その瞬間
涙があふれました。
かつて、日本シリーズで、ノーヒットノーランのチャンスで
ピッチャー交代。
岩瀬の抑えが成功して、
ドラゴンズが日本一になったのでした。
その裏で 落合監督の非情采配と批判されました。
私は、落合監督の采配は、正しかったと思いましたが、
あれ以来、山井が登板するたび囁かれたものでした。
あの借りをやっと返せた瞬間。
感動でした。
よく頑張ったね。
【スポニチ】より
9回2死。代打・内村のゴロを自らキャッチし、一塁へトス。その瞬間、山井は大きくガッツポーズをつくり喜びを爆発させた。リード面で支えた谷繁も大喜び。祝福するナインの中央で山井を抱え上げ、歓喜に酔った。
「本当に信じられないです。分かんないですね。とりあえず、うれしい、しかないです」。試合後のヒーローインタビュー。大記録達成の感想を聞かれた山井は、少し戸惑いながらも最高の笑顔を浮かべた。
初回に大量援護が、山井の好投を引き出した。「初回にあれだけ点を取ってくれたので、完投しないといけない」。そう考えつつも、調子自体は良くなかったという。「谷繁さんの思ったところに投げられずバタバタした」。それでも「丁寧に、丁寧に」と自分と言い聞かせ、アウトを積み重ねていった。
「7、8回ぐらいでまた打たれるんやろな、と思ってました」。そう振り返って笑った山井。記録を意識し始めたのは8回ごろだったという。そして「少し緊張」して上がった9回のマウンド。先頭の代打・ラミレスを左飛に、続く石川を二ゴロに打ち取ると「絶対に(ノーヒットノーランを)取ってやろう」と最後の力を振り絞った。
インタビュー中、記念のウイニングボールを両手にしっかりと握りしめた。「野球を始めて、ピッチャーをやり始めて、初めてのノーヒットノーラン。みんなの気持ちもこもっているし大事にしたい」。山井はナインに感謝し、そう言葉に力を込めた。