チビやテツ、そして今回のシャッポ、いろいろ後押しされたけど結局自分は、ニャンコお助けボランティアにはなれないのだと思います。シャッポに突然の失踪されたことで頭が一杯で、他のニャンコに気が回らない。
先日夜遅くに帰宅途中、いないと思っていた家の近くで2匹のノラを見かけた。店ではたまたま正月に置き餌をやったら、テンちゃんに出会った。つまり自分に見えてないだけで、身の周りにはもっともっと不幸な境遇の、手を差し伸べるべきノラたちが無数にいるのだ。なのに、シャッポやおかあさんのことばかりでそのノラたちに気が回らない。
圧倒的に数が足りない中で、少しでも多くのノラを助けたいと頑張っているボラさんたちには申し訳ないけど、自分は「ノラの本懐」で述べたように、やはり"個々の命"との関わりを大切にしたいと思うのです。迷いながらの悠長な方法で。
店に住み着いた頃のチビ
シャッポが失踪して1ヶ月を過ぎた。
親の欲目じゃないが、シャッポがあの恵まれた環境を自ら放棄するとはどうにも合点がいかず、最近は事件(たとえば連れ去り)に重点を置いて調べています。ネット探索のみならず、店の顧問弁護士や警察、動物保護センターの考えも聞いてみた。
すると、いろいろなことが見えてくる。
野良ニャンコの保護に関連した法規は民法、刑法はもとよりいろいろあるが、やはりその中心は動物愛護法です。野生動物を対象とする鳥獣保護法との関連については、このブログの「ノラと野生の狭間で」という記事で論じたテーマが、その筋でも繰り返されていたことを知りました。(野生の猫は法的には"野猫"というらしい。)
しかし人間社会の中で暮すニャンコは明らかに野生じゃなく、ノラだろう。ルールを守れば狩猟が可能な鳥獣保護法の対象ではない。そして何より、全ての猫は"愛玩動物"として、動物愛護法で守られているのです。この法律には罰則があって、ニャンコをいじめれば立派な犯罪だ。しかも鳥獣保護法の対象外ということは、「いかなる理由があっても」ということになるのです。
環境省「動物の愛護と適切な管理」
動物愛護法違反は親告罪ではありません。警察への通報、それがすべてです。市民全員が"目"となって犯罪を許さないことで、はじめて威力を発揮する法律なのです。
店に現れた頃のシャッポ
もうひとつの無視できない法律、「遺失物横領罪」
民法や刑法ではノラたちは遺失物になります(改正後は「占有離脱物」)。そして勝手に持ち去れば「横領罪」の対象です。さらに場合によっては「窃盗罪」、勝手に手術したりすれば「器物破損罪」となり、れっきとした犯罪です。
これらの法律との関連については大変多くの議論があって、しかも法律関係なのでほとんどが難解でつまらない。でも自分なりに突き詰めれば、TNRボラさんが連れ去るのと虐待目的の変質者が連れ去るのではどう違うのか、ということだと思います。
自分の結論を言いますと、ボラさんたちは今まで通り活動して下さい。そして一般の人は、怪しいと思ったら何でも警察に通報して下さい。警察は動く義務があります。ボラの活動は国から認められているので、捕まっても説明すれば(感謝されるこそあれ)罪に問われることはありません。
参考までに、環境省が出しているいろいろなパンフです。
国の考え方がわかります。
環境省「パンフレット・報告書等」
心やさしいおかあさん
地域猫活動(TNR活動)について
理想ではないが評価できると思っています。(個人的には賛成しかねるけど"数"を処理する場合はやむをえないのかなと。) 国内でも海外先進国でもうまく行ってないと指摘する人がいますが、その理由はボラさんの数が少な過ぎるからです。今後は各地に大勢いるエサやりさんたちとの協働が鍵になるのではないでしょうか。ちなみに理想ではないと述べたのは、この取り組みがニャンコ自身のためではなくて、ノラを減らして人間社会の環境を良くするという、害獣駆除に似た発想が根底にあるからです。
エサやりについて
かつて「エサやりおばさん」の記事の中で書いたことは正しかった。ノラたちへのエサやりは国(環境省)によっても容認されています。目の前で死にそうなニャンコを見殺しにしろなどと、日本はそんな非情な国ではありません。問題はエサやり自体ではなく、場所や環境配慮のない無責任なエサやりなんです。よく話題になる京都市のエサやり禁止条例も、よく見れば「無責任なエサやり」を禁止しているのです。
その無責任なエサやりが地域猫活動やノラニャンコ自体のイメージを悪くし、エサやりに関するネット上のスレッドで反対レスが多くなる原因にもなっています。実際には、強い関心はなくてもノラを見ればかわいそうだと思う人がほとんどだと思います。(下記関連スレッド参照) しかし「ノラにエサをやれば保護義務と管理責任が生じる」といった根拠のない脅し文句が横行しているので、エサをやってはいけないという間違った通念が広がっているのでしょう。
尚、エサやり禁止自体は動物愛護法違反になるが、「この場所(自分の土地)でエサをやるな」と看板を立てることは正当な行為です。エサやりにはあくまでも、場所や環境配慮が重要です。
環境省「地域猫活動」
(参考スレッド・中立で心温まる意見の多いものです)
Yahoo知恵袋「野良猫に餌をあげてはいけないという日本の変な風潮について」
発言小町「野良猫がかわいそうで仕方がありません」
発言小町「猫にエサをやらないで下さい」
在りし日のテツ
思わず力作して長くなってしまいました。
