山本周五郎の短編小説を北アルプスの山中、テントの中で読んでいる事は以前にも書きました。
元々は山に持って行きたい本が思い当たらず、兄貴の本棚から拝借して行ったのが山本周五郎作品との出会いです。
その山本周五郎作品の中で感動的な物語は幾つもあるのですが、最近特に感動したのが
新潮文庫『花匂う』内の『風車』と『酔いどれ次郎八』内の『酔いどれ次郎八』です。
周五郎作品の主人公(男)は本当に爽やかな、夏の稜線を吹き抜ける風のような男達です。
その男達に一途で直向きな想いをよせる妻や許婚の女性達。
北アルプスで周五郎作品を読んでいると、そんな主人公にチョッピリ近づけた気にさせてくれます。
でも、『酔いどれ次郎八』は、ちょっと異質。
ほんと切ない・・・物語です。
正に日本の情緒、ラストに余韻を残す素晴らしい作品です。
その感動の切ないラストをここで『ぶちゃけたい』気持ち満々ですが、そこはぐっと我慢。
文庫本裏表紙にあるストーリーだけを御紹介!
藩の名刀を奪い、役人を斬って薩摩藩に逃げ込んだ侍を上意討ちにする命をおびた矢作次郎八と岡田千久馬。
二人は首尾よく本懐を遂げるが、薩摩藩士に取り囲まれ退路を断たれる。
千久馬を逃がし、その場で死んだと思われていた次郎八が二年後に藩に姿を現した時、
かつての許婚は千久馬のもとに嫁いでいた―。
次郎八のとる意外な行動を描く表題作。
読み終えると、感動です。やるせない・・・。
俺がもし、次郎八と千久馬の共通の友である欣之助だったなら、黙っていられないのは間違い無し。
ラスト、欣之助が発する言葉は、この物語を読んだ者の想いでもあると思います。
その言葉だけでもブログに乗せて、この記事をしめたいと思います。
『これ程の武士を、――』
欣之助は咽びながら云った、
『みすみす悪名に朽ちさせるのか』
山本周五郎さんの小説を本屋さんで探してきますね[E:wink]
昨夜のテレビ[E:tv]『天空の宿へ』を見ましたよ[E:shine]
上高地→涸沢→北穂高[E:shine] 私にも行けそうです\(^O^)/♪
心がわくわくして昨夜は眠れませんでした[E:heart02]
北穂も中々でしょ?
番組に出ていた涸沢ヒュッテの社長?オーナー?は
『岳』に実名で登場している人なんですよ。
旦那さん知ってるかも!
山本周五郎の小説は時代小説だから、女性にはどうかなぁ~。