音楽の森とタイニーハウス

茨城県山間部のログハウス&音楽研修施設

タイニーハウスって本当はどうなのか?

2018-02-04 | シェルター建築
世間ではタイニーハウスがブームのようです。
森のなかに小さな小屋があって…タイニーハウスのステレオタイプ。
でもタイニーハウスってどうなの?少し思うことを書いてみます。

この10年ほどで10畳ログハウス、6畳ログを2軒、バイオトイレ用ログ、
その他ワークショップ用の物置などなどいろいろ建てました。

なんで次々に…答えは簡単です。
「狭いから...」(笑)

タイニーハウスって「小さな家」ですが、違う訳だと「狭い小屋」
実際のところ6畳じゃなんにもできません。ベッド置いたら終わり。
うちの10畳ログはロフトを広めに改造してあるので、3人ほどの
寝室にしてますが、立ったら頭を天井にぶっつけます(泣)

おまけにログハウス系は収納はまったくありません。
ですからなんでもその辺にブチまけて置くようになります。
うちは物置が4つあることでも理解していただけるかと。

知り合いのけっこう大型ログでレストランをやっている奥さん
が言ってました。「積水ハウスに住みたい…マジで」(爆)

タイニーハウスっていうとカッコいいですが、そういったことに
前向きな方々はいろんなアクティビティーに興味があるはずです。
拠点とするなにか基地のようなものにするには、タイニーハウス
では満足できないでしょう。

「森の中」っていうキーワードもかなり厳しいです。
以前も書きましたが、建築にはかなりのハードルを越えなければ
なりません。森林法(木を勝手に切れません)国立、国定公園の領域、
市街化調整区域、用途指定、近隣との関係(住まないとゴミ収集なし)
排水処理や水利権(湧水は権利者有)私道使用許可、接道義務。
オフグリッド、ようするにガス、水道、電気、インターネットなし。
つまりライフラインが無い。あげればキリがないです。

おまけにほとんどが斜面なので、造成や資材搬入が困難。
うちのログ施工の大工さんとの会話。
「あ~ここロケーションいいね、資材はここでいい?」
「あ、はい!」
「そこ(2段目)に建てんだよね」
「いや....もう一段上なんですが(察し)」
「.....全部手で上げるのかい!!」
※結局のところ資材すべて人間で運びました。

◎タイニーハウスの床面積が10平米以内(ミニログなど)
⇒10平米以下の建物を建てる場合、確認申請は不要ですか??

これはよく間違いの元になります。
建物の床面積が10平米以下でも、更地にタイニーハウスを新築する場合は
確認申請が必要です。ようするに既存の母屋があって、増築するに場合は
建築確認が不要の場合が多いだけです。都市計画区域外は自由ですが、
前述のライフラインが無い場合がほとんどです。

いろいろと書き散らしましたが、人外地(人里離れた森など)にタイニー
ハウスを建てるのは、昨今の規制が絡んで無理があるかと思います。

※こういったすべての問題ををクリアーするには、安い別荘地を探すほうが
楽だと思います。裁判所の物件や公官庁オークションも狙い目です。
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