都留文科大学・高田教授の報告【其の弐】
1 被害の概要
釜石市片岸町はJR釜石駅を起点として45号線を約10km、車で約20分大槌方面に進むと鵜住居川河口に達する。河口より左岸北へ約1km続く海岸に沿いの集落である。鵜住居川は河口部で大きく右に曲がり、右岸は根浜海岸に沿って対岸に達する砂州(行政地割は鵜住居町)を形成していたが、現在は消失している。
片岸町の集落は、鵜住居河口部、高台に造成された団地、3つの沢、そして45号線に沿った平地部分にあり、自治会は10班に分かれている。
気象庁発表によると14時46分に地震が発生,震源地は 三陸沖, マグニチュード 8.8 ,深さ約20km。釜石市は震度6強。釜石市沿岸に最大の津波が達した時刻は15時21分である。[i] 片岸町町内会の死亡/行方不明者は30名[ii]。片岸町のある行政区である広域の鵜住居地区は人口6630人中、死亡者/行方不明586人。釜石市全体の死亡者/行方不明者が39,996 人 中937名[iii]であるから死亡者全体の約62 %が鵜住居地区に集中している。(2011年2月住民基本台帳) 片岸地区の家屋は標高約15mあたりの家屋まで床上浸水しており、それより下方は全壊または流失した家屋が多い。
[i]津波情報(津波観測に関する情報)平成23年 3月12日19時39分 気象庁発表http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/observation_04_20110312193944.html(2012,1,23閲覧)
[iii]釜石市 復興まちづくり委員会第1回 資料 被災状況及び取組み状況について
http://www.city.kamaishi.iwate.jp/index.cfm/10,17683,c,html/17683/20110830-120021.pdf(2012,1,23閲覧)