被害者感情も含めて「共同正犯、共同責任」をどこまで求められるのか。求めるべきなの
か。
(1)乗客106名が死亡したJR福知山脱線事故。遅れを取り戻そうとして、急カーブを
安全スピード無視で運転走行して事故を引き起こしたとされる運転者は同事故で死亡し、当
時の常務責任者で前社長が危険性を予見できたのに安全対策(ATS:自動列車停止装置)
を怠った責任を問われている。
事故現場の安全対策を同じく放置してきた「JR西日本」としての責任を問われていた、歴代
の元社長3名については、地検は再三の控訴にも刑事責任を問えないと不起訴にしてきた。
事件の背景には、私鉄との競合の中で収益優先偏重で安全性(対策)がなおざりにされて
きた「JR西日本」の体質があった。
被害関係者からすれば、そういう「JR西日本の体質」を支えた歴代の執行責任者(社長)
の責任を許すことはできなかった。
検察審査会は、関わるすべての執行責任者が問われない被害者感情、事故の起因として
のJR西日本の「体質」の責任を問うことが必要と決議して、元社長3名を強制起訴とした。
指定弁護士が検察となって、当時の事故状況証拠をもとに立件することになる。ゼロから
の事件の掘り起こしで困難もあるが、不特定多数の安全輸送が最優先される企業の安全対
策を放置してきた歴史的、歴代の「体質」は問われて当然だ。
(2)深夜の市内交差点で、パトカーに追われて赤信号の交差点に突入した外国人4名同乗
の乗用車。歩道で待機していた3名の若者をはねて死亡させて、現場から逃走した。その後、
警察に出頭して危険運転致死容疑で逮捕。外国人4名はカーナビ窃盗目的で、運転中に警
戒中のパトカーに追われて事故を起こした。
運転者のひとりは危険運転致死容疑で起訴されたが、他の同乗者3名は同罪としては不起
訴(別の自動車窃盗罪で起訴)となった。
パトカーに追われて逃走する乗用車に同乗する4名の危険運転致死罪の「共謀」は成り立
つのか問題となった。
危険運転致死罪は、本来は運転者の責任を問うものだ。運転者の意思に他の3名の同乗者
の意思がどう反映されたのか、この事件では、しかし、地検の捜査の結果、共謀(危険運転の
申し合わせ)を示す証拠は見つからないとして不起訴処分となった。
無謀な運転で死に追いやられた若者3名の関係者からは、同乗者4名全員の同罪での責任
を問えないことに、納得できない無念の声を聞く。
同乗の4名は自動車窃盗犯であり、全員が警察(パトカー)からの逮捕を逃れるために法規無
視の自動車運転で逃走を続けた。
運命共同体の無謀な危険運転走行車だ。同車内で、危険運転を阻止する行為、促す意思表
示が他の3名にはあったのか。もし「逃亡」を共同目的として、無謀で危険な運転を見過ご
す「不作為」があったのなら、これは同乗者4名の「共同正犯」だ。
無謀運転で逃走の申し合わせがあったのか、なかったのかではなくて、危険を阻止せず見
過ごした「不作為」によっても、事故の共同正犯。
(1)のJR西日本事故。直接行為者ではない安全管理執行責任者(社長)がようやく検察審査
会の強制起訴で立件される。
(2)の危険運転事故。直接行為者(運転者)でない同乗の3名の、共同認識の同罪による責任
を問われて当然だ。
罰則の適用は、要因、証拠、意思の明確でより慎重な対応はもとより必然だ。法整備も含めて、
「なぜ事故は起きたのか」、「誰もが事故を防ぐことはできなかったのか」、「どうして被害は起き
たのか」、事故防止(preventible accident)に向けての検証が求められる。
か。
(1)乗客106名が死亡したJR福知山脱線事故。遅れを取り戻そうとして、急カーブを
安全スピード無視で運転走行して事故を引き起こしたとされる運転者は同事故で死亡し、当
時の常務責任者で前社長が危険性を予見できたのに安全対策(ATS:自動列車停止装置)
を怠った責任を問われている。
事故現場の安全対策を同じく放置してきた「JR西日本」としての責任を問われていた、歴代
の元社長3名については、地検は再三の控訴にも刑事責任を問えないと不起訴にしてきた。
事件の背景には、私鉄との競合の中で収益優先偏重で安全性(対策)がなおざりにされて
きた「JR西日本」の体質があった。
被害関係者からすれば、そういう「JR西日本の体質」を支えた歴代の執行責任者(社長)
の責任を許すことはできなかった。
検察審査会は、関わるすべての執行責任者が問われない被害者感情、事故の起因として
のJR西日本の「体質」の責任を問うことが必要と決議して、元社長3名を強制起訴とした。
指定弁護士が検察となって、当時の事故状況証拠をもとに立件することになる。ゼロから
の事件の掘り起こしで困難もあるが、不特定多数の安全輸送が最優先される企業の安全対
策を放置してきた歴史的、歴代の「体質」は問われて当然だ。
(2)深夜の市内交差点で、パトカーに追われて赤信号の交差点に突入した外国人4名同乗
の乗用車。歩道で待機していた3名の若者をはねて死亡させて、現場から逃走した。その後、
警察に出頭して危険運転致死容疑で逮捕。外国人4名はカーナビ窃盗目的で、運転中に警
戒中のパトカーに追われて事故を起こした。
運転者のひとりは危険運転致死容疑で起訴されたが、他の同乗者3名は同罪としては不起
訴(別の自動車窃盗罪で起訴)となった。
パトカーに追われて逃走する乗用車に同乗する4名の危険運転致死罪の「共謀」は成り立
つのか問題となった。
危険運転致死罪は、本来は運転者の責任を問うものだ。運転者の意思に他の3名の同乗者
の意思がどう反映されたのか、この事件では、しかし、地検の捜査の結果、共謀(危険運転の
申し合わせ)を示す証拠は見つからないとして不起訴処分となった。
無謀な運転で死に追いやられた若者3名の関係者からは、同乗者4名全員の同罪での責任
を問えないことに、納得できない無念の声を聞く。
同乗の4名は自動車窃盗犯であり、全員が警察(パトカー)からの逮捕を逃れるために法規無
視の自動車運転で逃走を続けた。
運命共同体の無謀な危険運転走行車だ。同車内で、危険運転を阻止する行為、促す意思表
示が他の3名にはあったのか。もし「逃亡」を共同目的として、無謀で危険な運転を見過ご
す「不作為」があったのなら、これは同乗者4名の「共同正犯」だ。
無謀運転で逃走の申し合わせがあったのか、なかったのかではなくて、危険を阻止せず見
過ごした「不作為」によっても、事故の共同正犯。
(1)のJR西日本事故。直接行為者ではない安全管理執行責任者(社長)がようやく検察審査
会の強制起訴で立件される。
(2)の危険運転事故。直接行為者(運転者)でない同乗の3名の、共同認識の同罪による責任
を問われて当然だ。
罰則の適用は、要因、証拠、意思の明確でより慎重な対応はもとより必然だ。法整備も含めて、
「なぜ事故は起きたのか」、「誰もが事故を防ぐことはできなかったのか」、「どうして被害は起き
たのか」、事故防止(preventible accident)に向けての検証が求められる。