いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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第2世代のテニス全米オープン。 the second generation of pro tennis

2014-09-10 19:56:23 | 日記
 (1)スポーツには見ていておもしろいスポーツとやってみておもしろいスポーツがある。野球はどちらかといえば見ていておもしろいスポーツで、サッカーは見ているよりはやってみておもしろいスポーツの代表格だ。

 昨日までニューヨークのナショナルテニスセンターで開催されていたテニス全米オープンで日本人として、アジア人として初めて決勝に進んだ錦織圭選手(24)が、同じく決勝初進出のマリン・チリッチ選手(25)に3-0で敗れて悲願のグランドスラム(grand slam)での優勝には届かなかった。

 (2)テニスはゲームを始める最初のサーブ力がゲームを支配する確率が高くて、プロのゲームになると時速200キロを超える超高速サーブが決まると手のほどこしようもないほど、あっけないほどあっさりした大味なゲームものでその威力には驚くが見ていておもしろいかといえば(コアなテニスファンにはおしかりを受けるが)、やっぱりやっておもしろいスポーツだ。

 たとえばサーブでいえば、テニスの場合強力な第1サーブが相手コートに入らなければ、ほとんどは安全なカーブを描くような第2サーブで確実に決めて落差の大きいゲーム展開となる。
 野球の場合はひとりの打者に対して3ボール2ストライクまで幅があるのでその間に何球も快心の強力ボールを打者に投げ込むダイナミズム(dynamism)の長い余韻がある。見ていて楽しいスポーツのダイゴ味だ。

 (4)本日の新聞一面にはテニス全米オープン決勝を戦い終えた両選手がネットを挟んで互いの健闘を讃(たたえ)えあう写真が掲載されていたが、178センチの錦織選手から頭ひとつ飛び出た198センチのチリッチ選手の大きさが印象的だった。

 テニスのネットはバレーボールのネットやバスケットボールのゴールポストと違って身長にはさほど影響を及ぼさない高さだからどちらかといえば身長に劣る日本人向きのスポーツともいえるが、それでも高い位置からのサーブ、ラリーでの角度の高さは身長の高い選手の強力武器には変わりはない。

 (5)テニス全米オープン決勝に進出した錦織選手は、準決勝で現在世界ランキング
1位のジョコビッチ選手(27)を圧倒して勝利して、決勝の相手は自身(8位)よりも世界ランキングが下位(12位)でこれまでの対戦も5勝2敗で勝ち越しており、グランドスラム優勝には願ってもない有利な状況で、風は吹いていた。

 しかし相手も初の全米オープン決勝進出で同世代として心に期すものがあって当然で、テニスの強い原点でもある強力超高速サーブが威力を発揮して錦織テニススタイルを圧倒して全米オープン初優勝を成し遂げた。

 (6)錦織選手にはこれからグランドスラム制覇のチャンスがやってくるときは必ずあるだろうが、整えた与えられたチャンスは与えられたときに掴む(seize an opportunity)か掴まないかは、その後の試練、展開を大きく左右するほど重要なものだ。

 身近でも1度やってきたありえないような絶好のチャンスを逃がして、ついぞその機会に巡り合えなかった例もある。
 
 (7)今のテニス4強時代は27~28才で、もちろんこのままではまだまだひっこむはずもないが、チリッチ、錦織選手は24~25才の第2世代(the second generation)だ。着実に彼らのテニス時代へと移行していく原動論(dynamism)の全米オープン結果だ。

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