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世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(3)

2015年04月20日 | サッカー部長日記

4月15日(水)

駿河台キャンパスで大学院の授業を済ませてから、電車で横浜へ向かう。  

きょうは、午後遅く春の大風が吹くらしい。空には季節外れの入道雲が浮かぶ。雷が怖い。

三ツ沢競技場の入口では、いまチューリップが花盛り。  

4時から試合開始。相手は、地元の神奈川大学。今年2部からあがってきた勢いのあるチーム。先発メンバーには、SBの高橋諒(文学部4年)の名前がない。その代わりに、河面旺成(かわづら・あきなり)(政経学部3年)が初出場。膝の故障を抱えるCB大越康平(法学部4年)の代わりに、副将のDF小池佑平(経営学部4年)が初出場。  前半、コイントスで風上をとった明治は、風を利して、キャプテン和泉竜司(政経学部4年)の先制弾と藤本佳希(文学部4年)の追い打ち弾で、幸先よくリード。  

後半、風下にまわって形勢わるし。神大の反則で腰を痛めた藤本に代えて、このところ好調の木戸皓貴(文学部2年)を投入。さらに、副将のMF小谷光毅(政経学部4年)に代えてFWの三苫元太(政経学部4年)を投入。それでも、なかなか追加点を奪えない。逆に、後半22分、キーパーの八谷惇希(商学部3年)が反則(審判にボールを2度持ったと判断された)を取られて、ゴール前で間接フリーキック。ゴール前にずらりと並ぶも、放たれたボールが明治の選手の体に当たり、オウンゴール。何だかすっきりしない。 

後半35分から36分にかけて、SB室屋成(政経学部3年)が右からゴールライン沿いに鋭く切り込み、センタリングをあげるが、ディフェンスにクリアされる。そこから、4度立て続けに右から左からコーナーキックを放つも、得点にはいたらず。  

こうした展開で、引き分けに持ち込まれたら、一気に選手たちのテンションがさがるだろう。気合いで守りきれ!と、ロスタイムに入ると、ベンチは3枚目のカードを切り、ボランチの差波優人(商学部4年)に代えて早坂龍之介(政経学部3年)を入れる深謀遠慮の作戦。  

ようやく2-1で辛勝。3-0で勝つハーフタイムでの目標も想定外の出来事で一転タフな試合に。選手にはいい試練になったかもしれない。

試練を与えてくれた神大チームに感謝。楽勝は選手をダメにするから。

負けるのは簡単でも、勝つのはつねに難しい。 

しかし、これで3連勝。しかもすべて1点差。2日休んで、土曜日には、強敵・流通経済大学との一戦。しかも敵地に乗り込んでの大一番。

 

自分のチームの事情に思いを馳せることも大事だが、相手のチームの事情に思いを寄せることも重要だ。私たちは絶対的な尺度など持てないのだから、傲慢になってはいけない。

「どの文明も、自己の思考の客観性志向を過大評価する傾向をもつ。それはすなわち、この志向がどの文明にも必ず存在するということである。われわれが、野蛮人はもっぱら生理的経済的欲求に支配されていると思い込む誤ちを犯すとき、われわれは、野蛮人の方も同じ批判をわれわれに向けていることや、また野蛮人にとっては彼らの知識欲の方がわれわれの知識欲より均整のとれたものだと思われていることに注意をしていない」*(1)    

冒頭の「どの文明も」というくだりを「どのチーム」に入れ替え、「野蛮人」を「敵のチーム」に入れ替えると、サッカーの試合にも通じることが分かる。

註 (1)レヴィ=ストロース(大橋保夫訳)『野生の思考』(みすず書房、1976年)3ページ。

参考:  明大スポーツの記事 

(下の写真)東京中日スポーツ(首都圏版)4月16日(木)

 

 


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