今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

チビ ~ドラマチックな救出劇(後編)~

2016年10月18日 | (故)チビ 
(今回は10月11日の記事からの続きになります)

現場に向かうときに一瞬迷いました。
SCから出て、バス通りと遊歩道を回って公園の丘陵入口にいるチビに合流するか。しかし、午前中の3時間にわたる悪戦苦闘を繰り返しても意味がない。しかも夜。ひとまずチビを見下ろせるSCの裏手に向かってK君に合流しました。

     
  (再掲)チビが戻ってきた公園の入口  夜はこんな感じ(見えなくてすみません)
                            実際は街灯があるので結構明るい

K君に合流すると、眼下にチビがいました。
チビはちょうど街灯のある位置、我々の真下にまで寄ってきてピーピー鳴きながら助けを求めていました。
チビも我々も必死です。今度はもう失敗できないと直感しました。そして、午後にチビを捜索して歩き回っていた時に気づいた、あることをK君に話したのです。

公園の丘陵とSCの間を通っている道、奥の方にある大きな池に向かってずっと進むと、SCと同じ高さまで盛り上がっている部分がある。そこまでチビを誘導できれば・・。
K君は、直ぐにその場所を確認しに行きました。

     
    (再掲)公園の奥に向かう道             夜はこんな感じ
    この先が上り坂になっている      街灯が点々とあるのでそこそこ見える


その位置まで100mはあろうか。
K君は戻ってきて言いました。
「ちょっと距離がありすぎるんじゃぁ・・・」
しかしそのとき既に自分は、SCの上からエサ箱で音を立てながら、フェンス伝いに奥へと移動し始めていました。

すると、チビが追って来る。
こっちを見上げてピーピー鳴きながら、SCの擁壁に沿って道を移動してくるではないですか。いやあ嬉しかったです。よしッとばかりにK君と二人、SCの上から大声を出してチビを少しづつ誘導しました。

時には道端の植栽(ツツジ)の中に隠れたり、時には大きな木の陰になったり、見えなくなってもピーピー鳴き通しなので、チビが追ってきていることがわかりました。
それは結構長かった。
しかし、チビも諦めなかった。
やがて道は上り坂に差し掛かり、我々のいるSCとチビのいる道との高低差がどんどん小さくなってきました。

高低差が1mを切った辺りで、チビが意を決して擁壁をよじ登りました。K君と二人、そして見守っていたトラックの運ちゃんも大歓声です。

チビは擁壁上のフェンスの向こう側をう右往左往しました。K君が金網の破れた箇所を見つけてチビを誘導しようとしましたが、自分が止めました。やはり人が近づき過ぎるとチビは逃げてしまう。そうなったら元も子もなくなってしまう。 しかしチビは、自分でフェンスをよじ登ってSC側に着地したのです。何とも言えない、救出に成功した瞬間でした。

今度は、SCの中を店に向かってチビを誘導しました。店で待っている連中がどれだけ喜ぶか。途中で散歩のワンちゃんとすれ違って緊張しましたが、チビは慌てることなく待機してやり過ごし、我々の後について来ました。 やがて店が見えると、チビのシッポがピンと上がり、彼は店に向かって一目散に走り出したのです。


          
            救出劇の翌日、いつもの箱で安眠するチビ


         *********************************************

どうしてチビはSCから落ちたのか。
翌日になって、原因と思われる箇所をいくつか改善しました。
しかしチビはこの3日後に再び落下、そしてさらにその10日後に三度目の落下し、帰らぬニャンコとなってしまった。

その経緯についても、近いうちに書き綴っておこうと思います。

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チビ ~ドラマチックな救出劇(前編)~

2016年10月11日 | (故)チビ 
チビの不幸な事故から1ヶ月ちょっと経ちました。
その間にテツとの死別というメガトン級のショックがあったりして、チビがこの世に生きた証をしっかりと書き留める作業が滞っていました。

5ヶ月半という短い共同生活だったけど、まだまだ人への不信感が消え去ってはいなかったけど、毎日を一生懸命に生きているその健気な姿がとても印象的な子猫でした。
      
         少しづつ人に馴れてきたチビ、たまに喉を鳴らすことも


この春から始まったチビと、ニャーとシャッポの平和な生活。
そんなに長くは続きませんでした。
夏になるとそれまで気まぐれの"通い"だったダイフクが、この店に本拠地を移そうとしたのか毎日現れるようになって、他の3匹を追い払い始めたのです。

(※大型でボスキャラのダイフクの話は、いずれ改めて紹介します。)

特に店に人がいなくなる夜はダイフクの天下で、3匹は店にいられなくなり、朝はまず不明、昼過ぎなって安全を確認してから戻ってきたり、一日中消息不明の日もありました。そのうちニャーが襲われて通院騒ぎに、シャッポやチビも、襲われる寸前にかろうじて(スタッフに)助けられたり。そして店内のここかしこにダイフクの執拗なマーキング。スタッフがいない限り、店内に3匹の安らげる場所はなくなってしまいました。

