寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

ガックし! 

2011年05月15日 | 本と雑誌

5月10日、映画『岳』を観て来ました。

 

上映開始直後は、『岳』が映画になった事に感動していた俺。

しかし・・・。

ストーリーが進むにつれ・・・原作と映画の設定の違い。

原作のエピソード改ざんが目に付き、完全に冷めた気持ちでエンディングを迎えました。

 

冷めた理由

何故にあそこまで原作の登場人物設定を変えたのだろうか?

「野田」が「三歩」の先輩だったり、「阿久津」が熱血救助隊員で「久美」の先輩ってのは酷かったし

「ナオタ」も、ひ弱な子供に描かれていた。(岳第3集、第3歩『オトコメシ』のラストに於ける「ナオタ」と比べて欲しい。)

特に酷かったのが「椎名久美」の設定と「三歩」の過去の設定。

「久美」の父親が救助隊員!しかも「野田」の先輩で二重遭難で死亡・・・

それが「久美」の救助隊員を志願した理由って・・・(なんてベタなんだ)

 

「三歩」がハーフドームで滑落して来る「親友」(誰れ?笑)の手を掴もうとするシーンにもビックリした。

映画の元になった原作のエピソードで「三歩」がやらないと言っている事を(『岳』第2集 第3歩『滑落』を参照)映画の「三歩」はやってしまっている・・・。

あれでは、映画の「三歩」は救助で死んでしまうだろう。

 

ラストの『久美』なんて、原作では考えられない行動を取る。

更に驚く事に、その『久美』の無茶な行動によって一人の命が助る・・・・。

本当の救助隊員なら絶対にしてはならない事をカッコいいと見せる

安っぽい熱血救助物は大っきらいなんですよ俺!

そうじゃないから『岳』が好きなのに・・・。

  

原作において、一番心に強く残っている救助の話があります。

それは第2集 第6歩『選択』です。

この話で「三歩」は非情な、しかし正しい選択をします。

その選択を悲しい表情や苦しさを見せずに行います。

ウソまでつきます(この話で完全に、岳と三歩に惚れ込みました)

(第5集 『救助士』の話も改ざんされててショック)

このエピソード、『岳』の魅力である『穏やかな面』と『厳しい面』の後の方を表している部分だと思っていますが、

映画では意図的にこう言った『厳しい面』を排除している事が伺われて残念でした。

どうも在り来たりの、甘っちょろい救助物語が作りたかった様で・・・残念。

 

更にもう一つ言わせてもらうと

映画では、山に来る人達が何故山に来るのか?登るのか?が描かれていませんでした。

(映画オリジナルの三歩と久美が救助をはじめた理由を除き)

何故山に来るのか?山を登るのか?山に何があるのか?山で何を得たのか?

これ、原作『岳』の重要なテーマのはずでしょう?

映画序盤シェルンドに落ちた遭難者、あれじゃただの愚か者でしょう?

彼が何故山に来たのか?知りたい人は原作第1集 第3歩『写真』を読んで下さい。

 

最後に、

『登場人物の設定を変える』

『原作の重要なテーマや主人公や作者の救助の考え方すらも変える』

監督自身も、これは別の『岳』なんて言いますが、じゃあオリジナルの救助物でも作れよ!と言いたい。

其処までして何故原作のあるものを映画化するのだろうか?

よく言われるのは、人気のある原作を映画化する事で、原作のファンによる収益がある程度見込める事&話題性&出版社も取り込める。

それにより映画会社からの製作許可、スポンサー(資金)が集まるからだそうです。(製作の許可が下り易い)

結局、これを映画化したい!この素晴らしい作品を見せたい!では無いんですよね。

ほんと残念。

  

そんな訳で『岳』を愛するが故にこの映画、評価できませんが・・・

映画を好かったと思う方も、そうでない方も原作を読んで見て下さい。

原作は、映画よりも100倍厳しく優しい、山へ来る人達の物語です。

人は何故山へ来るのか?その答えの一端を垣間見れるでしょう。

 

劇中、谷村山荘のシーンに『岳』の作者、石塚真一さんと超有名フリークライマーの平山ユージさんが出演している事に気付きました。(気がつきましたか?)

そこが、この映画で一番印象に残ってるかな(笑)。

 


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2011年05月08日 | 本と雑誌

「鈴木ともこ」さん作のコミックエッセイ『山登りはじめました』を購入。

この作品は、「鈴木のともこ」さんと山の出会い、山での体験を記した本です。

 

このコミックエッセイで紹介されている山は~

『山登りはじめました』

高尾山―木曽駒ケ岳―立山―尾瀬・至仏山―鎌倉アルプス―富士山―丹沢・塔ノ岳

『山登りはじめました2』

草津白根山―常念岳―八ヶ岳・天狗岳―屋久島・宮之浦岳―槍ヶ岳

 

お茶目で可愛らしい「鈴木ともこ」さんと、マイペースな旦那さんの掛け合い(ご両親も)が面白い。Img_0089

自然の中で感じ取った感動がそのまま伝わってきて、ウルっとさせられました。

『岳』もそうだけど、こう言った自然が大好きな人の作品を読んだり聴いたりすると

山で自分が感じた事・想った事を、そのまま代弁してくれたかの様な作品に出会う事があります。

その度に、あの時あの場所に居た人達もみな同じ想いだったんだと、気が付くんです。

そしてまた、そんな人達の居る山に登りたくなります。

 

因みに、写真のポストカードは『四角友里』さんの友達である『鈴木ともこ』さんが描かれた

四角夫妻です。

表紙とは違い作品中は、ポストカードの様な淡い色彩の可愛らしい絵で描かれています。

 

本書は、山に足を運ばれている方には『うんうん!』『そうそう!』と、うなずかせ過去を思い出させる。

まだ山を登った事の無い方にも(特に女性!)山への取っ掛かりに成り得る本だと思います。

(一番最初に購入する山の本としても、お勧めです)

『山を登りたい!』そんな気持ちにさせてくれますよ!

