サブカルチャーマシンガン

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【アルバムレビュー】あ、うん/bonobos

2020-07-04 | アルバム感想
                     







1.あ、
2.あまい夕暮れ
3.on and on
4.この星につっぷしながら
5.Sunshine In The New Life
6.光のブルース
7.Beautiful
8.よあけまえ








2006年に出たアルバム
今から14年前ですかね・・・
本作の特徴としてはまず全8曲のアルバム、という事で
実直に「聴きやすい」という事が挙げられます
そう、
個人的にはアルバムって8~9曲ぐらいが一番聴きやすいと思っていて・・・
正直な話、14~15曲ぐらいになると結構聴く前に「よし、聴くぞ!」みたいな、
世界観に没入する気概みたいなものが必要とされると思ってるんですけど、
それが8曲ぐらいだと「お、取り敢えず聴こうか。」みたいな・・・
そういう風になるじゃないですか
ならないですか?笑
でも、
気軽に聴けて、シングル程少なくもないからちゃんと浸れる、このくらいの曲数の作品って
自分的に「もっとあってもいい。」って純粋に感じたりもしてるんですよね

もう一つ、
今作はスロウなイメージのあるボノボの中では、
割とアレンジ的に攻めてる作品というか、
ポストロックやシューゲイザーの匂いも要所要所に感じられてそういうトコも・・・
いや、そういうトコが何より大好きなアルバムです
その上で、
ちゃんとボノボ印のポップ・ミュージックもきっちり入ってる抜け目のなさもまた秀逸な作品
聴きやすい・ロック的なアレンジも光ってる・ちゃんとポップでもある、、、という事で
入り口の広さ的にはボノボの中でも際立っている、と思われる作品
一部の曲に漂う閉鎖観及び哀愁の匂いもまた好みなアルバムです。


推しの3曲はすんなり決まりました
というのも本作は思い出したように聴いてるのではなく、
割と(言及はしてなかったかもですが)コンスタントに聴いていて、
その中でも最もロック的な焦燥感が光っている切羽詰まった雰囲気も格好良い「on and on」、
ポストロック的なアレンジが気持ち良い卑屈ながら明るい(!)「この星につっぷしながら」はめちゃくちゃお気に入りで、
これ聴いてるだけで自分自身が格好良くなってしまった錯覚を受けてしまうぐらい素晴らしい2曲だと思います
結構、
この2曲はボノボの優しくふんわりした・・・そういうパブリックイメージから離れてる曲で、
当時はそのギャップにやられて相当ハマって聴き込んでた思い出がありますね
どっちの曲も、
どこか淋しい感じがするというか、
その上で希望を捨ててない感じが理解出来て凄く聴いてて気持ちが入るんですよね
前者は小気味良いアコギのカッティング、後者はファンキーで大人びている間奏が特にツボです
コーラスワークも気持ち良くて多分当時はこの2曲がボノボの新機軸だったんだと思います
 もう一つの推し曲「光のブルース」は逆にTHEボノボ!というか、
ポップさ、躍動感、サビのポジティブさ含めて、
本当パブリックイメージのボノボを全力でブラッシュアップしつつやり切りました!って感じで
これはこれで王道を潔く振り切りながら表現していて素晴らしく思えるんですよね
確かこの曲はライブでも定番だったんじゃないかな・・・って記憶があります
「笑わんでくれよ」と「what a wonderful life」を掛けてる歌詞もセンス抜群で最高です
ボノボの歌詞はポジティビティ溢れつつ人間臭さも滲んでるから好きなんですよね
この曲だと「正しくなくても歌え」って歌詞もまた絶妙だと感じました。

ただ、
その他の曲も勿論良いです
一曲目の「あ、」(このタイトル超好き)の時点で切実さが光るポップソングに仕上がっていて、
正直な話この曲も推し曲にしたくてちょっと迷ったりしましたね・・・笑
シングルにもなった優しくもどこか憂いも感じる雰囲気が素敵なバラッド「beautiful」も名曲だと思う
レゲエテイストの「Sunshine In The New Life」も蔡さんの小気味良い歌声に浸れる楽曲で
途中でシューゲイザーの匂いも感じさせる最後の長尺のロッカバラード「よあけまえ」もかなりの名曲です
そう、
8曲のアルバムだから聴きやすくて良い、というのもありますが、
そのどれもが良い曲だからこそ余計に聴きたくなってしまうというか・・・
そう考えると、
ある意味計算してこの楽曲数とこの構成になってる気がします
ポストロックからレゲエ、ポップスからシューゲイザーっぽいテイストまで、
8曲の中で色々な表情が楽しめるのもまた本作の特徴であり推しポイントだと思いますね
聴きやすい、上に、
バラエティにも富んでいる・・・と言う事で、
ある意味理想的なアルバムの形の一つ、、、なんじゃないでしょうか
ボノボ=遅いテンポでゆったりしたスロウミュージックを奏でてるバンド、というイメージだったとしたら、
正直それだけじゃないとも思うので、そういう人にこそ聴いて欲しい傑作、ですね・・・自分の中では。









君に伝えなきゃいけないこと うなされるくらいあんだよ
いつも伝えなきゃいけないのに 泣きたい気持ちになんだよ 
種をまかなくちゃ 水も引かなきゃ もぎとれるくらいになったら
いつか伝えたいこの気持ち 少し大きめの あ、
どうかあなたの胸に突き刺され (あ、)



そう、
今のこの時期にもこの音楽が似合う気がして・・・
ちょっとけだるげな気候にもフィットしてくれる感じ、
その感じも含めて大好きな作品。
このアルバムももう15年近く聴いてるとなると本当に好みなんだな、って思いました。




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