(1)政府は科学的根拠、知見(insight)のないコロナ対策と経済社会活動を政略でこれまで実現しようとしてきたのが評価だ。オミクロン株感染第6波は1日感染が全国5万人に迫り過去最大で、累計200万人を超えて増え続けている。
政府有識者会議の尾身会長はオミクロン株のこれまでの特性から「渋谷の交差点がいくら混んでも感染しない」(報道)として「人流抑制」から飲食店などの「人数制限」へ対策をシフト(同)するよう求めている。
(2)尾身会長のこの発言が「科学的根拠」、知見、判断に基づくものなのか、かって「人流抑制」要求で国民、特に若者層に理解が進まずに人出が増えて感染拡大が続いたことに危機感を持ち、自らSDGsをテーマにした若い漫才タレントと対話をしてその考え、思い、傾向を探ろうとしたことがあり、今回「人流抑制」をいくら言っても無理とのあきらめからの「人流抑制」ではなく「(飲食店などの)人数制限」に転換したのではないのかと危惧する。
(3)人流抑制も人数制限も「数」の制限には変わりはなく、しいていうなら接近の時間、比較大声を出さない程度の違いで「人流」の方が圧倒的に物理的媒体容量が多いわけだから感染拡がりも多いと普通は考えらえるので、「(オミクロン株は)渋谷の交差点がいくら混んでも感染しない」はコロナ本質論からすれば少々やけっぱちの印象もある。
(4)オミクロン株は感染力は高く、重症化は低いとの科学的データはあり、「感染力が高い」オミクロン株では人出、人混みは避ける方が科学的見地、知見といえる。尾身会長には「渋谷」発言の科学的根拠、見地を示してもらいたい。
尾身発言はもちろんワクチン3回目の接種普及効果を前提としてのものだろうが、コロナウイルスは人の体内に侵入して増殖し感染を続ける性質、特性があり、コロナ防止対策では国民ひとりひとりが危険を自覚して回避、除去する強い心構え、注意、意識が基本で必要だ。
(5)そうでなければ変異を続けるコロナウイルスとの対決は終わらない。科学的根拠、見地はもちろん必要で大事だが、最後はコロナに感染したくない国民ひとりひとりの「強い」意思、実行でしかない。