いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

永遠の過労死。 eternal death by overwork

2016-11-09 20:10:04 | 日記
 (1)長時間労働による過労死(a death by overwork)問題は、日本の経済社会がずっと引きづってきた問題だ。戦後日本は戦前の軍国主義国家のアジア侵略支配と第2次世界大戦の敗戦の反省(多分多くの国民が反省した)、さらに戦後の経済社会崩壊の復興を目指して平和憲法のもとに経済成長の道を歩むことになる。

 その主翼を担ったのが戦後団塊世代といわれるベビーブーマーたちだ。企業、社会の歯車として当時を映す象徴的な表現として昼夜を問わずに働き続けて経済発展、成長に寄与してきた。

 (2)労働力は人間としてではなくて企業の生産性を高める「歯車」(cog)としての役割を求められて、矢尽き倒れればそのかわりの労働力は豊富にあるという循環型労働社会で高度経済成長期をつくり出して、当時のGNP(現在はGDP)世界第2位の経済発展国日本を形成してきた。

 その間にも労働者の過労死問題はあったが人権よりは欧米社会に追いつけの経済最優先社会の中でさして大きな社会問題とはならずに、戦後日本の経済発展、成長の陰で埋もれていった。

 (3)この結果日本は高度経済成長社会のバブル(bubble)経済からそれがはじけて、同時に世界的な経済不況の波の中でバブル経済の反省の中で安定不況時代を迎えて長いデフレ不況を引きづることになる。

 現代はグローバル経済社会の中で日本企業は高い技術開発力による輸出産業中心に堅調な日本経済を支えている。
 国際経済はグローバル化により国際競争力の比重が高くなり、また為替相場の変動影響を世界のどこもが同時に受ける経済構造の中で、企業は収益力構造の改革に絶えず迫られて自ずと労働力、収益効果率への負担は大きくなり、長時間労働による過労死は再び社会問題として国民の関心を高く集める社会となった。

 (4)高度経済成長期の労働力ダイナミズム(dynamism)の信奉理念の残る日本社会は、政府も労使協定による長時間労働を法律上残すという過労死社会でもある。
 今回の電通社員の長時間労働が原因とみられる自死問題で厚労省は電通を強制調査しているが、国の方針としては長時間労働を条件付きで法律上認めながら一方で長時間労働による過労死企業を強制調査するという相矛盾した対応に迫られている政策の不統一が見られる。

 (5)時代は無差別な長時間労働による生産力向上社会から、すでに労働効率性による収益力向上社会に変化してきており、政府の方針、対応は時代の変化に適応しておらずに矛盾した悲劇を助長している現実社会だ。

 国、政府が社会の方向性に向けて変わらなければならない。

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