『山・・・』興味はあるけど・・・そんな人に、是非一度手に取って読んで見て欲しい。

 

巻末で、ともこさんの妊娠出産を知り嬉しく思ったのですが、その反面、当分続編は読めないのかな~と思うと、なんか切ない(笑)!


ちょこっと寄り道・回り道・帰り道

2011年05月06日 | 旅行記

5月2日金時山を下山後、仙石原交差点を右折して『星の王子さまミュージアム』へ行って来ました。

ミュージアムの敷地内には洒落た建物が数棟建っており、それぞれ展示ホール・レストラン・ショImg_0063_4 ップ・教会となっています(建物の周りはバラ・紫陽花等の庭園)

 

入場料1500円を払いミュージアム内へ。

園内は作者であるサン=テグジュペリに関する展示物がほとんど。

ちょっと期待はずれ・・・そんな中、直筆の王子様の挿絵は少し感動したかな。

星に帰るため、毒蛇に噛まれ肉体を捨てる王子様は切ない。

『星の王子さま』好きの女性(それもかなりの!)を連れて行けば喜んでくれるかも?

そんな感じです。正直あの内容で1500円は少々高いかな・・・。Img_0070_5

 

星の王子さまミュージアムを出た後は小田原へ。

毎年この時期小田原では、『北條五代祭り』や『例大祭』が行なわれている。

しかし今年は震災への配慮から『北條五代ウイーク』として行われています。(ゴールデンウイーク中開催、内容は例年と変わらない)

5月3日から本格的開催って感じのこの祭り。

この日、5月2日はコンサートもやってないし、ちょっと寂しい感じだったが露店で乾き物?を売っている店を発見して購入。

どれでも5袋で1050円。

カシューナッツ×2 パイン バナナ 小アジを購入。

小アジ以外は、北アルプスでの行動食にするつもり!(賞味期限切れるけど・・・平気でしょ)

 

その後、想い出の御幸ヶ浜でチェリオを飲んでラストはラーメン宿場町へ。

そこで長浜ラーメン(600円)を食べて帰路に。

久しぶりの本格豚骨ラーメン、美味かった!!

 

電車の中から見た豊水の夕焼けは綺麗だった。Img_0085_4

田園風景のその奥は、夕日に染まった山々・・・。

サン=テクジュぺリが砂漠を思い出し、満天の星空を見上げ王子様を想う様に・・・

夜空を見上げ、この町を歩いては、空へ昇った我が月の君を想っています。

また夏に遊びに行くぜーぃ!

 

 

 

 

Img_0072

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


リハビリ登山

2011年05月04日 | その他の山

5月2日、リハビリを兼ねて金時山を登ってきました。

11:00金時神社から登山開始。Img_0021

リハビリとは言え、ここ一ヶ月以上の運動不足を解消すべく、ノンストップで登頂。

75分のコースタイムを30分と少々で登り、お陰で汗だくになったけど金時茶屋で買ったアイスキャンディー(ソーダ味200円)と風が心地よかった。

 

この日一日晴天に恵まれたのだが、富士方面には雲がかかり金時山の醍醐味である雄大な富士の姿をを拝む事が出来なかった。

人で賑わった山頂には初めて登られた人達も多く、その人達にあの雄大な富士の姿を見せて Img_0032_2 あげて欲しかったし・・・その富士の姿を見て目を輝かしている人達を見たかった。

自分が好きな物を目にし、耳にして笑顔になっている人を見ると嬉しくなるのは皆同じ。

 

今回はちょっと残念な金時山だったけど面白いこともあった。

俺が追い越した高校生の遠足?の一団が後から登ってきて、その中の二人の男子高校生が山頂に建つ『金時娘茶屋』の名を眼にして

『金時娘って・・・気になるでしょ』『見に行くしか無いでしょ!』

その高校生が引率の先生に『金時娘って、美人?』と聞くと・・・

先生は小さな声で『昔はな・・・』(笑)

俺も高校生だったら同じ事してたと思う(笑)

二人の高校生が金時娘さんを見て何を思ったかを想像しつつ、矢倉沢方面から12:20分下山開始。

 

途中ブログ用に石の上で記念撮影。Img_0043

山には未だ新緑の季節は訪れて居なかったが、山に緑が帰ってきた頃には丹沢に行きたいと思う。

それから富士山を登ったその日、その足で金時山を登って富士を眺める。

または、神奈川の実家から富士の麓まで自転車で行って一合目から富士を登る。

そんな事を考えている今日この頃。

まぁ今年も北アルプスに行くし、南アルプスにも行きたいから何処まで自分がやりたい事、行きたい所に行けるかわからない(笑)。

 

 

                            Img_0036_2