どこかに行こう 何かしよう
王子様が連れ出してくれるわけじゃないから
この曲は・・・とても思い入れがありますね
まず、アルバムで初めて聴いたんですけど正直リードトラックかシングル曲かな。って感じたくらい、
ポップでキャッチーでストレートなロックナンバー。若干パワーポップの匂いもするその王道っぷりは、
正に「ザ・シングル曲」という印象で跳ね回るドラミング、痛快なギター、踊るベース・・・
何もかも最高で突き抜けるような楽曲なので大人気アンセムなんだろうなあ。って思ってたら。
まさかのカップリング曲(!)っていうから驚きました
正直シングルとして発表されている曲よりもよっぽどシングル曲っぽい。し、
キッズにも受けそうな楽曲ですが・・・隠れすぎだろ。っていう。
いや、アルバムの3曲目なんでそこまで隠れてないかもしれないんですが、
でもこれ一発で好きになる人も結構いると思うなあ。
歌詞がまた良いんですよね
ドラマや漫画の観過ぎで我々は常々「都合の良いストーリー」が「向こう」からやってくることを期待してしまう
何もしてないのにも関わらず、努力してないのにも関わらず今現在の“退屈”を嘆いてしまう
でも、
それは違う。
自分にとっての「嬉しい」「楽しい」「幸せ」は勝手に都合良くやってくるものではなく、
自分から動く事で発生したりその手に掴み取っていくものなんだ・・・という誠実なメッセージが響いていて、
ポップでありながらもシビアな作中観に唸らされる詞世界に仕上がってるのが素晴らしいですね。
いい加減、ただ漠然に夢見たり妄想の中だけで生きるのは止めようぜ、っていう。
全てが全てうまくいってくれるとは限らない
そんなこと100も承知で
止まるよりマシだ ただそれだけ
人間、
ネガティブに考えればどこまでもネガティブに考えれてしまう
そっちの方が楽だし、傷付かない選択肢を自ら取ってしまう生き物だから
でも、この曲のこの歌詞を聴いてると、そんな余計な事すら一切考えずに、
無我夢中になってぶつかる方が気持ち良いんじゃないか・・・そんな風に思えてきます
そう、
自分なりに頑張っても、
努力しても、
全部うまく行くとは限らないんですよね
その辛さを歌うと同時に、「それでも」って想いも同時に歌ってくれる
意外にも、シシャモってすげー泥臭くて格好良いロックバンドなんですよ。
そう、そこをちゃんと伝えたいし、ちゃんと伝わってないと損だよね?って思います
その為にこの新譜の全曲レビューやってますけど・・・純粋に聴いてて元気が出てくる、名曲だと思います。
止まってしまうよりは、やっぱり自分の「何か」を信じていたい。実は切実な曲でもあります。
「誰よりも笑顔でいること」
それはとても難しいことだけど
自分をもっと好きになれるおまじない
最近はよく通勤の時にこの曲を聴いて元気に・・・元気、というか
ポジティビティを受け取って自分の中で「良いイメージ」を膨らますようにしています
そう素直に楽曲のメッセージを受け取れるのも、
この曲が安易なことを歌ってない、
例えば、
負けるな。とか、
頑張ればきっと上手く行く。とか、
そういうフレーズを一切使ってない、
宮崎朝子さんの誠実さが光っているフレーズの集合体になっているから・・・だと真剣に思います
自身が笑顔でいること、楽しむこと、幸せである事を「望む」のではなく、「向かう」という強い想い。
そんな光に満ちた純正のロックアンセムでめちゃくちゃ聴き込んで踊っている大切な一曲です。
朝子さんの透き通ったボーカルもまた美しくて大好きですね。