いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

法律まかせの行政。 leave an administration to a law

2016-11-15 19:36:59 | 日記
 (1)行動、表現による精神障害問題から危害を及ぼす恐れのある人物を入院、観察、治療する措置入院は、退院後も届け出居住地域の行政機関が定期的に当該者と連絡をとり現状を把握することになっているが、他地域に移動したり勝手に住所を変えたりしてその情報が当該行政機関に行き届いていなくて不明のままあらたな事件を起こすことが起きた。

 大麻精神病と診断された人物がそのまま措置入院の退院をされたことも問題なら、行政機関の縦割り行政、セクト主義による連携の悪さは相変わらずで、管轄外のことには関心を示さない無責任行政は反省もなくどうしようもないものだ。

 (2)警察関係でも男性ストーカーが被害女性を追って西日本を渡り歩き被害女性を含む親子を殺害した事件では、出発点の警察がストーカーの行動、移動を把握しながら他県の警察機関に情報を提供せずに結果として惨事に結びついた。

 これなども警察によるセクト主義が弊害になったとみられて、日本全国から犯罪を撲滅するという警察共通課題、認識、使命はどこに忘れてしまったのか、不思議でならない。

 (3)大阪地検の成果主義による証拠デッチ上げ事件も、犯罪抑止による市民、国民の安全、権利、生活を守るという本来的な効果業務、使命を忘れての組織防衛のためのなりふり構わない成果至上主義に冒(おか)されている不幸だ。

 こちらの方は検察改革が進められるはずが、やはり遅々として捜査の全面可視化の検討はあっても今だに効果的な実施対策は聞いたことがない。
 政府、厚労省は措置入院患者の事件再発防止のために自治体の情報共有による連携をはかるための法改正を実施することになった。

 (4)全国の行政機関が連携して情報を共有して、効果的な行政運営をはかることは当たり前のことなのだが、それがまったく自然に機能しないという理不尽な(unreasonableness)体制だ。

 情報化時代、社会において情報共有手段は(高いセキュリティ対策は必要)格段に迅速に進歩したはずなのに、国民の利益保障のために真っ先に利用、活用すべき行政機関、組織が取り残されている問題意識の低さだ。

 (5)国による国民の公平、公正、平等な権利意識、行使のためには法律で定めて基準化し明確にすることは前提だが、すべてが法律にもとづかなければ行政が動かない、動けない(leave an administration to law)ばかりではないし、そうあってはならない。

 冒頭2例のように国民の安全、生活、権利を守るために行政機関が日常業務の責任、使命、役割の中で当然のように業務連携をはかるべき事象、事例はある。
 行政の日常業務の情報共有、活用、連携ごときが法律ひとつなければ進まないではあまりにも形式主義的遅滞であり、行政主義の形而上的(かたちにあらわれない)本質論をわきまえない不幸だ。

 (6)法律がなければ動かない行政指導というのも、子どもを教育するのと同じでこれが日本の行政機関の能力なのかと思うと、何をかいわんやで思いやられる。

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