この話はこのブログのテーマでもあるので、近いうちにさらに掘り下げた形で再び書く予定です。
先日夜遅くに帰宅途中、いないと思っていた家の近くで2匹のノラを見かけた。店ではたまたま正月に置き餌をやったら、テンちゃんに出会った。つまり自分に見えてないだけで、身の周りにはもっともっと不幸な境遇の、手を差し伸べるべきノラたちが無数にいるのだ。なのに、シャッポやおかあさんのことばかりでそのノラたちに気が回らない。
圧倒的に数が足りない中で、少しでも多くのノラを助けたいと頑張っているボラさんたちには申し訳ないけど、自分は「ノラの本懐」で述べたように、やはり"個々の命"との関わりを大切にしたいと思うのです。迷いながらの悠長な方法で。
店に住み着いた頃のチビ
シャッポが失踪して1ヶ月を過ぎた。
親の欲目じゃないが、シャッポがあの恵まれた環境を自ら放棄するとはどうにも合点がいかず、最近は事件(たとえば連れ去り)に重点を置いて調べています。ネット探索のみならず、店の顧問弁護士や警察、動物保護センターの考えも聞いてみた。
すると、いろいろなことが見えてくる。
野良ニャンコの保護に関連した法規は民法、刑法はもとよりいろいろあるが、やはりその中心は動物愛護法です。野生動物を対象とする鳥獣保護法との関連については、このブログの「ノラと野生の狭間で」という記事で論じたテーマが、その筋でも繰り返されていたことを知りました。(野生の猫は法的には"野猫"というらしい。)
しかし人間社会の中で暮すニャンコは明らかに野生じゃなく、ノラだろう。ルールを守れば狩猟が可能な鳥獣保護法の対象ではない。そして何より、全ての猫は"愛玩動物"として、動物愛護法で守られているのです。この法律には罰則があって、ニャンコをいじめれば立派な犯罪だ。しかも鳥獣保護法の対象外ということは、「いかなる理由があっても」ということになるのです。
環境省「動物の愛護と適切な管理」
動物愛護法違反は親告罪ではありません。警察への通報、それがすべてです。市民全員が"目"となって犯罪を許さないことで、はじめて威力を発揮する法律なのです。
店に現れた頃のシャッポ
もうひとつの無視できない法律、「遺失物横領罪」
民法や刑法ではノラたちは遺失物になります(改正後は「占有離脱物」)。そして勝手に持ち去れば「横領罪」の対象です。さらに場合によっては「窃盗罪」、勝手に手術したりすれば「器物破損罪」となり、れっきとした犯罪です。
これらの法律との関連については大変多くの議論があって、しかも法律関係なのでほとんどが難解でつまらない。でも自分なりに突き詰めれば、TNRボラさんが連れ去るのと虐待目的の変質者が連れ去るのではどう違うのか、ということだと思います。
自分の結論を言いますと、ボラさんたちは今まで通り活動して下さい。そして一般の人は、怪しいと思ったら何でも警察に通報して下さい。警察は動く義務があります。ボラの活動は国から認められているので、捕まっても説明すれば(感謝されるこそあれ)罪に問われることはありません。
参考までに、環境省が出しているいろいろなパンフです。
国の考え方がわかります。
環境省「パンフレット・報告書等」
心やさしいおかあさん
地域猫活動(TNR活動)について
理想ではないが評価できると思っています。(個人的には賛成しかねるけど"数"を処理する場合はやむをえないのかなと。) 国内でも海外先進国でもうまく行ってないと指摘する人がいますが、その理由はボラさんの数が少な過ぎるからです。今後は各地に大勢いるエサやりさんたちとの協働が鍵になるのではないでしょうか。ちなみに理想ではないと述べたのは、この取り組みがニャンコ自身のためではなくて、ノラを減らして人間社会の環境を良くするという、害獣駆除に似た発想が根底にあるからです。
エサやりについて
かつて「エサやりおばさん」の記事の中で書いたことは正しかった。ノラたちへのエサやりは国(環境省)によっても容認されています。目の前で死にそうなニャンコを見殺しにしろなどと、日本はそんな非情な国ではありません。問題はエサやり自体ではなく、場所や環境配慮のない無責任なエサやりなんです。よく話題になる京都市のエサやり禁止条例も、よく見れば「無責任なエサやり」を禁止しているのです。
その無責任なエサやりが地域猫活動やノラニャンコ自体のイメージを悪くし、エサやりに関するネット上のスレッドで反対レスが多くなる原因にもなっています。実際には、強い関心はなくてもノラを見ればかわいそうだと思う人がほとんどだと思います。(下記関連スレッド参照) しかし「ノラにエサをやれば保護義務と管理責任が生じる」といった根拠のない脅し文句が横行しているので、エサをやってはいけないという間違った通念が広がっているのでしょう。
尚、エサやり禁止自体は動物愛護法違反になるが、「この場所(自分の土地)でエサをやるな」と看板を立てることは正当な行為です。エサやりにはあくまでも、場所や環境配慮が重要です。
環境省「地域猫活動」
(参考スレッド・中立で心温まる意見の多いものです)
Yahoo知恵袋「野良猫に餌をあげてはいけないという日本の変な風潮について」
発言小町「野良猫がかわいそうで仕方がありません」
発言小町「猫にエサをやらないで下さい」
在りし日のテツ
思わず力作して長くなってしまいました。
この話はこのブログのテーマでもあるので、近いうちにさらに掘り下げた形で再び書く予定です。
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