ニャーは炎天下の駐車場に彷徨う日が続き、チビとシャッポは裏の駐車場や表の駐車場と、ジプシーのような日々。

このときに、もっとしっかりと手を打っておけばよかった。
当時はダイフクも何とか仲間になれないかと、そんなことを考えていました。。。

あれはダイフクに襲われそうなチビを助けてから間もない8月27日、朝の10時半頃、SC裏の遊歩道に落ちているチビを偶然、スタッフのAiさんが発見したのです。

戻りたくても2mの擁壁があって戻れない。
自分が現場に駆けつけたときは、チビは擁壁伝いにバス通りと反対方向へ移動して、公園の丘陵の入口でピーピーと鳴いていました。

それから応援を呼んで、チビの好きな食べ物、ダンボール箱、猫じゃらしなど道具も用意して何とか保護しようと努めたのですが、まだ人間不信の残るチビ、しかも興奮状態、とても簡単にはいきませんでした。

いつにもまして鳴き続けるチビ。とにかくいろんな方法で何度も何度も保護を試みては失敗、「あー、こやつは何てすばしっこいんだ」と恨めしくなりながらも諦めるわけにもいかず、途方に暮れながらの救助活動を続けました。


しかし3時間ほど経った頃、苦心のかいなく、チビは公園の丘陵へと消えたのです。


         ↓チビが落ちた遊歩道、手前がバス通り
      チビは擁壁と川の間を、向こうの公園の方に移動した
      

  ↓公園の入口。左手が公園の丘陵(チビは右手から移動してきた)
          SCと丘陵の間の道が手前に続く
        ちょうど街灯があるので夜も少し明るい
      

           ↓SCから見る公園の丘陵
      手前にある擁壁(フェンスの下)に沿って道が続く
      

          ↓SCの擁壁に沿って奥へと続く道
     公園の入口と続く空き地(下写真右手)が救出劇の舞台
      
        ※この道の奥の方に、チビ救出のヒントがあった

       ↓どうしていいのかわからず途方に暮れるチビ
     (この写真は、最悪の場合に備えて念の為に撮ったもの)
      


(SCの地形的な説明は、9月29日の記事にも詳しく書いてます。)


チビを見失っても、もちろん諦めるわけにはいかなかった。
諦めるということは、チビの過酷な運命を決定的なものにするからです。
午後はSC裏に広がる公園の丘陵と、その向こうにある住宅街を何度も何度も見回りました。
チビのことだから必ず鳴いているに違いない、その声を頼りに探し続けました。
しかし、そのうちに日が暮れて・・・。

夜になって、何とも言えない雰囲気が店を覆いました。
居合わせたスタッフ、ニャーもシャッポも。
チビが明らかに救いを求めているのに、まだしっかりと懐いていないチビに近づけば逃げてしまう。チビも我々も、どうしようもないジレンマに陥っていたのです。
「しかたないよな・・・、」
諦めの気持ちと諦めきれない気持ち。
翌日に備えて、警察署や保健所の連絡先を調べ始めました。

店を閉めてから1時間ほどして、スタッフのK君が帰宅しました。

そのK君の携帯から電話が、
「チビがいますよ。例の場所(昼の救出劇の場所)に戻ってきてる。」

その電話が切れる前に、店を飛び出していました。



・・・文章力のなさで、とりとめもなくしかも予想以上に長くなってしまった。

この話は「後編」に続きます。

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愛くるしい子猫  チビ

2016年10月03日 | (故)チビ 
このブログを始めるきっかけとなった子猫の話です。
彼はその短い猫生を本当に精一杯生き抜いた。
無邪気、天真爛漫、軽快、そんな形容がぴったりの子猫でした。


チビがはじめて店に現れたのは今年の3月。
ここはSC外から子猫が単独来れるような場所ではないので、母親に追いて来てはぐれたとか?
そのときは極度の人間不信でした。

「でもここにはいつも食べ物がある・・・。」(当時は置きエサだったので。)
子猫は、ここで生きていく決意をしたようです。

      
           はじめはおどおどしていたチビ

そのときは先住のニャーがいたのでどうなるかと思いきや、何とニャーを母親代わりに慕い始めました。ニャーは迷惑そうにしながらも追い出すわけでもなく、それから、チビの後追いが始まったのです。
そして彼は少しづつ、人との生活を受け入れていきました。

      
           ついにニャーのそばをゲットした瞬間

      
             なんたってまだ子猫


チビの最大の特徴は、とにかくいつも鳴いてること。
食べているときも、歩いているときも、遊んでいるときも、毛づくろいをしているときも、待ってるときも、いやときとして眠っているときでさえ鳴いてました。(寝言?) 子猫の声で休むまもない連続鳴きで、まあおかげで何処にいるのかよくわかったもんです。

おそらく彼の肺活量はすごかったんだろうな。細身で手足がやたらに長いのも特徴で、遊んでいるのを遠くから見ると、跳躍の高さといい幅といい、猫というより鹿そのものでした。

でも、彼は人になかなか懐かなかった。
こちらを見れば何処からでも寄って来て追いては来ても、1m以内には近づかないし近づけない。5ヶ月経っても、限られた女性スタッグがかろうじて触れる程度でした。



この跳躍力と人間不信が彼の運命を決めることになってしまうとは・・・。
(チビの話は次回、「劇的な救出」の回に続きます。)


       
           ニャー、シャッポと休息のひととき



 
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