いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治の季節の夏。 burlesque play

2012-08-10 20:05:29 | 日記
 (1)ここ数年は首相が1年サイクルで交代しているから、夏は政治の季節だ。昨年夏は当時首相が原発収束対応で「一定のメド」がついたら退陣すると言っておいて、次々と意欲を示す政治テーマを述べては政権に未練の首相おろしの夏だった。

 今年は、消費税引き上げ法案を巡って3党合意と解散総選挙のかけ引き政治の夏だ。昨日は野党6党提出の内閣不信任決議案の衆院採決で、自民党、公明党のほとんどの議員が退席して前々日の3党首会談での確認に基づいてこれを否決してみせた。
 その中でも自民党からは7人が出席して賛成票を投じて造反し、民主党からは消費税引き上げ法案に反対していた元首相を含めて4人が「体調不良」の欠席届提出で同決議案反対否決に加わらなかった。

 そもそも党籍停止処分中の議員もいて問題外の行動ではあったが、なかなかどうでもいいような手の込んだ戦術であった。民主党幹部も表向き体調不良ということでは造反者の処分もままならずに見過ごすことになりそうだ。

 (2)本来なら自党政権内閣の不信任決議案は、政権党にとっては自己否定を否決すべき重要法案なだけに、体調不良もあったものでもないはずだが、双方見栄見えの茶番劇(burlesque play)だ。
 採決議場から一斉に退席した自民党は、今度は復興相、副国交相の更迭と参院復興特別委員長の交代を要求している。

 復興相は委員会での尋ねられてもいない内容に勝手に答弁して質問時間・権利を奪ったとし、副国交相は委員会を無断で中座したこと、同委員長はこれを注意しなかった責任があるとして更迭、交代を求めている。
 こちらも本格審議にどうでもいいような、解散総選挙に追い込むためのとってつけたようなあてつけがましいだけの抗議行動だ。

 (3)その自民党は前々日の3党首会談で開始早々に同席していた幹事長が民主党の同代行を誘って一旦会談を退席して、党首2人(その時点では公明党は参加していない)だけの30分、何やらあえて密室政治を演出したことを認めている。
 結果的には、解散権は首相の専権事項として「近いうちに信を問う」ことしか出てはこなかったが、どちらもどちらのこちらも手の込んだ演出、戦術だった。

 (4)こうも次から次では、そんなことに手をこまねいている暇があるのなら、国民に説明責任、真実、理想を直接語りかける本来政治責任を実現すべきことだ。政治のパラダイム(paradigm)崩壊が社会の公平、公正、正義をいとも否定する文化に大きく影響している責任を自覚すべきだ。

 (5)上記の茶番劇が国民の貴重な投資(税)を使っての浪費であることを自覚すべきだ。まして自ら身を切ることなくさらに国民負担(消費税引き上げ)を求めようという国会ではないか。

 (6)審議引き延ばし、思惑がらみの見栄見えの国会戦略、戦術は昔から定番にはなっているが、そんな政治は09年の本格的政権交代で国民から「否定」されたものだ。
 民主党政権は自らの自己否定の上に、結局はそれ以前の自民党的体質政治に帰属して保守的色彩手法を帯びて、自民党と同化しての茶番劇国会の再現だ。

 (7)国民も長年積り積もった我慢の権利の行使で09年に政権交代を果たし、3年もたたないうちにその意思は裏切られたがそれも過渡期だ。
 今度は政権能力とともに社会規範のパラダイムとしての政治責任の自覚のある政治家の選択だ。
 国会議員は出来るものなら、総取っ替えがよろしい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする