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新・syrup16g全曲レビューその5「冴えないコード」

2019-08-10 | 新・syrup16g全曲レビュー
                              








何処か違うけど
そこで何か言う術を持たないし もう
何処か違うけど
そこで何か言う術を 捨てよう








こんなこと書くのもアレですけど、
正直他人と話してて繋がってて「なんか違う」「そうじゃない」「自分とは違うな。」ってよく思うじゃないですか?
思わないですか?まあ自分はそんなんばっかだよ、っていう話なんですけど
そういう・・・“居心地の悪い違和感”を無視出来る人とそうじゃない人がいて、、、
いや、もっと言えばそれを噛み砕いたり妥協出来るセンスが生き抜く為には必要になってくると思うんです
でも、そういうセンスがなくて純粋に「嫌だな。」「退屈だな。」って気持ちが勝(まさ)ってしまうと・・・
この曲のような状態になってしまう、という事なんですよね。

その、「何かが違う」、、、って感覚って結局どうしようもなく個人的で、ある意味わがままなもんじゃないですか?
だからこそ、この曲の歌詞は「言う術を持たない」「捨てよう」っていう言葉に続く訳なんですけど、
正直な話その先に待っているのはとてもじゃないけど絶対幸福な未来なんかじゃない
もっと孤独で、もっと暗くて、もっとどう仕様もない世界だと思うんですけど、
だからといって、
「何かが違う」とか感じた自分の感覚って正直間違ってなくてそれはそれで自分に素直になった感情の結果だったりするから
余計に厄介というか、やるせないというか・・・そういう残念な違和感すら消化して楽しめれば理想なんですけど、
現実はただただ寂しくて疎外感を受けてしまうだけなんで、、、そういう人間には思い切り響く楽曲、
攻撃的なギターの音色、アンニュイな雰囲気も含めて個人的には大好きな一曲です。


言う術を持たない、っていうのは、言ったら自分が嫌な人間になってしまうんですよね
だけど、その・・・正論とかそういうもんだけで人間って出来てる訳じゃないですし、
どうしても心の中では煮え切らない感情がどんどん堪っていって、
それがストレスとか不満になってしまうのかもしれないんですけど、
だからこその「捨てよう。」だと思うと、
それって結構切なかったりもするんですが、
でも結局は人は一人、
あの世に行くときも絶対に一人ですから、
そういう意味ではある種正しく「悟っている」そんな曲だと断言出来るかもしれません。
そしてそれは、何よりも強くて忍耐的で美しい想いだったりするのかもしれません。淋しいですけどね。

この曲が素晴らしいのは、そういうある種言いづらい・・・っていうか
他人が中々言葉に曲にしない感情をきれいに音楽にしていて、
それが逆に普遍的に感じる。。というセンスなんですよ
そしてそれはとってもシロップらしいセンスに思える
最後の懐かしい頃、ってフレーズも、
一切何も考えてなかった優しく豊かな時代を想ってる様子を描いているようで、
そういうトコも含めて個人的にかなりお気に入りだと思える楽曲の一つです。




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