3月13日の選者
梶原さい子 塔短歌会所属
宮城県で高校教師をしている時東日本大震災に出会う。ずっと、震災を歌い続けている。
★それでも朝は来ることは
止めぬ。泥の昼 ひとつひとつの入り江の奥に
★波がここまで来たのですかといふ問が100万べんあり100万べん答ふ
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【リスナーの短歌】
□中継で激しく迫る津波に、早く逃げろと叫びしあの日
□水、電気、まだ、今日も来ず 赤ん坊に沐浴させしやかんの水で
□119番の 遺体袋のファスナーを 下ろせば母の穏やかな顔
□宮古駅出でて海まで高波の底歩けり あの年の夏
□松島の茶店の壁に記された海面の赤線 我を見下ろす
□妻と娘と母を探せるその人の黙祷流し、海に雪降る
□いついくか、何が出来るか若者の目を開かせし大震災は
□10年分増えしタンクの汚染水 術なく立ちてあの海に向く
□福島より避難の君は この里の過疎を支える大きな家族
□故郷を決めかねている
12歳 震災の後転々として
□高々と防波堤が建てられて真青なる海視界から消ゆ
□〈フクシマ〉と言われし事の違和感を言えぬ 私の故郷は〈福島〉
全国から投稿された短歌を
紹介されました。
当事者の、深い悲しみと、
離れた土地から、悲しみに、寄り添う心のこもった短歌が次々に紹介されました。
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▲聴きながら、胸熱くする震災の 測りきれない涙のサイズ
▲日本は、地震列島と
しめす地図
プレートだらけで
目が、回るなり
▲大地震、必ず来るといふ人の声聴きながら
布団にもぐる