越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

第1回 幻のキューバ  サンティアゴのブルへリア(13)

2011年11月22日 | キューバ紀行

 私はカミオネッタと呼ばれる小型トラックの荷台を改造した乗り合いバスに乗って、

 エル・コブレに向かう。

 エル・コブレの町は、サンティアゴから内陸に二十キロほど入ったところにあり、

 キューバの守護神である「慈悲の聖母」が祀られているカトリック教会がある。

  サンティアゴの街なかを出ると、ただちに道路の両脇は山や畑に囲まれて、緑豊かな田園が広がる。

 三十分ほどでエル・コブレに着き、乗り合いバスをおりると、

 ロウソクやヒマワリを売りつけようとする者が寄ってくるが、私は首を振っていらないと言い、

 カトリック教会に通じる幅広いコンクリートの坂道を登っていく。

 半分ほど登ったところに三叉路があり、その一角にブルヘリアをしているエディタの家がある。

 家の前のポーチの土台にガブリエルがのんびりと腰をかけている。のんびりと見えて、実は通行人を物色しているのだ。

 (つづく)

 

 


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