(1)韓国尹(ユン)大統領の作、演出、主演の韓国深夜政治ドラマは朝を迎えることなく6時間で終演した。シナリオが場当たりで練られたものではなく、あったのかどうか、主演を支える共演者不足では与野党、国民を問わず不評でなすすべがなかった。
(2)韓国ドラマの時代物では必ずと言っていいほど歴代の「名君」が登場して、庶民の人気、支持、信望も高く、厚く「名君」も身を隠して庶民生活の中に入って暮らしを見て庶民の信頼に応えるというのが定番だ。
(3)しかし実際の本当の近代韓国の政治指導者を見ると、歴代の大統領はほとんどあるいはすべてといっていいほど退任後は大統領時代の犯罪で訴追されて逮捕される末路だ。
要因として韓国大統領には絶大な権限、権力が集中して目がくらむのだろうか、親族を巻き込んだ事件にからんで大統領経験者がその後逮捕されている。
(4)韓国は朝鮮半島を境界線を挟んで二分する北朝鮮と対峙して、絶えず軍事状態、緊張関係にあり韓国大統領に強大な権限、権利を与えて的確な安全対応に対応する必要があることが要因として考えられる。
そのために自由主義陣営の日米韓同盟の強化を進めており、韓国、北朝鮮はこぜりあい、北朝鮮の核実験、ミサイル発射による脅しはあっても容易には直接韓朝戦争状態に向かうということは考えにくく、強力な権限、権力を利用しての韓国大統領の蓄財、自己利益に目がくらむ、落とし込められる誘惑が大きいといえる政治歴史だ。
(5)尹大統領も「妻を巡る数々の問題」(報道)が指摘されて、国会で過半数を占める野党から捜査をくり返し要求されて苦境に立たされて打開しようとした。これまでの大統領のように退任後の末路が待ち受けていたと考えられる。
そういうことが尹大統領と「わずか」しかいない側近閣僚による突然の多数野党の追及に対して「内乱を企てる明白な反国家行為」という意味不明の狂乱の非常戒厳令の宣布だった。
(6)韓国文化、芸術がアイドルミュージシャン、アジア女性初のノーベル文学賞授賞で世界的に人気、称賛、注目を集めてはいるが、韓国が北朝鮮と対峙する軍事国家だったことを強く認識させられるものだった。その背景を国家指導者が間違えれば国家、政治、社会に重大な混迷を与える。
(7)日本としては韓国保守派尹大統領の就任で日本との関係改善が進み、両首脳の交互の訪問外交を確認したところであり、尹大統領の突然の戒厳令騒動はすべてが白紙となり、今後の韓国政治の動向に関心、注目が集まる。尹大統領は近々演説をするといわれる。
日韓首脳とも国民支持率の低迷、野党の過半数国会という共通問題を抱えて、追いつめられての打開策が見つからない。