ねこのにくきゅう「泣き虫おかん日記ー星が笑えばー」

あかいねこの
       ひとりごと 

分解と合成 死の上に生あり

2018-06-06 13:48:53 | 日記
福岡伸一の動的平行 分解と合成 死の上に生あり

2018年5月31日 朝日新聞朝刊より抜粋

人間以外に自殺する生物っていますか?
難しい問いだが、私の知る限りでは答えはNO。
アリやハチで巣を守るために命を捧げるものがいるが、これは自殺というより殉職である。
カマキリやクモで交尾の際、メスに食われてしまうオスがいるが、これもオスが我が身を
献じているというよりは、メスが獰猛だからのようだ。
 ではレミングの集団自殺は?レミングは寒冷地に棲むネズミの一種。
大繁殖すると個体数を調節するため、次々と崖から海に身投げして「自殺」すると
長らく信じられてきた。しかしこの説を広めた記録映画はヤラセであったという指摘が後にされている。
スタッフが買ったレミングたちをカメラの外から追い立てていたらしい。
大移動の途中、不慮の事故で死ぬ個体は少なくないが、積極的に自殺しているわけではない。
生物はいずれも必死に生き、そして自らの運命をただ静かに受け入れているように見える。
 ただしこうは言える。
私たち生命体の内部では「自殺」が今この瞬間にも大量に起こっている。
細胞の自殺(アポトーシス)である。
分解と合成の動的な平衡こそが生きているということであり、その回転をとめないために
絶えず細胞が自発的に死に、同時に新生されている。つまり死の上に生がある。
それは音のない大瀑布のような流れとして生命の内部を貫いている。(生物学者)
                           朝日新聞より抜粋





誰だって迷い続けて生きているんです



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする