーパー内で対面販売する魚屋に、
生ほっけが並んでいた。
 そこに『フライでどうぞ』と、添え書きがあった。

 ほっけをフライにする。
初めて知った。

 実は、トンカツ、コロッケを含め、
私は、フライが大好きだ。
 『中性脂肪が高くなる』とか、そんな忠告など無視だ。

 エビフライもいいが、
アジフライの美味しさは、上野のフライ専門店で感激した。
 そして、真だらのフライの美味しさは、伊達に来てすぐ・・。

 早速、生ホッケを買い求め、家内に調理を頼んだ。
どんな味のフライなのか、夕飯が待ち遠しかった。

 フライのさくさく感、そしてふんわりとした魚の食感。
焼いたほっけとは、まったく別物。
 白身魚のやさしい味が、口いっぱいに広がった。

 東京の友人たちに食べさせたいものが、
また1つ増えた。

 
 3 とら豆の煮豆

 小さい頃から煮豆が好きだった。
中学生の頃、それを母に言うと、
翌日から毎日、弁当のおかずが煮豆になった。

 ついに、「違うおかずにして!」と母に怒りをぶつけた。
以来、好きな食べ物から、煮豆が消えた。

 ところが、家内は、煮豆が大好き。
「趣味の欄に、煮豆づくりと書こうかな」と、言うほど。

 なので、よく旅行先のおみやげに、
花豆などその地方の豆を、持ち帰った。
 家内は、それを煮て、食卓にのせた。
私は、あまり箸が進まなかったが、
数日すると、家内と子ども達で完食していた。

 さて、伊達の店頭で懐かしい豆を見た。
とら豆だ。
 白い豆の半分に、濃淡の黄褐色の斑文がある。
そこから『虎』の名がついた。
 私なりに、そう理解している。

 『煮豆の王様』と言う方もいると聞く。
小さい頃、そうまだ煮豆好きだった頃、
私にとって、とら豆は、
超貴重で高級な豆のイメージだった。

 その豆が、他の豆と変わらない値で売っていた。
これだけは、とら豆だけは食べたい。
 早速、煮豆にしてもらった。

 案の定、他の煮豆とは違った。
煮豆の美味しさに、品がある。
 勝手に、高く評価している。

 生産は、北海道でも伊達周辺の胆振と北見地方だけのようだ。
秋の収穫期、その新豆が出回る。
 皮が柔らかく、一段と美味しさが増すのだ。


 4 生プルーン

 伊達の隣に壮瞥町がある。
そこの、支笏湖と洞爺湖を結ぶ国道は、
フルーツ街道と呼ばれている。

 春のさくらんぼに始まり、
今は、リンゴやぶどう、そしてプルーン狩りなどで、
観光客を集めている。

 近隣とあって、伊達観光物産館には、
壮瞥町の果物が、たくさん並ぶ。

 実は、ここで初めて、
生のプルーンを買い求めて、食べてみた。

 それまで、プルーンは、
学校の給食で、ドライフルーツになったものを
食べたことがあった。
 生は、それとは甘みが全く違った。

 一口にプルーンと言えども、
種類は、いくつもあるらしい。
 私は、濃い紫色をした、小ぶりが好みだ。

 国内では、北海道の他、青森県、長野県で、
生食用プルーンは栽培されているとか・・。 
 完熟した甘いプルーンも、あとわずかな期間だけになる。

   

      秋 の 豆 畑 

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