キーがまた涎を垂らして食べなくなった。今月初めのことです。
2月に右上犬歯がぐらぐらになった時は、病院で診てもらった時にはもう外れていた。
キーの様子から見て、今度は左上犬歯が抜けそうなんだと容易に想像できた。
まあ、今回もそのうち外れるだろうと。
ただ何かゼイゼイして、しんどそうにしているのが気になってはいた。
左上犬歯が斜めになっていることを直接確認したのは、2日目のことでした。
ただ、前回とは違って横ではなく奥の方に傾いていた。
つまり犬歯が下の歯茎に当たって口が閉まらない。痛みもあるに違いない。
慌てて病院に連れていくことに。
初めはのんびり、突然バタバタのいつものパターンだ。
なでなで大好きだけど、ホールドは大嫌いなビビリのキー
ところが、それからが問題だった。
GWの後半に入り、当家がお世話になっている病院はすべて休み。
近くの病院遠くの病院いろいろ調べているうちに時間がどんどん経っていった。
たかだか抜けかかった歯ではあるけど、以前にリンの健常な歯をいきなりペンチで抜こうとした先生に出会って以来、医者選びには大変慎重になっているのです。
あれだけいつものんびり楽天的なキーが、見るも無残な様相に変わっていった。
涎でぐしゃぐしゃの情けない顔になったとは言え、表面上は元気に振る舞うキー。
しかし何も食べないし、水を飲んでるのかどうかもわからない。
1日また1日と経つにつれ体力が削がれるいることは間違いなかった。
さらにもっと心配なこと。肝リピドーシスと呼ばれる肝機能障害だ。
特に太り気味の子がなりやすい、突然食べなくなったときに発症する疾患です。
斜めった犬歯がつっかえて口が閉まらなくなった
で、とにかくキーには食べやすい物を選んで滅茶苦茶に差し出した。
キーだって歯の状態が悪いだけで身体は健康、お腹も空けば喉も渇く。
次から次へと10回くらい出して、ようやく親指の先ほどを飲み込む。
それが1日に1回か2回。他はひたすら逃げて回る。
3日目、4日目が過ぎ、5日目になった時はもう病院探しも諦めた。
「明日朝一で連れて行こう。」
思いのほかキーが元気そうなのに救われた。
犬歯がぐらつく前。このおデブ振りが功を奏した?
たも網での捕獲、ネットに入れての通院、当家の保護者はもう慣れたもの。
先生は一見して「これは可哀そう。」
歯を軽く引っ張ってもなかなかとれない。
「場合によっては麻酔が必要になるかも」と言った途端に、犬歯がポロリと落ちた。
とても長い、可視部分の3倍くらいはある犬歯でした。
とりあえず抗生剤を打ってもらって手当は終了。
その日、夕方にはいつものキーに戻ってひたすらがっついてきた。
いきなり食べ過ぎないよう調整するのに苦労するほどでした。
でも、ふと思うのです。もしキーがノラだったら・・。
こんなことで、餓死という形で命を落としてしまうのだろうか。
改めてノラの悲哀を考えざるを得ないのでした。
犬歯が無事に抜けてクウ(右)と一緒に天空寝床で (キーよ、保護者を有難く思えよ)